自分でキュンとするような曲を書いたのは初めて
──改めて、今作はLOVEのアルバムで。
セイジ:愛とか青春とかバイクとか。そういうのが中心だから、自分の曲は。「LOVE&JETT」みたいな、自分でキュンとするような曲を書いたのは初めてで。実話だし。初めて恋っていうものを…。初恋みたいなもので。初めて女の子を好きになった時って、なんだろう? この感情は! っていう。それまでも人を好きになったことはあったけど、本気で好きになった時にすべての世界がチェンジした。細胞がJETTになった。LOVEを知ったことによって、自分の体、自分の世界がJETTになった瞬間。それが「LOVE&JETT」なんだ。初恋なんて言うのは恥ずかしいけどね。いま初めて言った。
──初恋ってワードを(笑)。
セイジ:ついつい言ってしまった。油断したなぁ(笑)。
──ポップでメロディアスに突っ走っていくナンバー。歌詞にはホントに初めて出てくる言葉もありますもんね。「まだまだ強くない」とか。
セイジ:うん、そうだね。
──セイジさんからそんな言葉が出てくるのは意外だったけど、凄くキュンときました。
セイジ:最初、どうしようかなぁって。20歳ぐらいのガキだったら逆に出せなかったかも、照れて。
──初恋の曲もノスタルジックじゃなく、まるで昨日のことのよう、今のことのようですよね。
セイジ:もちろん。それが自分の原点になってるんだし。LOVEを知ることによって自分の細胞がJETTになる瞬間。それが今でも流れ星みたいにジェーーーッと体の中を巡っていて、あの瞬間から自分の中で何か変わった、それ以前とそれ以後では全然違う世界になった。変わったー! ってことを表した曲です。
──たとえば、パンクロックを聴いた瞬間、世界が変わったっていうのとは…。
セイジ:もちろんそれもあるけど。リンク・レイを初めて聴いた時とか、いろんなその時々の感動を歌にしてるんだけど、今回は人生最大の究極のビッグバーン!
──それは今も続いていて。
セイジ:「SFのガキ」の頭にドクンドクンドクンって流れてるのは自分の心臓の音なんだよ。ホントの心臓の音。聴診器に小型マイクを入れて録った。
──まさに今現在の心臓、今現在の鼓動の高まりなんですね。この曲も街が背景にありますよね。
セイジ:『AKIRA』みたいな世界。
──うんうん。何度も言うけど今作は、LOVE、愛、あと街のアルバムだと。スケール感や破壊力は変わらずありながら、より焦点が定められて、より近くにいるアルバムで。だからゾクゾクする。前は信長が出てきたりしたけど(笑)。今回はグイッと「今」のイメージというか。
セイジ:なるほど!
セイジ:「LOVE&JETT」。その次が「SEXジャガー」かな。最後にできたのが「まゆみアンタッチャブル」。
──まゆみは1曲目の「LOVE&JETT」と同じ人かなと。
セイジ:いや、違う女の子。中学、高校生ぐらいの頃は、いろんな女の子を好きになっていい時期なんじゃないかな(笑)。まゆみは凄く美人で。美人とぶつかった記憶が凄く残ってるんです。美人の髪の毛が口に入っちゃって。同級生は、髪の毛って汚いんだぞー! って言ってたんだけど、俺は嬉しかったんだな(笑)。
──まゆみさん、よっぽど美人だったんですね(笑)。で、「SEXジャガー」はボーカルもゴッツさん。
セイジ:ゴッツに唄わせようと最初から思ってました。ゴッツがジャガーっぽいからインスピレーションを受けて作った曲だし。
──ゴッツさんはスペンサー・デイヴィス・グループのカバーで「GIMME SOME LOVIN'」も唄ってます。
セイジ:ゴッツが奥州でバンドやってた頃にカバーしてた曲だって言って。
──欧州? 奥州か(笑)。
セイジ:あいつに、カバーやらないか? って聞いたら、「GIMME SOME LOVIN'」やってたって言って。偶然、「GIMME SOME LOVIN'」はギターウルフを組んで初めてやったライブの1曲目で。
──えー、凄い偶然!
セイジ:自分も大好きな曲で。
──スペンサー・デイヴィス・グループはブリティッシュの中ではかなり黒っぽいサウンドで。
セイジ:ストーンズとかその頃の。オーティスみたいな感じもあって、黒かったよね。自分も30年ぶりにこの曲をやれて嬉しかったな。
──当時もここに入ってるようなグイグイとスピード感あるサウンドで?
セイジ:いや、当時はこんなに速くなかった。今のほうがギターウルフです。ゴッツのボーカルもギターウルフだし。