『俺たちは健体者に元気だの勇気だのを与えるために生きてるんじゃない』を掲げるフロントマンが知的障害者のパンクバンド・スーパー猛毒ちんどんが、トークイベント"スーパー猛毒ちんどんの裏・全部見せます『バカ元年 vol.1』"をロックカフェロフトにて開始する。
初回の5/22を前に、コンポーザーの佐藤一成、クラリネットのあきこ、自称リーダーのイノウエ、ボーカルのイチマルとノブ、そして運営母体のにじ屋職員の外口に話しをうかがった。
「相模原事件で殺されていたのは自分たちだったかもしれない」イベントや企画をやるのはひとりひとりの顔と名前を覚えてもらう意味もある。そして、話しは「施設」や「親子関係」にも発展。名前もなく殺されてたまるか、一緒に楽しく逆襲していこうぜ! [ interview:成宮アイコ ]
左からあきこ、ノブ、イノウエ、イチマル、佐藤、外口
お涙なんてやらねぇよ
──Rooftop初登場ということで簡単に自己紹介をお願いします。
佐藤:(企画書の紙を見ながら)イチマル、これなんて書いてある?
イチマル:もうろくちんどん(字が読めないため字面の雰囲気で認識)。
佐藤:自分たちのバンド名すらわかってないんだから。スーパー猛毒ちんどんはそもそも…あ、イチマルくつした裏返しだよ。
ノブ・イノウエ:あははははは!
イチマル、安定の靴下裏返し
──Tシャツもしょっちゅう後ろ前に着ててSNSに写真をアップされているし。
佐藤:仕込みじゃないんだから(笑)。で、えっと…さいたまで、にじ屋っていう知的障害者が店員のリサイクルショップをやっていて、その店員が歌うようなことをやったら楽しいかなと思って始めたバンドです。…ここで表現活動って言うと、もう全然意味が違うんだよな。
──ライブでは白塗りしてますけど、どこからのインスパイアですか?
イノウエ:最初は違ったんだよ。
──え、すっぴんで?
佐藤:そう、着ぐるみとか来て。メイクしたかったんだけど、汗で流れちゃうかなと思って。でも歌舞伎の俳優さんが使っているやつだと落ちないって知って、それで使ってみたのがはじまり。衣装は、にじ屋にくる提供品から選んで、着物とか、カラオケ大会で作った衣装とか。レオタードも提供品。
──レオタードのリサイクル…嫌じゃないですか?(笑)
佐藤:提供品の中でまじってくるんだよ(笑)、捨てるのもったいないから衣装にしちゃえ、と。1週間で1トントラックまるまる1台が洋服。
──ジャニーズのバレンタインみたいな。
佐藤:あはははは! 最初はとくに人目を引かないと意味がないと思ってたから。「障害者がやってます」っていう趣旨でお涙頂戴を期待して来た人に、なにやってんの? バカじゃないの? って思わせたかったんだよね。気づいたら露出も増えて、衣装が軍手とかになって(笑)。