Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューTHE THROTTLE(Rooftop2016年8月号)

ギラギラしたロックンロールバンドの野心

2016.08.01

 重ねた路上ライヴは三年間で3,000ステージ以上! リアルストリートキングが満を持して発売する全国流通アルバムは、小粋なswingを封印し、とにかくハードで繊細に、そして真新しい侍のR&Rへ、悔しさと希望がブチ込まれていた。レコーディングは一発録り。まるで嵐のようにフルスロットルで過ぎ去る一枚に仕上がったと聞き、THE THROTTLEのボーカル高岩にメールでインタビューをした。今の若者世代稀に見るギラギラとしたロックンロールバンドの野心を感じてほしい。(interview:柳沢英則[下北沢SHELTER&新宿LOFT] )

メンバー全員、同じ部屋の一発録り

 
—今回はお忙しい中ありがとうございます。2016年09月07日、ビクターの新レーベル「CONNECTONE」からTHE THROTTLE『LET'S GO TO THE END』のリリースおめでとうございます。「CONNECTONE」は、RHYMESTER / ぼくのりりっくのぼうよみ / SANABAGUN. / Awesome City Clubなど個性的で良質なアーティストが多いレーベルだと思うんだけど、リリースすることになった経緯を教えて下さい。
高岩:THE THROTTLE は三年間で3000ステージ、馬鹿みたいに路上ライブを続けてきた。SANABAGUN.の遼が「CONNECTONE」と契りを交わしたために俺たちの数々の音楽会社との契約が次々無効になってしまった去年。「暫くの間は直向きに針の穴通すやり口で成り上がろう」と腹くくりサヴァイブするのはコンクリートの上しかなかった。そんな悔しい思いを噛み締め集めたチップで製作した路上・会場限定自主制作アルバム【GREATEST HITS】のリリースパーティその名も『〜革命〜』を2015年10月26日を渋谷WWWにて開催したんだ。ここに「CONNECTONE」のレーベルトップである高木亮氏が観に来ていて、終演後「うん、スロットル、やろう」と声を掛けてくれたワケ。「おせんだよ!」と言いかけたけどね。亮さんは言わずと知れたロッカーなんだ。とても感謝しているよ。「CONNECTONE」なかなかイケてるレーベルだぜ。
 
—THE THROTTLEにとっては初の全国流通盤だと思うんですが、今回のレコーディングはどんな感じだったんでしょうか 個人的にも聞かせて頂きましたが、かなりいいですね。録音もいい感じで勢いもあるしインパクトもあるし良い作品だと思いました。JETPACK! のラップぽい部分も最高でした。あれはどこのスタジオで録音したのですか。 
高岩:町田にあるダッチママスタジオにてレコーディングしたんだ。ピットは分かれずメンバー全員、同じ部屋の一発録り。今どき質の良いキラキラ音源ROCKなんてありふれてるからね。ある程度荒削りでも俺たちの持ち味である''迫力''をCDに閉じ込めるにはこの作戦が一番だったんだ。嵐のように瞬く間に過ぎ去る素晴らしいアルバムに仕上がってるぜ。エンジニアの福田聡アニキに感謝だ。是非とも爆音で手に汗握りながら聴いてくれよ。寿命縮まるぜ? ロッケンロー
 
—今回の『LET'S GO TO THE END』がTHE THROTTLEにとって名刺代わりの大事な作品になると思うんですが、ツアーやインストアで全国を周るんですか
高岩:周るぜ周るぜ。アラウンド・ザ・ワールド周るぜ。俺たちのNEW SAMURAI ROCK'N'ROLLを全国へ生でぶつけに参るぜ。路上の甲斐あって北海道から沖縄まで、そして海を越えた世界でTHE THROTTLEの名を故郷に持ち帰ってくれた人が沢山いるんだ。待っててくれよな!
 

現行のメイド・イン・ジャパンのロックンロールで世界を見下ろしたい

 
—今回のアルバム内容について、それぞれメンバーで思い入れがある曲や、どんな感じで製作されたかなど秘話があれば教えて下さい。
1.ROYAL HOST ROCK III
高岩:会場・路上限定アルバム『GREATEST HITS』にも入っていた『ROYAL HOST ROCK』を更にハードに仕上げたのがこのナンバーだ。歌詞の内容は全く関係ないけどジャズスタンダードである『魅惑のリズム』がモチーフにある。これぞ俺たちの代名詞、オープニングに相応しい反抗的なロックンロールだぜ。簡単に言うと「ジジババをぶっ殺せ」って曲でさ。ど頭のバイクのエンジン音は俺の愛車であるGB400TTMkⅡの生音さ。
 
2.JETPACK!
高岩:ゴリゴリなナンバーだ。もの凄いパワーだろ?エンディングのラップ&コーラスもかなり印象的だと思うぜ。俺たちは決して懐古主義バンドじゃない。カッコいいところはしっかり抑えつつ、現行のメイド・イン・ジャパンのロックンロールで世界を見下ろしたいんだよ。歌詞には俺の愛するディズニーのあの作品の一節も隠されてるぜ。お楽しみに。
 
3.Jesse
高岩:今までのTHE THROTTLEにはない新しいナンバーだね。ヒップホップな要素が散りばめられてるんだ。だけどラストはしっかり向後のギター・ソロでロックで壮大に飾ってる。''Jesse''ってのはドラマ『フルハウス』に登場する''ジェシーおいたん''のことさ。俺のクソ親父がこのジェシーおいたんに似ててさ。金はないのに格好つけでプレイボーイ。ママは酷く苦労したのさ。だから男は「見た目だけの男」になっちゃいけねぇぜ、いや分かるけどな。っていう寂しく醜い男のブルースさ。浸ってくれよ。
 
4.Mac-A-Roonie
高岩:その昔、俺と良地と州吾は雪山に篭ったことがあった。クタクタになりながら川の字に寝転び天井を見上げていたんだ。ザ・スロットルの男勢は元々は歌手でフロントマンだったから暇さえあれば歌遊びが始まる。その日も''だん・だん・つかだっ・だん''の言葉のループにアドリブで歌をのっける遊びが始まった。すると良地が「マ〜カロ〜ニの起源は〜(?)」といつも通りハイセンスな歌詞で唄いはじめたわけよ。これがルーツさ。Mac-A-Roonie=マカロニ な?ダブルミーニングなんて面倒くさいもんじゃないぜ。いかしたマイナーロックにのせただのお遊びさ。踊ってくれよ!
 
5.Her Mom Said
高岩:ザ・スロットル・クラシック。こんなバラッド日本にはない。聴けば分かるぜ。
 
6.concrete boggie
高岩:日本の文化で言うところの『祭りばやし』って感じかな。アルバムを7曲入りにしたくて、レコーディングギリギリになって州吾の持ってきたリフを曲にした。これは文字通りストリートで生まれたナンバーだぜ。町を眺めてるとフワフワ空中を漂ってる奴らが多いだろ? いつの日かデカイ会場でこの曲を皆と唄いたいんだ。「無敵だ 俺らは 地に足ついて」と。最高だろ?
 
7.LET'S GO TO THE END
高岩:アルバムのタイトルにもなっているこの『LET'S GO TO THE END』。邦題『いこう、最後まで』。THE THROTTLEが掲げる永遠のタイトルさ。最後までいくってのはとても難しくとても重要なことだと思う。死ぬまでってことだからな。俺のアイディアを皆と曲にしていったんだ。今の日本のヤングマンに聞いてもらいたいナンバーだね。広く共感してもらえると思う。ヤバいMusic Videoもこの曲で撮影したんだ。五感で体感してくれ。俺たちがアジアの日本ゆとり教育のヤングマンが生んだNEW SAMURAI ROCK'N'ROLLバンド''ザ・スロットル''だ。俺たちが最高。いこう、最後まで!
 
—ありがとうございました。
 
 
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THE THROTTLE
『LET'S GO TO THE END』

オリジナル盤発売日:2016年09月07日
NCS-10120 2,160円

1.ROYAL HOST ROCK III
2.JETPACK!
3.Jesse
4.Mac-A-Roonie
5.Her Mom Said
6.concrete boggie
7.LET'S GO TO THE END

LIVE INFOライブ情報

ライブスケジュール
8/5 新宿LOFT
8/24 下北沢GARAGE 
他 ストリートにて、
詳しくはTwitter (@69thethrottle)
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