誰かの人生を変えちゃうようなヴォーカリストになりたい(ANGEL-TAKA)
── 2バンドともに思うのは、テクニック・楽曲・世界観含めて、簡単にはコピーできないですよね。それは、意識してやられてるんですか?
栄二郎:楽曲について、更なるものということは意識しています。ステージングとかプレイや歌い方は個々がフルに出してますけど、制作の時にひとつ壁を越えて越えたものをどうステージで表現するかっていう各々の戦いです。自分のパートを100%でやって、4人集まった時に100%、120%、それ以上になるっていうところですね。
ANGEL-TAKA:コピーしようと思ったらBULL ZEICHEN 88の楽曲はすごく大変だと思うんですけど、僕らが複雑なことをやり始めたのはここ最近なんです。速弾きやツーバスが得意なメンバーが入ったので、得意なところを活かそうということと曲をより面白く聴かせるために、もっともっとという気持ちでやり続けていたら複雑になったというだけで。基本的にはコピーしやすいバンドになりたいんですけど、制作の途中で気持ちが変わったりするんですよね。前作の自分のテクニックを越えたいと思い始めるので。歌はキャッチーだと思うんですけどね。ただテンポが速いからしんどいなぁと。僕はツーバスで歌うことに慣れていなかったので、テンポが速いとヴォーカルも表情をつけていくのが大変だなぁと。でも、キャッチーでありたいとは思っています。
── パフォーマンスもさることながら、どちらのバンドも歌がすごく聴きやすいですよね。
栄二郎:そこが軸っすよね! 歌が良くないと!!
ANGEL-TAKA:ポップなものに憧れてバンドを始めているから、歌を一番大事にしています。
栄二郎:うちはメンバー全員歌えるから、なおさら歌をよく聴いてるんですよね。だから、一番突っ込まれますね(笑)。でもそれだけ歌が大事っていうところを重視しています。お互いのバンドそうだと思うんですけど、自分のプレイは当たり前に出来た上で、パフォーマンスじゃないですか。UCHUSENTAI:NOIZさんもうちのメンバーもパフォーマンスがすごいから、なおさらヴォーカリストのハードルが上がるんですよね(苦笑)。
── ヴォーカルの見せ方として、お互いに刺激を受けたりはしますか?
ANGEL-TAKA:目指すところはもっとパワフルなヴォーカルなので、栄二郎くんはパワフルで肺活量もあるし、その辺鍛えてやってるんだなぁと刺激を受けています。
栄二郎:僕は逆で、TAKAさんは良い意味で抜き方がすごく上手いなと。出すところは出して、引くところは引く。ブレスのしかたひとつとってもそうだし。僕の場合は常にフルなんです。たぶんそれを越えたところで、TAKAさんみたいな歌い方が出来るようになるんだろうなと、この間ツアーを一緒に廻った時に思いました。
── 栄二郎さんはけっこう喉に無理させている、と。
栄二郎:物理的に無理なことをやっていて(笑)絶叫した後にそのまま高い声で歌いますから。自分でもそういう曲作っちゃうんですけど(苦笑)。
── ツアー中、喉のケアはされていますか?
栄二郎:しますね。前回のワンマンツアーを廻った時に、日程が途切れるんで酒飲んじゃったんですけど駄目ですね…。
ANGEL-TAKA:お酒好きなのに飲めないって辛いね。
── ツアー中はお酒禁止なんですか?
栄二郎:基本は飲まないです。お酒自体が悪いんじゃなくて、飲むと喋っちゃうんですよね。歌よりもシャウトよりも、喋る声が一番喉を傷めるんですよ
ANGEL-TAKA:俺もツアー中に食事に行って喋ると次の日に嗄れちゃうんですよ。歌いまくっても嗄れないけど、喋ると嗄れる。
── お2人で食事に出掛けたりとかはするんですか?
栄二郎:まだないですね。
ANGEL-TAKA:一緒に対バンしたのが昨年の39日間連続ライブの時で、その時はライブが終わったら、なるだけすぐに寝るようにしていたので。
栄二郎:そういう時は、同じヴォーカリストだから気を遣いますよ。トークは極力、自分からは避けますね。話したいのはやまやまなんですけど。
ANGEL-TAKA:39日間連続ライブの時にいっぱい話掛けてきたのは、ヴォーカリストじゃない人でしたね(笑)。
── ヴォーカリストとしての理想や、今の自分、これからありたい姿のイメージってどんな感じですか?
栄二郎:これっていう理想はないですね。最初に音楽を始めた時はヴォーカルじゃなくギターだったんですよ。でも、ヴォーカルの方がモテるからって不純な動機でヴォーカルになったんです(笑)熱いものがあって始めたヴォーカリストさんからみたら、僕は生半可すぎるんですけど、でも今に至ってもまだ歌ってるってことは、やっぱり歌うことが好きなんだろうなって思うし、もし理想像があって歌ってたら僕は辞めてるんじゃないかなって思ってます。それがまだ何かわからないから歌ってるのかなって。自分がどうありたいか模索しているというのもあるのかもしれないですね。歌詞も等身大のことしか書いてないし、等身大の今がもしかしたら理想としているヴォーカルなのかもしれないです。
ANGEL-TAKA:僕もヴォーカルやる前はギターだったんです。ヴォーカルの方がモテると思って、僕はヴォーカルになりたいからギターを始めたんです。バンドに興味があるグループの輪に入るには、手ぶらでは入りにくかったんで、まずギターをやり始めてその輪に入ったのがきっかけで。そこから、こういうヴォーカルになりたいというイメージが膨らんで、それが今の自分なんです。もっともっと進化させたいですね。ただ、理想の自分って、ずっと欲が出ちゃうから、たぶん一生懸けてもなれないんだろうなと。事務所を独立したことで、ヴォーカリストの活動以外の仕事にもいっぱい手を出していて時間に余裕がなかったんですけど、来年はもっと自分の時間を作って、ヴォーカリストとして今の自分を越えていくってことが理想ですね。歌か上手いっていうことではなく、馬鹿みたいな言い方かもしれないけど、とにかくスゲエヴォーカルになりたい。自分がろくでもない生活から抜け出せたのは音楽のおかげで、歌のパワーってすごいと思いますし。誰かの人生を支えたり、誰かの人生を変えちゃうようなヴォーカリストになりたいです。