ホントに、アナログなんですよ
──一時期、90年代後半のDOOMが出していた、インダストリアル色…は、今回の再編にあたっては、けっこう引っ込んでますけど、1曲目にそういう曲があるじゃないですか。
藤田:実はコレは、『WHERE YOU LIFE LIES?』(1999年)から引っ張ってきてて。デジタルとアナログの融合…どうすれば自分らしくできるんだろうっていうところはずっと思ってて。(アルバム)本編に入ると、PCによる音源的な要素はまるで使ってないんだけど。でもあのSE的な曲があって、なんか活かされるのかな…と思って、作ったんです。
──最近びっくりしたのは「藤田さんパソコン全然ダメです」っていう話を聞いて(笑)。「えっ?」って。
藤田:そうですね(苦笑)。
──自分で打ち込みとかやっちゃう人じゃなかったのか、って…。
藤田:いやいや…まるで、信用してないんで、PCを(笑)。だからホントに、アナログなんですよ。ちょっと前の話なんですけど、ウチのスタッフに、「データ送ってくんない?」「あ、分かりました。じゃあ、メールアドレス教えて下さい」「いや、メールじゃなくてFAXで」って言ったら、「FAXないですよ!」って(苦笑)。
(一同笑)
藤田:まるっきり使えないワケじゃないんだけど、あんまり信用しないって言うか。信用性って言うか、信用性は俺のほうがないんだけど、PCよりも(笑)。
(一同笑)
もう好きなことだけやろうと思ったのね
──…ところで、ここに来て、当時の…80年代の、日本のスラッシュ・メタル勢が、続々と復活を遂げているっていうのは…DOOMも復活したし、CASBAHも復活したし、SHELLSHOCKも復活したし。JURASSIC JADEはずっと活動してますけど、久しぶりの新作を出したのは、2014年でしたし。コレは、何かあるんでしょうかね?
藤田:俺が、サポートの仕事を何十年もやりつつも、(彼らが)あそこでライブやる、ここでライブやるっていう情報はもらってて。観に行けるところは観に行ったりしてたんだけど。そういうことがあって初めて、俺もやる気になるって言うか…連中がやっててくれることで。多分みんな、俺と同じように思ってんじゃないかな。周りがどんどん亡くなっていく世代になってしまってるし。もう自分の好きなことをやるっていう…みんな多分同じような考えでいると思うんだけどな。
──その点ではやっぱり、横山さん(横山明裕:UNITEDベーシスト、2014年死去)が亡くなったことって大きかったんでしょうかね…。
藤田:うん。横山も、そうね…亡くなっちゃうと、何もできないんで。病気になってもね、できなくなってしまうし。健康でありつつ、自分ができる範囲で、表現方法としてバンドを選ぶのか、ってことに。できたらバンドやって欲しいなと思うし。…いま言った同じようなことを、俺も言われてたのかなと思うけど。…俺が50過ぎた時に思ったことっていうのは、もう好きなことだけやろうと思ったのね。みんなそれぞれのバンドのメンバーも、そう思う年齢になってきたと思うんですよね。…で、やっぱ、親父連中…そういう人たちが頑張らないと、やっぱ若い連中もついて来ないかな。まぁ、やったとしても、ついて来ないかもしれないけど。だけど、やんなきゃ分かんないことっていっぱいあるからね。やってなきゃ言えないし…。
──じゃあ最後に、Rooftopの読者に一言お願いします。
藤田:…16年ぶりとなるアルバム、やっと出来ました。コレはもちろん、皆さんに聴いてもらいたいし、売りたいし。『NO MORE PAIN…』以上の成績って言うか、売り上げを作りたいし。それがバンドとしての信頼性とかになるんだったらもちろん、自分らも協力しなけりゃいけないし、スタッフと分かち合いたいっていうのももちろん。その、分かち合う姿勢って言うか、そういう楽しみ方って言うか…バンド本来の。インディーズの走り始めた時代も、自分らでライブやって自分らで手売りして、それがスタッフにもバンドにも還元される喜びって言うか、それが一番の、根本的なモノだと思うんで。自分らももう一度、その立ち位置に立てたんで、頑張ります…ということですかね。皆さんも頑張りましょう!