「喫茶カスミソウ」はアイドルグループtipToe.の楽曲「クリームソーダのゆううつ」のMVに登場する架空の喫茶店。去年の夏にLOFT9 Shibuya内のカフェcafe9とのコラボレーションカフェとして期間限定でオープン。たくさんの方にご来店いただき好評だった「喫茶カスミソウ渋谷店」が今年も帰ってきた!
クリームソーダ職人tsunekawaオリジナルレシピによるtipToe.メンバーをイメージしたクリームソーダ6種が楽しめる。今年はさらに、なにかがあるらしい?のでtipToe.サウンドプロデューサー本間翔太とクリームソーダ職人tsunekawaにインタビュー。クリームソーダはとってもワクワクするものだった!(LOFT9 Shibuya:須田)
クリームソーダの可能性
──まずはtipToe.とtsunekawaさんの出会いのお話から伺いたいです。
本間:tipToe.というグループは僕とカメラマンの長谷川圭佑とふたりで始めたんですね。僕はサウンドプロデュース、彼は写真や映像といったビジュアルプロデュースを担当しているチームなんです。彼の衣装のイメージを実際に現実に落とし込むというところで、もともとお付き合いがあったtsunekawaさんに衣装の具現化をお願いしたのが最初です。「すごいひとがいるらしい」とtsunekawaさんの名前は長谷川から聞いていて(笑)。今はクリームソーダ職人として有名になってるんですけど、そういうこと以前に特にクリームソーダを意識するでもなく作った「クリームソーダのゆううつ」という曲が、tipToe.にあるんです。その時はクリームソーダがどうとかそんなんじゃなかったんですけど。
tsunekawa:同時期くらいですね。作りはじめてはいましたけど、その時期は特にそれでバズったりとかいうわけではなく。
本間:一緒に曲を作ってくれている作家さんのひとりが、「クリームソーダの曲をアイドルに歌わせたい」という想いがずっとあって、それをtipToe.でやりたいと言って作ったんです。一時期、「クリームソーダのグループ」とまで言われるようになってました(笑)。tipToe.の曲は全て、ある架空の街が設定の舞台としてあって、「クリームソーダのゆううつ」は主人公の女の子が喫茶店の窓際の席で好きな男の子が通りかかるのを待っているという内容の曲なのですが、その喫茶店の名前が「喫茶カスミソウ」。ただ運営側の裏設定であっただけで、別に曲にも出てこないですし、MVの中でもこの名前が出てくるわけでもないんですが、去年の夏頃tsunekawaさんと、「おもしろそうだからコラボカフェできたらいいね」という話になって。せっかくだから、「喫茶カスミソウがcafe9と仲良くて『ちょっと一緒にお店やってみようよ!』って言われた」って設定でやってみないかと!
tsunekawa:それで、cafe9さんで実際に「喫茶カスミソウ渋谷店」を期間限定で開いてしまったという。
──これだけの世界観を持って当店でやりたいと言っていただけたのはとても珍しく、嬉しかったです。
本間:ありがとうございます。遊園地のアトラクションに近いと思います。その物語の中に入るっていう。
tsunekawa:体験型ですね。
──先ほど裏設定のお話しがありましたが、お客さんもそれを楽しんでいらっしゃいました。今年も楽しみですね。
本間:実はそういった出していない設定がまだいろいろあるので、お客さんたちがMVを観たり曲を聴き込んで、どこになにが隠れているのか探すようになってるんですよ。
tsunekawa:そういうのめちゃくちゃおもしろいですよね。
クリームソーダの拡張性
──tsunekawaさんはどこからクリームソーダ職人となったんでしょう?
tsunekawa:クリームソーダが好きな友人がきっかけです。最初に純喫茶によくあるクリームソーダを作ってみた時に、すごい可能性を感じたんです。カクテルの種類がたくさんあるように、これってもっといろいろ発想できるんじゃないかと。僕はファッションデザインを仕事にしていて、設計して物を作るのが好きなのでそれと同じ感覚で、めちゃくちゃおもしろい!というのに気づいてから、いろんなレシピを作って…もう、もう! 止まらなかったです(笑)。仕事の休憩中に作っていたんですけど、その写真をSNSにアップしたらどんどん見てくださる方が増えていって。
──どれくらいのペースでレシピを考えてるんですか?
tsunekawa:月に2回連載があるのでそのためのレシピ制作と、思いついたり作ってみようってなったとき。あとはまた別で、「旅する喫茶」という活動を行っていてそのためのご当地メニューの開発のときです。月2〜4回くらいやっているので、それを考えると5、6個くらい。
──うまくいかないな、というときもあるんですか?
tsunekawa:そうですね。気分が乗らない時は思い浮かばなかったりするんですけど、そういう時は少し街を歩いてみたり、旅行とかで息抜きをすると、ある時にふっと浮かんできたり。例えば、空が綺麗だなって思った瞬間の色を覚えておいて、それを表現したり。ヒントというかきっかけはいろんなところにあるなと気付けて、それもおもしろい部分です。
──その時々の季節のものや、天気のものなんかもありますよね。
tsunekawa:そうです。それを自分ひとりの中で終わらせることなく、またほかのひとにも飲んでもらうっていう拡張性もあって、すごくおもしろいと思います!
──今回tipToe.さんとコラボの6種はどんな感じで決まったんでしょうか?
tsunekawa:好きなものとメンバーカラーをもとに考えて、みなさんにお渡しました。海ちゃんはお酒入りのものがいいというリクエストがあったのでお酒ありなしどちらでも選べるようにしました。1回飲んでもらいたいですね!あれは結構…悪魔的な味がする。あれはやばいです(笑)。今回はシロップの味によってアイスにしたりシャーベットにしたりしているんですけど、口に入れた時の温度差で普通のクリームソーダとは違った味わいになっていると思うのでぜひ食べ比べてしてもらいたいです。グラデーションで表現しているものもあって、食べ方によって味が変わってくるのでその辺を気づいてもらえたらおもしろいかなと思います。