武藤：そのシゲキ君のお世話を、斉藤と真也君がしてるんだよね。

斉藤：そうなんです。真也さん、刀祢（直和）さんと一緒にシゲキさんのバンドでやらせてもらってるんです。

楠部：でも、シゲキ君のバンドをやり始めた頃、斉藤君は全然喋ってくれなかったんですよ（笑）。

斉藤：少しずつ喋るようになりましたけど（笑）。

武藤：基本的にさ、コミュニケーションを取ることに興味ないでしょ？（笑）

斉藤：興味はあるんですけど、上手く喋れないんですよ（笑）。

武藤：ある時、「斉藤って実はこういうキャラなんだよ」って真也君に話したら、「じゃあ、俺もツッコんでいいんですか？」って言ってたよね。

楠部：「イジリ倒しますよ!?」って（笑）。そこで武藤さんにOKをいただいて、斉藤君とはそれ以降打ち解けた感じですね。

PATCH：斉藤“君”なんだ？

武藤：だって、めっちゃ年下よ？ 俺の11個下だから。だからPATCHは斉藤に対してめっちゃ上から目線でいいから（笑）。

楠部：その髭をブチーッとむしってもいいですよ（笑）。

PATCH：今日は笑ってるけど、会う時はいつも怖い顔してるよね。だから出番の時は失礼があっちゃいけないと思って、ステージの鍵盤にはなるべく身体がぶつからないように気をつけてたんだよ（笑）。

斉藤：いやいや、全然気を遣わないで下さい。

──もしかして、PATCHさんと斉藤さんが話をしたのは……。

PATCH：今日が初めてです（笑）。でも俺も田舎育ちなんで、こっちが年上だと分かったし、これからは「おい、斉藤」って話しかけるようにします（笑）。

武藤：この対談の話をいただいて、ウチのマネージメントも大胆な人選をしたなと思ってさ。

楠部：ホントに。飯島（誓）君ちゃうんかい!? 斉藤君かい！ って、ひとコケありましたから（笑）。

PATCH：俺は喋ったことがなかったから、今日は凄く怖い人が来るんだなと思ってた（笑）。でもこうして話せて、これでまた2月の2マンが楽しみになってきたね。

武藤：楽しみだよね。この間、チッタでやったロフトのイベントで久しぶりにキャロのライブを見て、「TWISTIN' HEAD」とかを聴いたら、うわー、来た来た来た！ って思ったよ。心の中をウズウズさせられたね。俺はウエノ君にゲストで入れてもらったんだけど、キャロが終わって2階のバー・スペースに行ったらドラマーばかりが揃ったトークライブ（今井智子 presents『居酒屋ロック』）がやっててさ、ロティカのナボさんとかキュウちゃん（クハラカズユキ）に発見されたんだよね。俺は客としてカウンターで酒を頼んでただけなんだけど。

楠部：それでトークショーに飛び入りしたわけですね。

武藤：「すいません、今日はウエノ君のゲストで入れてもらったただの客なんですけど…」って言って（笑）。でも、あの日のキャロはホントに良かったなぁ…。ライブ前、ウエノ君に「キャロの感触はどうですか？」って訊いたら、「みんなスキルアップしてるね」って言ってたんだよね。前はウエノ君なりにジレンマもちょっとあったみたいだけど、久々に音を合わせてみたら、思ってたよりもいい感触だったらしくて。

楠部：5年振りのライブだったので、最初のリハーサルはけっこう時間がかかるだろうなと思ってたんです。でも、一通りやった後にウエノさんから「みんな、練習しすぎじゃない？」って言われたんですよ。「もう上がろうか？」って（笑）。

武藤：エッ、ウエノ君が早めに上がることなんてあるの？ 俺は武藤ウエノでいつも地獄のトレーニングを受けてるんだけど（笑）。2人で曲作りをする時も「昭平、そこはもっとこんな感じで」って凄く細かい指導が入るんだよ。でもそこで「俺はドラマーですから」って逃げたくないから頑張ってるんだけどね（笑）。意地でもいい曲を書かなきゃって。

楠部：まぁ、今回の僕らのリハーサルは曲をおさらいするのが目的だったんで、これが曲作りになるとまた違ったんじゃないですかね。

武藤：曲作りだと鬼指導が入ると（笑）。

楠部：その可能性は十二分にありますね（笑）。

武藤：勝手にしやがれは『パンドーラー』ってアルバムを9月に出したんだけど、デザイナーさんに「こういう写真のイメージで行きたいんだ」って見せたのがキャロのベスト盤なんだよね。

楠部：ああ、『PORTRAIT』ですか。

武藤：うん。『PORTRAIT』のブックレットにある一人ひとりの写真の質感が好きで、それをデザイナーさんに渡して「こんな感じにして欲しい」って頼んだの。で、選ばれた撮影のロケ地が駒沢公園。

楠部：あ、そうなんですか。また随分と近場で（笑）。

武藤：背景とか、後ろで走ってる人とかを消してもらってね。

PATCH：『PORTRAIT』の撮影は代々木でしたけどね。

楠部：そう、あれは代々木公園。