ライヴがなくなったら生きてる意味がわからなくなる
── それで、昨年9月に(大人の事情で)2年ぶりとなる作品『つがいの歯車』を出して、ももちゃんが二十歳の誕生日を迎える2013年4月9日までに3枚のアルバムをリリースするという公約を掲げ、4月10日にリリースする『ふたえの螺旋』がアルバム3部作の完結編になりますが、曲を作るペースが早いですよね。
小春:アルバムに入っている『Oppai Boogie』は、「ブギとか作ってみたら?」って言われて2分ぐらいで出来た(笑)。曲が出来たらすぐに演奏したいという気持ちがあって、昨日ワンマンで演奏した曲の中には5日ぐらい前に出来た曲もあったよね。
望月:そしたら、4月9日のロフトのワンマンの日にも曲が出来てるかもしれない?
小春:出来てるんじゃないかなぁ。それまでに何かあったら。
望月:そのワンマンは、ももちゃんの二十歳の生誕祭でもあって。お姉ちゃん的には、妹が二十歳になるってどうですか?
小春:二十歳になったら「○○なのに」ってのが通用しなくなるよ。イベントタイトルも『“もも”のハタチ生誕祭 〜チヤホヤされるのは今夜まで〜』だから。チヤホヤされるのもここまでだぜって区切りを付ける感じです。女の子って甘やかされやすいんですけど、小春は二十歳になる時にこんなに甘やかされてなかったな。今はユニットとして活動しているから妹として見てる感じはないと思っていんだけど、やっぱり5個下の妹であることには変わりなくて、無意識で何かを許しちゃってることはあると思う。こういう小春をわかってくれてるのはこいつしかいないもんなっていう部分もあるから、なおさら許しちゃうんだけど、それも終わる時かな。甘やかすのを終わらすというよりは、これからは対等でいたいね。
望月:そのライヴ後にはバーステージでももちゃんのお誕生日会も控えていて。
ねこ太:ロフトさんでは、いつもライヴをバーステージでやりたがるんです。
小春:4月9日のライヴが決まった時もバーでやるのかと思ってた。あっちのほうが楽しいんだよね。会場が大きければ大きいほど何も感じないのがイヤだなと思う。
望月:お客さんとの距離感の問題ですかね。
小春:なんかカメラに向かってやってる感じになる。
望月:そしたら、ライヴホールの照明を全部明るくしてお客さんの顔が見えるようにしておきます。
小春:曲順も、お客さんが入った雰囲気を見て考えたいと思ってるぐらいだから、前はワンマンでもセットリストを考えていった事がない。
望月:そしたら、このワンマンをきっかけに何か変わるかもしれない。変わらないかもしれないけれど。
小春:変わると思うよ。昔から変わったもん。
── では、今後どうなっていきたいというのはあるんですか?
小春:ないです。(即答)
ねこ太:ライヴを減らすなということしか言ってこない。CDは2年出さなくても平気だったのに、ライヴだけはなくなると困るって。
小春:朝昼晩の3ステージが毎日でもやりたい。
もも:ももはライヴがなくなったら生きてる意味がわからなくなる。この2週間ライヴがなくて、小春とも会わなかったじゃない? なんで生きてるんだろうって思い始めちゃって。小春に会いたいなー。自分ってなんだろうなーって。だから、昨日ステージで唄っていて、生きてて良かったってホントに思った。
小春:ライヴが現実逃避の道具みたいになってる。日常に意味がなさすぎて。
望月:ライヴにしか意味を見いだせなくなってる。
小春:私はもも以上に人と会わないし、誰かとお茶するとかも年に何回しかないし。ライヴがなかったら、寝て起きて寝るぐらい。自分を維持させるためにライヴを使うなって言われそうだけど、ホントなんだもん。
── 家でアコーディオンは弾かない?
小春:弾かない! 自分のために弾くっていうのはもう終わったんだよね(友達いがいなかった幼き頃には自宅の押し入れで10時間練習する日もあったとか)。もちろんライヴとかでも自分のために弾いているんだけど、音楽をやること自体相手がいることで確立されるわけじゃん。個人で宅録してもインターネットを使って誰かに聴かせるわけでしょ? 聴いてくれる相手がいないと音楽ってもの自体が成立しない。だから1人で練習とかもしたくない。ただ、難しいこと言って練習を逃れようとしている人になってるけど(笑)、1人で練習をしてると惨めさがこみ上げてくるの。もちろん新曲を録音するために楽器を出すけど練習はしない。よく言ってるんだけど、“ライヴはセックス”なんだよね。1人ですると惨めじゃん。そんな感じ。オナニーはしない主義! 大人数は好きだけどね(笑)。
── ふ…深いですね。
望月:で、最後ワンマンに向けての意気込みで締めたかったんだけど、ライヴが日常だから意気込みも何もないよね。
── ももちゃんは二十歳になるということに対してどうですか? 大人になったら何したいとかあるんですか?
もも:大人になったら…。うーん。お酒はあまり飲みたいと思わないし。大人になったら今と何が変わるんだろう…。
小春:周りから心配されなくなる。相手にされないし、見送ってくれない。朝までいれるならいれば? いられないなら帰れば? ってなる。責任は全部自分になるんだよ。あと、「○○なのにすごいね」って言われなくなる。なってみてわかると思うよ。でも、ももさんは二十歳になったら、今思ってることだとか考えてるってことをもうちょっとうまくまとめられるような人間になればいいと思うよ。そうやって考えていていつの間にか時間が過ぎていくから。
もも:今思ってる事とかを言葉に出来ないんですよね。
小春:まあ、考えてる事がたヴんないんだと思うけど(笑)。
── ももちゃんの声は、CDで聴くと表現力が豊かで、色気もたっぷりなんですけどね。
もも:だから、話すと中身がなくてビックリだと思うんです。これが次の課題ですね。今は何も入ってない弁当箱みたいなもので、ここに何を詰めていくかっていう。30歳までに何を詰めようかなって。
望月:ライヴはそういう驚きもありますよね。CDとライヴでは全然違うから。まずライヴを見て欲しいですね。ハマる人は中毒になっちゃうぐらいハマるので。
小春:ライヴを見てイヤだなって思う人もいるかもしれないけど(笑)。メッチャ好きかメッチャ苦手かのどちらかなんだよね。
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