睦は次へ次へどんどん行く人だった
──WRENCHも作品毎の変化が大きいバンドですが、お互いに刺激し合ってた所もあるんですか。
しのぶ:誰かが新しいことをやってると「あ、こんなことやってる!」って意識してたかも。とにかく睦は早かった。特に『SUPER JUNKY ALIEN』の頃は自分がやってても追いつけない感じがあった。
つつ:メンバーそれぞれ違うと思うけど、私は追いつこうとかはなくて、とにかく自分に徹しようと思ってやってました。
松田:関西のシーンからの刺激も大きかった。
SHIGE:そうだね。スケーターズナイトとか大阪にはよく呼ばれて行ってた。大阪のニオイみたいなものがあったね。その頃は大阪に住もうかと思ってた。
松田:え、そこまで? 俺は思ってないけど(笑)
──あと90年代後半の流れとして、SJMやWRENCHがトランスの方向に行ったのが印象的でした。
SHIGE:ああ、俺はインドのゴアに行ったりしてソロでそういう作品を作ったりもしました。それをまたバンドに還元したり。
しのぶ:SHIGEはネパールにも行ってたよね。ヒマラヤに登ったり。
南部裕一(SMASH WEST):ボアダムスもそっちの方向に傾倒していたし、トランスの影響力って大きかったと思う。
SHIGE:ハードコアはそっちにいったのが多かった。トランスのブチアゲ感と共通するものがあるんだろうね。
松田:レインボー2000(1996年開催の野外フェス)の影響もあったんじゃない。
──『地球寄生人』は歌詞の面でも、原始に回帰するという方向性があって、そういう部分でも『SUPER JUNKY ALIEN』でトランスに行くのは自然な流れだと思ってました。
しのぶ:そうかー。私は当時あんまりよく分かってなかった。ほんと私達はメンバーの聴いている音楽がバラバラで、睦は先導していく上でもどかしい部分もあったんじゃないかな。『地球寄生人』をようやく作り終えた直後に、睦だけ「私はもっとこうしたかった」みたいなことを言っていて、次へ次へどんどん行く人だった。
──SHIGEさんから見てもそうでした?
SHIGE:そうだね。睦は吸収力がすごかった。俺も言い出しっぺな方だけど、やっぱりミクスチャーというのが根本にあるから、いろんなものを取り入れていったよね。
3人でやるということに甘えたくなかった
SUPER JUNKY MONKEY 2010年8月3日
──今年のクリスマス・ライブはSJMとしては約5年振りとなりますが、かなり間が空いちゃいましたね。
しのぶ:KEIKOがアメリカ在住とか、物理的な理由も大きいんですけどね。
つつ:SJMは解散したとか休止してるとかわざわざ言う必要もないかと思っていて、特別な時に集まってたまにできればいいかなと。曖昧な感じですいません(笑)。
──睦さんの死去後10年ぶりにやったのが2009年6月20日の3人のライブでしたが、あのライブの手応えは大きかったんじゃないですか?
つつ:あの時は3人でやるということに甘えたくなかった。マイナス1な感じは見せたくなくて、そこはがんばったよな。
しのぶ:うん、がんばった!
──ライブがあまりにもよかったので急遽DVDとして発売されましたが、今観ても感動が甦ってきます。すごかった。
しのぶ:お客さんがみんなあったかくて嬉しかったな。
──そして今回もまたWRENCHが対バンで出演しますね。
SHIGE:もう腐れ縁だよ(笑)
しのぶ:特に意識しなくてもいるっていうか、80歳ぐらいになっても一緒にやってそう。(バンドの)人数減ってると思うけど(笑)
──お互いに期待することはあります?
松田:「長生き」じゃないですか(笑)
しのぶ:それ記事の見出しにして欲しい(笑)。飲み過ぎに注意だね。
SHIGE:はい……。
──WRENCHが活動休止もなく20年以上ずっと活動していることについて、どう思います?
しのぶ:バンドを続けていくっていうのは本当にすごい。それも現役で動いていて、常に若々しい音を出し続けてるというのはすごくエネルギーのいることだと思う。
SHIGE:はい、がんばります!
──あと12/25のイベントは、活動30周年(そしてTOTTSUAN死去後20年)となるSxOxBとの対バンということも大きな話題です。
しのぶ:一緒にやるのはすごい久しぶりですね。
──非常にいい組み合わせだと思います。ハードコアの歴史を感じるし、関西と関東を繋いだものでもあるし。どういう経緯で決まったんですか?
南部:SxOxBが復活してからバンドの本気モードがすごいんです。先日、BRUTAL TRUTHとNAPALM DEATHと一緒にライブをやったんですが、かなりよかったですよ。まあそういう時期なのでこの組み合わせはいいかなと。
──では最後にライブに向けた意気込みを。
SHIGE:これから考えます(笑)。まあ仕込みの時間はたくさんあるし、いい組み合わせのライブなのですごいものになると思いますよ。
しのぶ:ホントまだ考えてなくて、あんまり決めないでやりたいと思います。いい演奏をして気持ちよく楽しめればいいな。
つつ:いま私はバンドとかやってないので不安なんですが、チケット買って来てくれた人が満足してくれるようにやりたいと思ってます。最初はKEIKOが帰って来るならちょっとライブやろうか?ぐらいのノリだったのが、まさかのリキッドルームでどうしようかと。もう今からドキドキです。
今回もまつだっっ!!のダイブはみれるのか!?