仕事で息抜きなんて成立しないタイプやと思うんですよ
──『Like a record〜』月1でやっていただいてますが、舞台もテレビもラジオもあって、きついと思ったことはないですか?
「ないですね。なんやったら以前ある舞台に出演させて頂いた時なんですけど、一度声が嗄れちゃった事があったんです。あんまり嗄れることってないんですけど、舞台どうしようと思ったと同時に『Like a record〜』どうしようって(笑)。でも、どのお仕事も大変と思った事はないです」
──『Like a record〜』は良い意味で息抜きみたいな感じってあります?
「いやそんなんじゃないんですよ。全然息抜きしてない。“フラリと来ました”みたいなのが向いてる場所っていうのもちょっと知っているんですけど、たぶんそういうのが出来ないんですよ。だから打ち合わせをすごく重ねますし、スタッフの方とも衝突もあります。準備を重ねる事自体は悪い事ではないですが、準備している間に自己完結するのは良くないなぁと思います。真面目に考えているから、その分たちが悪い時もあって、まわりの人も注意しにくいでしょうね。準備ばかりを重ねることに対して、僕はどこかでコンプレックスがあるんですがね。フラリと来てマイク一本で面白い事を言えるわけではないから、憧れがあるんですよ。僕は準備をするとか、覚えるとか、考えるとか、そういう事でしかお客様にお届け出来ないことに対してコンプレックスがあるんです。でも、少なくとも今の段階では気分転換になるとか、息抜きですとは全然言えません。ただ、お酒を飲みながらやっているので、物理的に酔っぱらっていくというところで、それっぽくなっているところはあるかもしれませんが、それを良しとはまだ出来てないんですよね。たぶん仕事で息抜きが成立しないタイプやと思うんですよ。“趣味が仕事になりました”と言う方もいらっしゃいますけど、僕の場合“お前の趣味がビジネスになると思うなよ”ということを自分が一番知ってるから。お前はせめて考えたものを出せよって。でもいつの日か、気楽に出来たら素敵ですよね」
──フラッと歌いに来るみたいな。
「多分一生ないとは思いますけど(苦笑)。でもテキーラのおかげで、だいぶ解放してもらってる瞬間もあるので。Naked Loftさんとテキーラ。テキーラは楽しいですよ(笑)」
──見にいらしているお客さんもすごい解放されてるんですよね?
「たしかに、そうですね。でも、“そんなパカパカテキーラ飲んで何はしゃいでんの? ちゃんと演れや”と思ってる方もいらっしゃるんじゃないかなとは思ってますけどね。自分の商品価値として“僕が今気に入っているものを紹介します”と言ったところでニーズがないのは知ってるから、それはシビアな話なんですけど、解放しても良しと思わせてくれるのはテキーラのおかげがちょっとあるかもしれませんね(笑)」
──ちょっと話がそれちゃうんですけど、『Like a record〜』を始めた時期って、テレビでもどこか解放された感じの藤井さんの姿が垣間見れるようになった気がしますが。
「それすごくうれしい質問です。今まで嫌いな仕事があったってことではないんですけど、テレビの仕事のやり方が変わってきていて、今本当に好きな事しかやってないと思っています。1週間の仕事の状況が、放送時間を含めてベストなんですよね。今まで吉本の先輩方が叩き込んでくださったセオリーや、舞台ではテレビと違う形でお客さんの前で何かを提示していくというところで、『Like a record〜』で自分が好きなものはこういうものですって思い切って出来る腹の括り方っていうのが分かって。テレビ、舞台、イベントが本当にいいタイミングでギュってなったから、確実に変わりました」
──今後の活動の展開はどんなイメージをされてますか?
「変化していくことに対してすごく貪欲になっていると感じている部分もあるので、新しいことを積極的にルミネで試していくこともあれば、絶対的にNaked Loftでやらしてくれませんかっていうのはあると思うので、これからもおんぶにだっこでよろしくお願いします。新しいイベントも動き出してるんですよね。アジアンの馬場園梓さんとバッファロー吾郎のA先生と3人で6月11日に決まってるんです。『Heart to Heart press conferense』っていうイベントが! 『Like a record〜』みたいにポップな感じではない、もうちょっと気のふれた内容になります。絶対面白いイベントになると思います」
──また歌われるんですか?
「まだ分かんないですけど、A先生と馬場園さんが一緒なので、絶対面白くなると思います。もし面白くないことになっても、それをも面白くなるよう心掛けます。だから絶対来て頂きたいです」