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INTERVIEW

トップインタビューG.D.FLICKERS - 粋なロックンロールを体現する心意気を糧に転がり続ける"トラベリンバンド"の叛逆精神

粋なロックンロールを体現する心意気を糧に転がり続ける“トラベリンバンド”の叛逆精神

2020.10.16

忘れ難いアルバムはビクター時代最後の作品『ROCK'n'ROLL SUICIDE』

──35周年の節目にオールタイム・リクエストライブをやってはどうかとロフトから提案させていただいて、春先にG.D.のレパートリーの人気投票を特設サイトで募ったじゃないですか。上位10曲は、1位=「A Rebellious Hero」、2位=「古きドリアン・グレイに」、3位=「AGAINST THE WIND」、4位=「DAISY」、5位=「BAD IS FUN」、6位=「CHANGES」、7位=「トラベリンバンド」、8位=「23日のクレイジーブギ」、9位=「DRIVIN' BOOGIE」、10位=「Born Under The Lucky-Moon」で、3rdアルバム『REBELLIOUS HEROES』(1989年4月発表)と5thアルバム『トラベリンバンド』(1990年3月発表)の収録曲がファンのあいだでは特に人気があるという結果になりましたが、ご本人としてはどう感じましたか。

JOE:単純な話、売れた枚数が多いのが『トラベリンバンド』や『REBELLIOUS HEROES』なので、その辺のアルバムを持っている人が多いということじゃないかな。それだけ市場に出回ったということは中古にも出回っているんだろうしね。曲というのは一度作品として出してしまえば半分はお客さんのものだと思っているし、自分たちとしては作品を作るたびに前よりもいいものを作ろうと思うわけだから新しい作品のほうがグレードは高いという意識があるんだけど、お客さんには昔の曲にまつわる思い出や思い入れがそれぞれあるだろうし、そういう曲が選ばれたんだろうね。

──そのなかで注目したいのが11位にランクインした「東京無限」で、目下最新作である『悪魔』(2015年9月発表)の曲が入っているのは35年経ってもなお現役を貫いているバンドならではの結果だと思うんですよね。

JOE:「東京無限」が入っているのは嬉しいね。2位に「古きドリアン・グレイに」みたいな曲が入ったのは意外だったけど、歌に自分の姿を重ねてくれた人が多かったんだろうね。自分のなかでは「古きドリアン・グレイに」も「東京無限」も同じような内容の歌詞で、高校の頃からバンドをやるようになった自分のことを唄ったのが「古きドリアン・グレイに」で、東京へ来ていろいろと挫折をしながら今もバンドを続けていることを唄ったのが「東京無限」なんだよね。「古きドリアン・グレイに」の延長線上に「東京無限」があるし、歌の主人公は同じなんだよ。

──この人気投票の結果を他のメンバーはどう思っているのでしょう?

JOE:特に気にもしてないんじゃない?(笑) ふーん、って感じだと思うよ、性格的に。

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──カバーアルバムを含めて15枚のアルバムにはどれも深い思い入れがあると思いますが、JOEさんにとってとりわけ忘れ難い1枚を敢えて挙げるとすればどのアルバムになりますか。

JOE:7枚目の『ROCK'n'ROLL SUICIDE』(1993年10月発表)はいま聴いても好きだね。徹頭徹尾ロックンロールにこだわって作ったアルバムなので。作った環境はバンドブームが終わった後で、ビクター時代の最後のアルバムなんだよ。その頃はもう青山のビクタースタジオを使わせてくれなくて、河口湖にあるビクターのスタジオで録ってさ。青山のスタジオはビクターのトップアーティストが優先して使う所で、最新鋭の機材がある最上階のスタジオはだいたいサザンオールスターズが使うんだけど、俺たちも1回だけそこを使ったことがあるんだよ。その最上階のスタジオには桑田佳祐専用の温水洗浄機能付きのトイレがあって、そこは使うなとスタッフに言われたんだけど、俺はわざわざそこでしか大をしなかったね(笑)。で、スタジオの階が下になるほど機材のグレードも落ちて、青山で要らなくなった卓とかの機材が河口湖へ行くわけ。その河口湖のスタジオはペンションみたいなのが隣接されていて、『ROCK'n'ROLL SUICIDE』はそこへ行って泊まり込みで制作したんだよね。何をやるにも24時間ずっとメンバーと一緒でさ。泊まる部屋のリビングにビデオが置いてあるんだけど、ソフトの本数が少ないんだよ。でも夜中に寝酒をするときに他に見るものもないから、仕方なく毎日『イージー・ライダー』をみんなで一緒に見たときは頭がおかしくなりそうになったね(笑)。

──どれだけ仲がいいんですか(笑)。

JOE:いつもは人の世話をしない原が朝になるとみんなに紅茶を入れてくれたりね(笑)。そんな感じであまりにも一緒にいると、ちょっとおかしな行動になってくる。そんな環境も含めて思い出深いかな。

 

新宿ロフトという帰る場所が欲しかった

──バンドブームが去ってビクターからキティへ移籍、所属事務所を転々とするなど90年代の半ば以降のG.D.は荒波に揉まれた印象がありますが、そのなかで後ろ盾をなくしたバンドが真の意味で独歩できるようになったのはいつ頃だと捉えていますか。

JOE:バンドブームが来てロックやバンドというものがお茶の間に浸透して、たとえば中高生が気軽にバンドを始められるようになったのはいいことだとは思ったけど、いずれブームは去るものだし、このブームに巻き込まれたら俺たちは終わると最初から思ってた。レコード会社や事務所はもっと大きな場所でライブをやらせたがっていたけど、俺は新宿ロフトにこだわって、ロフトで毎月やらせてほしいと何度も説得したんだよ。なぜなら帰る場所が欲しかったから。その後、案の定バンドブームが終わってさあどうするかというときに、レコード会社がバンドの今後の在り方について口を出してきたわけ。最初は3年、その後に2年の契約が終わろうとしている頃で、うちだけじゃなくて全体的にライブの動員が減ってきた時期でね。詳しくは話せないけど、この条件を呑めばまた渋公みたいに大きなステージに立てるぞと言われてさ。当然だけどお断りして、そのとき完全に地に足が着いたね。なめんなよバカ、と思って。

──その判断は、新宿ロフトで交流を深めた諸先輩バンドがレコード会社の方針に翻弄される様を見聞きしていたことも大きかったですか。

JOE:うん。ロフトでARBや亜無亜危異といった先輩方の背中を見てきたし、彼らの帰る場所はロフトだったからね。俺はどうしてもロフトでライブをやりたくて出入りするようになって、ロフトに出られるようになってからは週末にやりたいとかワンマンをやりたいとか、一歩ずつその階段を駆け上がってきたんだよ。そんな大切な場所に出られなくなるのは精神的にもきつかった。

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──たとえばバンドブームの功罪を生んだ『イカ天』についてはどう感じていましたか。

JOE:あの番組のおかげで才能を見出されたバンドもいただろうし、良いも悪いも両方あったんじゃない? たまに見ると結成が1週間前だったりするバンドもいて、俺たちは長い時間をかけてちょっとずつ名前を売ってきたから悔しい気持ちもあったよ。そんな簡単に有名になれるんだという驚きも含めてね。当時、その裏番組が『オールナイトフジ』で、俺たちも何回か出てさ。ちょうど『イカ天』の人気が出始めた頃に『オールナイトフジ』の何百回目かの回にたまたま出て、オープニングで記念のくす玉を割ってから演奏に入るっていうのがあったんだけど、一言お願いしますと言われたので「隣のチャンネルでなんかくだらねえロック番組をやってるけど、土曜の夜は『オールナイトフジ』って昔から決まってるんだよ、バーカ!」って生放送で言っちゃったものだから、そのせいでTBSから干されたことがあったね(笑)。

──JOEさんの諧謔精神ここにあり、ですね(笑)。

JOE:フジテレビの人は喜んでくれたけど、TBSの人もそれをチェックしてるからね。当時、『イカ天』でプロバンドベスト10だか20だかのプロモーションビデオを紹介するコーナーが審査のあいだにあってさ。人気に従って矢印が上がったり下がったりするんだよ。俺が暴言を吐く前の週はG.D.が6位で矢印も上向きだったんだけど、『オールナイトフジ』に出て以降はチャートからバンドの存在自体が消されたからね(笑)。言いたいことを言うのがロックだと思うから何の後悔もないけど。

 

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LIVE INFOライブ情報

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G.D.FLICKERS 結成35周年記念ライブ2DAYS
【DAY1】
出演:G.D.FLICKERS / THE SLUT BANKS / 横道坊主 / ゲンドウミサイル / ニューロティカ / 4-STiCKS
2020年10月30日(金)新宿ロフト
OPEN 17:45 / START 18:15
前売¥3,500 / 当日¥4,000(共にドリンク代別¥600)
通し券¥6,500(ドリンク代別¥600)
配信チケット¥2,000[アーカイブ購入は11月2日(月)21:00まで]
【DAY2】
出演:G.D.FLICKERS  ※ゲスト有り
2020年10月31日(土)新宿ロフト
OPEN 18:30 / START 19:00
前売¥3,500 / 当日¥4,000(共にドリンク代別¥600)
通し券¥6,500(ドリンク代別¥600)
配信チケット¥2,000[アーカイブ購入は11月3日(火)21:00まで]
問い合わせ:新宿ロフト 03-5272-0382
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