腹を括ってやらないと
── 皆さんは30歳という節目とも言われる年齢を越えてバンドを新たに始動させましたが、まだまだやり切れてない部分がたくさんあったということなんですか?
朱雀:もう1回自分のバンドがやりたかったんです。NANANINEが活動休止したのが2006年で、その後はサポートで弾いたりはしてましたけど、今回こういう機会に恵まれたのでもう1回頑張ってみようと思ったんです。
磯谷:僕は単純に止まりたくなかったというのがありますね。
朱雀:磯谷はこのバンドを組むまでが本当早かったよね。ボーカリストっていいなって思いましたよ(笑)。僕は自分が歌うわけにはいかないから。
大坪:30から新しいバンドやるって覚悟がいるじゃないですか。まだやりたいことがあったんだなというのが正直なところですね。
磯谷:それだね。
大坪:ヘアブレで10年オリジナルの音楽をやっていましたが、自分が20歳ぐらいの時に憧れていた洋楽ロックっぽいことって全くやってなかったんです。スマパンのカバーをやったことはありますけど、こういうバンドをやりたい願望があったんだろうなっていうのは、THE ANDSをやってじわじわ感じてます。
── ヘアブレとは全然違いますもんね。
朱雀:ビックリされるよね。てっちが8ビート叩いてる! って(笑)。
大坪:あとはドラマーとしてのチャレンジもあって、タイミングがあるんだったらやったほうがいいんだろうなって。俺も俺で迷いましたよ。サポートでやるほうがラクな気もしていたし。
磯谷:そっちも大変だよ、きっと。栄光に近道なしだよ。…全然ロックっぽくない話になってるけど(苦笑)。でも良かったと思う。おかげですっきりスタート出来ました。wash?も30歳越えてから始めたバンドですよね?
奥村:俺が30か31の時。それまではTrophyってバンドをやっていて、メジャーの契約が切れかけた時にメンバー2人が辞めるって言って、打ち上げでよく喋ってる南波(政人)という男を思い出して2人でダブレゲエユニットを始めたんです。でも全然面白くなくて、踊りたいのに自分らでわざわざリズム壊して踊れないようにしていたから、ドラム入れてバンドにしよう! って。ドラマーが我々を我に返らせてくれた。
大坪:うちとちょっと近いですね。
奥村:30歳からリセットしてやり出すって覚悟がないと続かないですよね。経験があるから、それなりにいろいろ出来ちゃうし、それなりにわがままになってるし、繋がりもあるからサポートで自分の欲求をある程度満たす事も出来ちゃう。でもバンドにこだわろうと思ったら盤を作ることもそうだし、最初に腹を括ってやっていかないと。
── 勢いなんですかねえ。
奥村:勢いは大事ですね。あと覚悟。サボろうと思ったらいくらでもサボれますから。栄光に近道はないんですよ!!
顧客満足度が大事
── 今回リリースツアーが仙台と東名阪の4箇所であり、そこで一緒に回るのが…。
磯谷:ここにいるオルタナ兄さんです。
奥村:お邪魔します。
── 4箇所全部一緒に回るんですもんね。
奥村:「一緒に回りませんか?」という相談があって、全部一緒に回りたいってメンバーにスケジュールを調整させたら大丈夫だったので。
── 一緒にライブをやるのは初めてなんですか?
奥村:ライブは何度も見てますけど、一緒にやるのは初めて。
朱雀:wash? の打ち上げはどうですか?
奥村:非常に深い感じです。
磯谷:やっぱりその世代ですよね。
奥村:打ち上げで仲良くなるものだと思ってるから。やる直前はピリピリしてるし、「アイツの弦切れろ!」って思ってるし(笑)、対バンなんてそんなもんでしょ。俺が出てるイベントはそうですよ。誰が一番おいしいところを持っていくか。それと、良いライブをしたら絶対に次も来てくれるということを考えて、顧客満足度をすごく大事にしています。
朱雀:その相乗効果でお互い良いライブが出来ますからね。まあ、僕は「弦切れろ」とは思いませんけど。
磯谷:そこは30代と40代の違いですね(笑)。でも、ファイナルのシェルターでは、このジョイントツアーも完成していると思います。
奥村:それかすごい仲が悪くなってひと言も口聞いてないか(笑)。
── 「なんで一緒にやらなきゃいけないんだよ!」って(笑)?
奥村:「ネック折れろ!」とかになってくるかも(笑)。
── ツアーは他にどんなバンドと一緒にやるんですか?
磯谷:仙台はTHE ANDSが来るならやりたいって言ってくれてるバンドがいて、名古屋・大阪はライブハウスにバンドを紹介してもらって。東京はKUDANZとShe Her Her Hersを含めて4バンドでやります。
── このツアーではアルバムは全曲演奏するんですか?
磯谷:ほぼやると思います。12曲で35分切るようなバンドなので、逆に持ち時間が長すぎると全曲やって終わっちゃうんです。今ツーマンに誘われてもすみませんって状態ですね。
朱雀:プレツアーの時は全曲やったライブもあるんです。3マンで時間があったので全部投入するしかなくて。9月には新曲とかも用意出来れば…。
磯谷:プレツアーとリリースを経過しての新しい形も見せたいですね。