Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューTHE MACKSHOW(Rooftop2012年8月号)

これぞ昭和八十七年最新鋭の純和製ロックンロール!
激動の10年の集大成は究極のヴィンテージ機材一発録音による爆発カリフォルニア・サウンド!!

2012.08.01

ロックンロールに呼ばれた宿命

──そう考えると、10年掛けてようやくバンドっぽくなったとも言えませんか?

K:普通のバンドと逆だよね。今度出るアルバムから順に遡って聴いてもらえるといいかな(笑)。ベストも最後の曲から逆に聴くのがいいかもしれない(笑)。最初の『BEAT THE MACKSHOW』はちょっと違う風合いかもしれないけど、その後からの何作かは完成度重視で、「こういうロックンロール・バンドがいたら面白い」って考えながら作っていたんだよね。もちろんファーストからずっと藤井も伊東君も参加してるんだけど、今と違ってモノとしての完成度に比重を置いていた。たとえば『怪人二十面相』は随分と荒くれた音だけど、あれも狙ってやってるからね。今みたいな録り方だってもちろんできたけど、それよりもモノとして面白い音、面白いジャケットが作りたかったわけ。初期の作品はデジタル時代の申し子って言うか、デジタル・レコーディングがなければ生まれなかった産物ではあるよね。そんなバンドが今やアメリカでレコーディングしちゃうんだからさ。こんな何でもない曲をわざわざアメリカで録るのか!? っていう醍醐味だね(笑)。

──ちなみに、ベスト・アルバムの収録曲は何を基準に選ばれたんですか。

K:選曲はスタッフに任せたんだけど、結果的に各アルバムのリード・チューンのみをすくい取った形になったね。今までマックショウのことを知らない人たちに向けたラインナップというのが第一義で、もっとディープな部分はファンならよく知ってるはずだから、俺はツアー先でファンに言うわけ。「同じ音源だからお前ら買うなよ!」って。でも、「何言ってんだ! 絶対買うぞ!」ってみんな言ってくれるんだよね。ファンそれぞれの中にベストがあるし、俺たちメンバーの中にもあるんだけど、そういう意見をいちいち拾っていたらキリがないし、これも入れてあれも入れるとなったら10枚組になっちゃうからさ(笑)。まぁ、ベスト・アルバムから遡ってオリジナル・アルバムを聴いてもらえたら嬉しいよね。

──甲子園を思わせる16曲の代表曲と10曲のPVが付いた豪華仕様だし、コア・ファンも所有欲を掻き立てられるアイテムだと思いますけどね。

K:何と言うか、作品としてレコードを出していく人間としては、自分たちのファンばかりじゃなく音楽ファンを減らしたくないんだよ。そのためにはしっかりとした作品を本気で作らなくちゃいけない。今までの音楽業界は良くないレコードでもムリに買わせるようなことをして、音楽ファンに対して失礼なことをしすぎたからね。ただ、今のCDはもともとのレコードとしての機能とは全く違うものだけど、十何種類と出てるK-POPのCDを全部買わないとチケットが入手できないみたいな商売も別に否定はしない。あれはもはやレコードって意味のCDじゃないし、昔のねぶりくじみたいなものだから。でも、俺自身はちゃんと思い入れを持ってレコードを聴いている人たちにはちゃんとした作品を届けたいし、俺たちが予算5万円でそこらの風呂場で録ったようなCDを出すわけには絶対にいかないんだよ。

──今年でDJのアラン・フリードがラジオで「ロックンロール!(突っ込んで、かき回せ!)」と叫んでから60周年、ビートルズがデビュー50周年、ストーンズが結成50周年、キャロルがデビュー40周年、もっと言えばサンセット・サウンドが設立50周年というロックンロール・プレミアム・イヤーに結成10周年を迎えたマックショウは、やはり時代に呼ばれてロックンロールをかき鳴らしているように思えてならないですね。

K:全然狙ったわけじゃないんだけど、ロックンロールに呼ばれてるんだろうね。サンセット・サウンドのエンジニアや、街で「ヘイ! エルヴィス!」って声を掛けてくれた人たちのリアクションを見てても「やらなきゃいけない」って思ったよ。正直言って、やりたくない時だってある(笑)。またのり弁? また吉牛? みたいな感覚は正直あるよ。確かにのり弁も吉牛も好きだけど、「またやらなきゃいけないのかなぁ…」と思うことは多い。でも、いざやれば「やってて良かった」と心から実感するんだよ。アメリカへ行ってもそれを痛感したからね。ロックンロールがあったから向こうの人たちとも会話ができたし、そもそもロックンロールが好きでずっとやってきたからこそアメリカへ来れたんだなと素直に思えた。だからやっぱり、これからもやり続けなきゃいけないよね。

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B.A.D RECORDS/MEDIA FACTORY, INC. FAMC-085
定価:1,365円(税込)
昭和87年(2012年)8月8日(水)発売

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ROCK'N-TWIST PARADE
THE 10th ANNIVERSARY S.77〜S.87

【DISC-1:CD『マックショウ・ザ・ベスト16!』】
01. グリース・ミー(1st『BEAT THE MACKSHOW』収録)
02. 恋のチューインガム(1st『BEAT THE MACKSHOW』収録)
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15. ロックンロール・スルー・ザ・ナイト〜真夜中を突っ走れ!〜(7th『ROCKA ROLLA ZERO』収録)
16. 今夜だけが(2nd『怪人二十面相』収録)
【DISC-2:DVD『ビデオ・ザ・ベストテン』】
01. グリース・ミー
02. 怪人二十面相
03. ナナハン小僧のテーマ
04. グッバイ・ステディ
05. 恋のマジック・ドライヴィン
06. 恋のロックンロール・ライセンス
07. 赤い週末
08. ミスター・フィールグッド
09. 情熱のロカ・ローラ
10. ロックンロール・スルー・ザ・ナイト〜真夜中を突っ走れ!〜
B.A.D RECORDS/MEDIA FACTORY, INC. FAMC-082
定価:3,900円(税込)
昭和87年(2012年)8月8日(水)発売

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LIVE INFOライブ情報

ザ・マックショウ、最新シングル&ベスト・アルバム発売記念
&先行発売・平和記念イベント、広島にて開催決定!


マックショウ最新シングル「LET ME ROLL」
結成10周年記念ベストアルバム「ロックン・トゥイスト・パレード」発売を記念して昭和八十七年八月五日・六日の2日間に渡って記念イベントを開催します!
初日の八月五日(日)は最新作及びグッズの先行発売即売会と、フルマックによる平和記念ライブ。
そして広島平和記念日の六日(月)は先行発売即売会とサイン及び握手会、昭和七十七年のマックショウ結成から最新L.Aレコーディングこぼれ話〜四方山話と、何が飛び出すかわからないフリートーク・ライブ+アルファの充実内容。
イベント期間中にいずれかの最新作をお買い上げの方は、商品をお持ちください。入場は無料となります。

★昭和八十七年八月五日(日)広島SLOW DOWN
16:30 ¥4,000(ドリンク別)当日券のみ

★八月六日(月)広島SLOW DOWN 
開場19:30 開演20:00 入場無料
(いずれかの最新作をご購入いただきましたお客様を対象にサイン会を開催させて頂きます。
サイン会当日は、必ずCDジャケットをお持ちください。サインはCDジャケットにさせて頂きます。)

問) スロウダウン 082-3246-1755
広島県広島市中区新天地1-28ソレイユビルB1F

最新イベント情報
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