結成から1年と少し。常に話題を振りまき続けてきた宗教法人マラヤが、7月いっぱいで突然の"山篭り(解散)"を決断! だが、6月のアルバム1万枚リリース、「全国お遍路チャリツアー」(2人がチャリに乗って野宿覚悟で全国へCDを売りに行くという過酷な旅)、そして7月の1ヶ月間で行われるロフトグループ全店を含む全8箇所ライブツアーと、相変わらず我々を驚かせてくれる教祖達。そう、まだあの衝撃を享受する機会は残されているのだ! 信者(ファン)はもちろん、未見の人にとってももちろんこれが最後のチャンス。我々に夢と希望と熱狂と救いを与えてくれた教祖達を笑顔で見送ろうではないか!! CDリリース&ツアーを控えた教祖それぞれに、メールでお話を伺った。[構成:前川誠(阿佐ヶ谷ロフトA)]
物販のアイデアは神のお告げ
--結成から1年と少し活動するなかで大切にして来たことは何ですか?
美月:損得や義務ではなく、楽しい、やりたくないなどの直感的なフィーリングで動くこと。
鎌田:たのしむ! あと、やりたくない事をやらないやりたいことだけをすると2人でやること。
--これまで活動してきて一番嬉しかったことと、一番辛かったことを教えてください。
美月:嬉しかったことは信者がいつも自分たちがやることを肯定してくれたこと。世間体や誰かの目線や価値観は考えず自分たちがしたいことをしていたのでそれについてきてくれる人たちがいたのは誇りに等しいくらい嬉しかった。辛かったことは毎度の二日酔いくらい笑。
鎌田:マラヤの事を考えて楽しかった時、信者の人たちが集会(ほぼ毎月開催)で毎月祝いのスタンドフラワーを会場にたててくれてた事やいつも盛り上がってくれた事、あとみんな優しい事、辛かった事は無い! 辛い人達に救いを与えていたから。
--マラヤと言えばお酒が欠かせません。今、一番好きなお酒はなんですか? また、お2人にとってのお酒とは、どんな存在ですか?
美月:いちばん好きなお酒はロングアイランドアイスティです! アイスティみたいな味でストローで出てくるのでずっと飲めるんですが度数が実は高いので知らない内に酔っています! お酒はお清め、精神も肉体も解毒できる。
鎌田:いちばん好きなお酒っていうと特に無く、その日食べたい気分のものに合わせて飲んでるんだけれども、阿佐ヶ谷ロフトでは基本的にコーン茶ハイばっか飲んでいた気がする。お酒はお清め! 身体の消毒。
--マラヤの曲は、どれもがアンセムとして通用するクオリティーの高さを誇りつつ、歌詞の方向性に毎回驚かされて来ました。曲に関しては「B’zとスピッツとT.M.Revolutionの融合」とのことですが、歌詞についてはどのように作られているのですか?
美月:歌詞は基本的に曲を作っていたニンドリさんに任せていました! たまに、なんだよこの歌詞笑!! っていうのが来たら2人で直したり。「ぽわ」の英語部分などはわたしが考えた気がします。
--8万円の壺をはじめとして、マラヤの物販は毎回ユニークで話題に事欠かなかったのですが、一体どなたが、どのように考えてらっしゃるのですか?
美月::2人で考えてました! その時々で本当に神からのお告げみたいに物販のアイデアを閃いていたので多分神からのお告げもあると思います、ということは神が考えていたのかもしれないです。
鎌田:2人で考えていました! 壺を作って売るっていうときは陶芸教室にケイコとマナブで予約して作った! 写るんですで27枚撮り下ろしで現像するまで何が映ってるかわからないのを1台で1つを40台限定で売ったときは、殆ど真っ暗でほぼなにもうつってなかったという購入者から言われまくってそれは申し訳なかった、数珠はビーズを買って、りかちゃんとサイゼリアで作った。
一生忘れられない思い出になる
--アルバムが発売されるのは純粋に嬉しいのですが、これだけCDが売れないと言われているなかで1万枚もの数を製作したのはなぜですか? また、流通や通販は一切考えていませんか?
美月:マラヤのアルバム、そして教祖の力なら1万枚売り切れると確信しているからです。流通や通販は考えていません!
鎌田:シングルは全部iTunesやYouTubeやサウンドクラウドとかに出しててCDにはしてなかったのですが(かさばるから)アルバム作るときはCDにしようと言ってて作った! 1万枚は作る予定なかったのですが最後だしどうせならそれくらい売りたかった、流通や通販は特に考えてない。
--今回、活動が順調に右肩上がりななかで「山篭り」を決めた最大の理由は何でしょうか?
美月:結果、神からのお告げです。
鎌田:マラヤいいって言ってくれる人が増えてきて沢山いろんなレコード会社の方とか声をかけてきてくれたり、関係者の人とかが毎回いろいろ見に来てくれてて、MVとかも作らせてくださいって言ってきてくれる人とかも何人もいたり、自慢じゃ無いけど自慢したいくらい沢山あってすごいと客観的に思った。でもマラヤは2人ではじまり2人で考え2人で終わりたいと終わるのが格好いいと思った。そんなときにする山籠もりがとてもかっこよいとおもった!
--6月に行われる「全国お遍路チャリツアー」が、非常に過酷な内容で驚いています(心配です!)。なぜこの様な苦行を課されるのでしょうか?
美月:7月にたくさんのライブもあるし、本当はしなくてもいいかもしれなかったんですが、最後に自分たちの方からチャリをこいで、マラヤを知ってる人知らない人いろんな人に会いに行って真の布教活動をしてから山篭りをしたいなと思った。肉体的には苦行かもしれないけど、精神的には楽しみしかないです。
鎌田:CDを手売りで色んな地域とか駅とか行って色んな人に会いに行きたいし近場に来てるなら買ってやるかみたいなひとがいたら買って欲しいしなんか発表してから周りの人に沢山心配される笑。でも苦行って全然思ってなくて、なんかめっちゃ楽しみ。ただただ楽しみ、一生忘れられない思い出になると思ってる、本当に楽しみだよ!
--今後、再始動する可能性はまったくありませんか?
美月:ないです! 命尽きるまで山に篭ります!!
鎌田:ないですが、何年か後にりかちゃんと山の中で2ショットを撮って、山にいつまでも我々が篭って修行し続けている事を信者のみんなにお知らせするのが密かな鎌の夢。
--山篭りをすることで、教祖お二人はどこに向かっていくのでしょうか?
美月:いつか必ず消えてしまう1人の人間ではなく、概念という存在になっていつまでもみんなの側にいます。
鎌田:より高みを目指して皆を天から見下ろしてます、見守ってる。
--山篭りの後、下界に残された信者(ファン)に求めることはありますか?
美月:他の現場であんまりお酒飲まないように笑。
鎌田:何度もアルバムを聴いてね。
--7月にはワンマンツアーが控えています。1ヶ月でロフトグループ全会場をワンマンで回るのは、過去にほぼ例がないことで僕も楽しみで仕方ありません。そんな怒涛のツアーに向けての意気込みをお聞かせください。
美月:最初はどこか大きな会場で派手なラストライブをしようかと話していたのですが、マラヤは阿佐ヶ谷ロフトで始まり、ロフトグループさんでたくさんライブなどをさせて頂いて1年間成長していったので、最後は背伸びせずいつものテンションで全部のロフトを回るのがマラヤらしいなと思い今回のツアーを決めました。なので感謝の気持ちも込めて、等身大のマラヤの姿で全公演頑張りたいと思います!
鎌田:最初は本当大きいところ1つでバンっとやるのもありかなあと思ったんだけどなんかしっくりこなくて、だったらお世話になってるロフトさんでなんかやりたいと思って、ならロフトグループ全会場でやりたい!と思って。しかしロフトグループ全会場を1ヶ月でワンマンでまわるって私も他で聞いた事無くて(笑)いつもお世話になっていた阿佐ヶ谷ロフト店長さんに連絡し、お願いしたところ全会場とスケジュールを擦り合わせてくれて感謝。あと全会場の方々がマラヤにこのスパンで場所をおさえてくれたこと本当に感謝。全会場の総動員数を『山篭りを見送る会』の動員数の記録にしようと思うんだけど笑。めっちゃ多くない?!
--最後にありきたりな質問ですが、お二人にとっての「宗教法人マラヤ」とはどんな存在ですか?
美月:楽しさつらさ、人生の縮図でした。
鎌田:楽しい。
<PROFILE>
鎌田紘子と美月リカの2人によって2016年4月3日、阿佐ヶ谷ロフトAで結成された“バンド”。詳しくはこちらのインタビューを参照。