互いが全部出し切る話し合いで良い流れに
──そこではどういうことを話し合われたのでしょうか。
田中:メンバーに対する怒りとか不満とかって、だいたいは理解不足だったり、勘違いだったり、すれ違いだったり。怒っているほうが100%正しいってわけではないので、まず理解し合うために、そこでとにかく全部出し切ろうという日が2回あったんですよ。みんなはけっこうしんどかったのかな?
レーレ:ああいう話し合いって凄く大切だなと思ったし、あれを機にメンバーにもっと言えるようになったというか。今まで言えないけど思っていたことをちゃんと言葉にして伝えるようになりました。
ユブネ:パワーバランスも平均化されたというか。確実にそれからいい流れができましたね。
──その時期に、経験値の高いレーレさんが加入したというのは大きかったんじゃないかなと思います。レーレさんはどうしてミシェルに入ろうと思ったんですか。
レーレ:一番は、THERE THERE THERESがいきなり終わってしまって、アイドル活動を全部やりきったぞと思えなくて。やりたいこととか夢がまだまだたくさんあって、叶えられていなかったので。アイドル活動は今しかできないし、悔いのないようにと。もともとミシェルちゃんの曲は凄く好きだったというのもあって、次こそはっていう気持ちで決めました。
──レーレさんが加入して、メンバーの雰囲気に変化はありましたか。
ミミミユ:レーレちゃんが入ったことにより、これからこうしようっていうグループの話がいっぱいできるようになりました。
レーレ:レッスン会場の近くにコンビニのイートインスペースがあって。そこで集まって、レッスン後に、どうしよう、どうしたらいいんだって話していました。それぞれグループに対するモチベーションだったり、振りの覚え方だったりは違うじゃないですか。あの子はどう教えたらいいんだろうとか、どう言ったら変わってくれるだろうとか、いろいろと話し合いました。
──2019年の3月にはミミミユさんが一度リーダーを解任になったこともありましたね。
ミミミユ:メンバーのまとまりというか雰囲気が良くなくて、それぞれ挨拶もちゃんとできなかった。それは私の責任だったので、解任になりました。
田中:新しく入ってきた子たちが、こんなもんでいいんだと思っちゃう状況だったと。リーダーはこうしたいと思っているから、周りのメンバーもみんなで支えていこうと思えるのがリーダーだと思うので。ミミミユ1人のせいで解任というわけではなくて、その時のグループの雰囲気を見て解任にしました。
──それは、田中さんの中で大きな決断だったのではないでしょうか。
田中:その時は、このままだったら秋あたりで終わらせていいとさえ思っていました。それはメンバーにも伝えていて。ミシェルって2017年にデビューして、その時から応援してくれている人がいて。お客さんだけじゃなくて、関係者の方々も。『ギュウ農フェス』でトリをいただいたりとか、いろいろなアイドルイベントでいい出順をいただいたり。そういう時に、再始動してここから私たち頑張っていくぞってムードがないと、本当にどうしようもないものをたくさんの人に見せることになってしまう。そうなるくらいだったら本当に終わらせようと思っていました。なので、ここまで全員がグループのことが大好きで、メンバーのことが大好きで、それがお客さんに伝わって、曲の話題性とかではなくて、メンバー自身の魅力や繋がりで広がっていくってところまでは想像していませんでしたね。
初のMV撮影以降に固まったグループの結束
──グループとして立ち直ることができたのは、どんなきっかけがあったのでしょうか?
ユブネ:初めてMVを撮った後に確実に変わりました。「69」のMVの撮影中に、シャイシャイコが脱退になってしまって。私にとっては、メンバーの脱退が初だったので。そこで、新しく入ったメンバーだからとかではなくて、グループに所属している1人1人の重要性を改めて認識して。その後MVが出て、夏の大きなイベントに向けて一緒に過ごす期間が濃くなっていって。レイヴの回数も増えて、自然にグループとして固まったというか。そこが確実に今のミシェルの始まりでしたね。そこにさらにナーナナラが加入して、今の形になりました。
──ナーナナラさんがミシェルに入ろうと思ったきっかけは?
ナーナナラ:小学校の頃からアイドルが好きで、いつか自分もアイドルになりたいと思ったんですけど、踏み出せずに時間が経って、気づいたら高校3年生の6月になっていて。何かを始めるなら今しかないと。それまでオーディションも受けたことがなくて、でもミシェルのことは知っていたんですよ。普通にミーちゃんとブーちゃんの2人の時に、お客さんとして観に行っていて、リリースイベントでもCDを買って並んで握手もしていて。次に自分が好きなグループのオーディションが開催されたら受けようって決めた次の日に、ミシェルのオーディションのTweetが流れてきたんですよ。「これは運命だ!」って(笑)。
──そのタイミングは、奇跡に近いですね。
ナーナナラ:初めて自分の意思でオーディションを受けたので、受かるとは思っていなかったんですよ。経歴もなくて、ダンスをやっていたわけでもないし、歌も好きだったけど全然自信はなくて。でも、田中さんがTwitterでどんなに経歴が良くてもかわいくても真剣に取り組まない子は全員はじいたって言っていて。真剣さに関しては、負けないかもと思ったんです。とにかく真剣に頑張れますってことをアピールしていたので。
田中:ナラは、オーディションの1人目だったんですよ。ミミミユもどんな子が入るか見定めたいっていうのがあったので、僕とミミミユで面接をしていて。かなり応募総数が多くて、その中の何十人と面接したんですけど、その1人目で、そのままずっと勝ち逃げした感じなんです。
ミミミユ:本当に良くて。どこにも渡したくなくて。
一同:(笑)
ユブネ:オーディションから帰ってきて「どうだった?」って訊いたら「決まりの子いたわ」って。それがナラでした。スタッフさんも絶賛していて。
田中:あの時、グループとして固まりつつあった時期だったので、最後の新メンバーの人選を間違えたら、また崩れるかもしれないというのがあって。だけど、入ったのがナラで、みんなの中で大きな安心要素になりましたね。
ミミミユ:今まで習ったことがないのにダンスを覚えるのが一番早いし、凄く真面目なんですよ。
ナーナナラ:でも正直、外から見ていて、このメンバーが完成しているミシェルに見えていたので。ここに私が入ってそのバランスが壊れないかなとか、マイナスに動いたらどうしようとか、足を引っ張ったらどうしようとか、レッスンに行く前はめちゃくちゃ緊張していて。なので、動画だけは人一倍見ておこうとかはしていました。
──憧れのミシェルに入って、率直に今の気持ちは?
ナーナナラ:本当にミシェルに入って良かったなって思ってます。普段わりとマイペースにのんびりと生活しているので、ここまで何かに夢中になれたことがなくて。こんなに必死に打ち込めることって凄く幸せです。最初はどう接していいか思ってたんですけど、私自身がけっこう喋るし、明るい人なので、自分からも話せていけたかなと。まだ今日(1月19日)で、お披露目からちょうど4カ月なんですけどね。
メンバー:まだ4カ月!?
ナーナナラ:まだ半年も経っていないんですよ! みんなももっと一緒にいたみたいって言ってくれているし、自分ももっと一緒にいたみたいだなって気持ちになっちゃうくらい、家族みたいな関係です(笑)。
レーレ:ナーナナラが入ってから、さらに急スピードで良くなっていったなと思うんです。6人のツアーで、ミシェルに注目してくださった方も多いと思うし。ナーナナラは場の空気を明るくしてくれて、それもグループの強みになりました。新メンバーがナーナナラで本当に良かったなと思っています。