ロリータ18号が今年からレーベルをパーフェクトミュージックに移籍し、2年ぶりとなる作品『「YES, PUNK ROCK」call with me!!!』をリリースした。今作はギターのKick加入後、初めてのオリジナルアルバムとなる。
今作はバンド史上初めて、たくさん曲がある中から「厳選する」という作業をし、7曲を収録。"今"の時代を鮮明に映し出し、"怒り"と"ほんの少しの希望"を持った作品という印象を受けた。
今回はRooftopではひさしぶりのインタビューであり、メンバー全員にお話を伺った。1月27日には新宿ロフトでワンマンも開催!! 「来年は飛躍の年にしたい!」と言っていたが、来年25周年を迎えるロリータ18号をぜひ見て欲しい。(interview:やまだともこ)
今までやったことがない、数ある中から選ぶという作業をしました
── オリジナルアルバムとしては2年ぶりになるんですね。
石坂マサヨ:早いですね。
── コンスタントに出せてるという感じですか?
TO-BU:前のアルバム『アキラメルカ?』のリリースまでが4年ぐらい空いたんだよね。今回は2年だし、途中メンバーも変わったりしてるから。それに比べれば早いですよ。
マサヨ:昔は年1で作品を出してというのが続いて、アルバムを作っている最中にツアーが決まって、レコ発ツアー中に次のアルバムを出すのが決まる。それはもうウンザリです(笑)。
── ウンザリです(笑)。
マサヨ:ライブはお客さんに向けてやれるからいいんですけど、レコーディングは壁に向かってやらなきゃいけないのが全然好きじゃない。曲作るのも大変だし。
たこち:何年やってるんだって話ですけど(笑)。
── 25年近くバンドをやってるとは思えない発言ですね(苦笑)。
マサヨ:やればやるほど大変になってきて。それで、リリースが決まってから曲を作るのではなく、自然な形で曲が出来て録音するっていう当たり前の流れをやってみたくて、4年間かけてちょっとずつ曲をためて作ったのが『アキラメルカ?』。それで、そういうやり方も納得して見えてきたものは、我々はパンクが大好きだということで、今回はなんのブレもなく、「みんなでパンクのかっこいいアルバムを作ろうぜ」っていうところから曲を作っていったので、昔よりは建設的にものを考えられるようになったかな。24年目にして(笑)。
── かっこいいアルバムが出来そうだから出そうというタイミングだったんですか?
マサヨ:リリースのためという意識は絶対にしているんですけど、本当はもっと曲がたくさんあったんですよ。それを今までやったことがない、数ある中から選ぶという作業をしました。
── 何曲ぐらいあったんですか?
マサヨ:12、13曲ぐらいはあった。
── フルアルバムでもいけるぐらい。
マサヨ:うん。それをあえて厳選して。
── 厳選するという作業はどうですか?
マサヨ:メンバーみんな趣味がバラバラだからこそ、自分にはわからない客観的なことがわかりました。4人がいいなと思える曲が今回残ったやつですね。
── 今作はKickさんが加入してから初のオリジナル作品となりますが。
たこち:レコーディングはしていたけれど、トリビュートばかりだったから(笑)。
── ロリータ18号として初のレコーディングはいかがでしたか?
Kick:初めて自分が参加しているロリータ18号の作品を出すにあたって、未経験のことだらけでてんてこ舞いでした。準備してきたこととか、心意気に対してもっともっとハードルの高いものが完成形としてあるというところが見えて、もっと頑張らなきゃと思うことが多かったりとか。
マサヨ:気付くのが遅いんだよ、いつも(笑)。
── プレッシャーもあったんじゃないですか?
Kick:レコーディングの期間がギュッと詰まっていたんですけど、あっという間で。終わって呆けちゃいました。
── レコーディングの期間はどれぐらいあったんですか?
TO-BU:録りは意外と早かった。ミックス入れて1週間ぐらい。
マサヨ:ボーカルのタイプって2種類に分かれるんです。歌録りだけ来る人と、最初からベタ付きの人で、私はベタ付きタイプなんです。ロリータで集まる時は自分が関係なくても基本的に参加したい。全部見ておかないとイヤなんです。
── スタジオやエンジニアさんはこれまでと一緒の方でやられたんですか?
マサヨ:違います。今年からパーフェクトミュージックでやらせてもらってますが、紹介してもらったスタジオやエンジニアさんです。でも初めてとは思えない密着感があって、音も自分たちが納得する形に作ることが出来たので嬉しかった!
TO-BU:すごいスムーズでした。
── パーフェクトミュージックの話が出ましたけど、どういうきっかけで入ることになったんですか?
マサヨ:メンバー4人で原宿を歩いてたらスカウトされたんです。社長の内さんに「君、良い目をしてるね、うちの事務所に入ってみないか」って(笑)。
TO-BU:そんな訳ないじゃん!(笑)
マサヨ:まぁ、そこから始まって1年ちょっとぐらい。色々と話をさせてもらいながら。
── 新しいレーベルはどうですか?
マサヨ:今まで自分たちの知り合いはパンクバンドが多かったんですけど、パーフェクトミュージックには神聖かまってちゃんとか、撃鉄とか385とか、パンクバンドというわけではないのですが、また違うタイプの音楽を聴かせてもらったり、自分たちにはなかった部分なので楽しいです。あ、でも「猛毒」がいて安心します(笑)。