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お国に向かって中指立ててやろうぜという感じではない

── 今回は1月24日の新宿JAMを皮切りにファイナルは3月16日・17日の新宿LOFT 2DAYSのツアーが始まります。今回は前回のツアーに比べると、ライブハウスの規模は小さくなってますが。

佐々木：もうちょっと長い目でいろいろ考えてたりするので、2013年1本目はこういうツアーが良いかなって。

── 新宿JAMはよく出ていたライブハウスなんですか？

佐々木：昔は出てました。周年のコメントを書いたりもしたんですけど、そのあと1回も出ていなかったので、このツアーをやるならJAMが良いかなって。十三FANDANGOとかツアーで行くのは相当ひさびさですから。

── タイトルの“俺はお前のかませ犬じゃないツアー”にはどんな意味が？

佐々木：プロレスファンに怒られるかもしれないですけど…ツアータイトル決めてって言われた時に機材車に乗っていて、マネージャーがプロレスファンで助手席にプロレスのDVDがあって眺めていたら、長州力さんのこの言葉が載っていて、DVDを見たらすごく興味深いという意味で面白くて、この言葉をお借りしますって。いいじゃないですか、この言葉。“俺はお前のかませ犬じゃない”って。

── 良いと思いますけど、何を伝えたいのかなって思ってました（笑）。

佐々木：裏の意味ではここで終わらないぞっていう。ここから始まるっていう意味を出したかったんです。

── でも、毎年すごく良い感じに1年1年越えてるなという気はしますね。今年はAXのワンマンも売り切れましたし。

佐々木：一歩ずつですけどね。メンバーだったり、まわりのサポートもありますけど、俺がこうじゃなきゃ、これを言わなきゃという気持ちで転がってないとみんなが付いて来れないし、そこの感じがちゃんと伝わって来ていれば良いなと思います。昔のインタビューで言った通り、もともと転勤が多い家庭だったので、自分の育ってきた環境を含めて根本的に転がっていくタイプだと思ってます。同じことをやっていく気は全くないですし。「昔と変わったね」と言われてるのも全然嫌じゃないし、「昔のほうが良かった」と言われてもなんとも思わない。だって俺も昔のやつすごい好きだと思ってるから。それはしょうがない。そういう余裕はあります。昔はひとつ前のほうが良いと言われてカチンと来たりしていたけど、俺もストーンズは最初のほうが良いとか言うしな、みたいな（笑）。

── 尖るとこはもっと尖って、でも年を重ねてる分丸くなったとこもあって。立ちはだかる壁も今なら乗り越えて行けそうですね。

佐々木：悔しいと思うこともたくさんありますけど、これを元手に次に転がれたらって。キース・リチャーズが言ってたんですけど、ライブも完璧なものをずっとやるのはたぶん無理で、波があるに決まってる。心電図みたいなもんで、直線というのは死んでるのと同じ事だと。もちろん良いことばかりでいたいですけど、なかなかそうはいかないから、それを全体で楽しまなきゃダメなんだなって。FUCKとか言うと切羽詰まってると思われそうですけど、けっこう楽しんで言ってるところはあるんです。その感じが伝わったら良いなと思いますけど。

── こうして曲にすることによって昇華して、また次に行けそうですか？

佐々木：そうですね。ただ、これもみんなでお国に向かって中指立ててやろうぜという感じではなくて、それぞれのFUCKで良いんです。なんでこの中指の写真が気に入ってるかと言うと、手の甲じゃなくて手のひらがこっちに向いてるじゃないですか。みんなが好きなほうに向けてくれればいいと思ってます。…ところで、紙資料の歌詞に黄色いマーカーが引っぱってある部分はなんですか？

── 歌詞で特に好きな部分です。

佐々木：特に好きなやつをみんなにオススメしてくださいよ。

── …意外とSですね（苦笑）。『理由なき反抗』はあたまの“絶望と手を繋いで〜”と、“僕は僕になりたいだけ”、『FUCK FOREVER』は“この先ずっとクズはクズでしかないんだとしても”とサビの歌詞ですね。

佐々木：いいですねぇ。

── で、『見るまえに跳べ』は、最後の“今は今しかない”あたり。

佐々木：なるほど。読み上げありがとうございます（笑）。

── ぶっ壊して始まるものがあるんだと、自分にも言い聞かせています。

佐々木：言葉を追ってもらっても、歌詞を追ってもらっても、いろんな聴き方が出来ますから。ツアーではバシバシやっていくと思いますので。

── ツアー前の12月は何本かライブあるんですよね？

佐々木：インストアとかはありますけど。年末のイベントやフェスは出ません。年明けにツアーがあるし、ザ・ヴァクシーンズのオープニングで東名阪あるし、RUDE GALLERYのイベントもあるし。

── 来年も忙しいですね。

佐々木：12月は弾き語りはたくさんありますけど、バンドとしては12月にリリースして1月に備えるという感じです。12月はロックンロールエネルギーを溜めておくので来年頑張ります。