Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューTHE MACKSHOW(Rooftop2012年8月号)

これぞ昭和八十七年最新鋭の純和製ロックンロール!
激動の10年の集大成は究極のヴィンテージ機材一発録音による爆発カリフォルニア・サウンド!!

2012.08.01

 国内随一のロックンロール・プロ集団、ザ・マックショウが今年結成10周年を迎える。『HERE COMES THE ROCKA-ROLLA 〜情熱のロカ・ローラ〜』(2010年8月)、『ROCKA-ROLLA ZERO』(2011年9月)という日本のロックンロール史上屈指の名作において、ヴィンテージ機材を使った全編ノン・デジタルのアナログ・テープ一発録音という古式ゆかしい手法を突き詰めた彼らが選んだ次の一手は、ゴールドラッシュを夢見てロックンロールの桃源郷を追い求めることだった。それはすなわち、マックショウにしか為し得ない千本ノック級レコーディングをカリフォルニアの名門であるサンセット・サウンド・スタジオで敢行するという新たなトライアルである。その果敢なる戦線報告であり、来たる9月に発表されるフル・アルバムの予告編とも言うべき作品が5曲入りEP『LET ME ROLL』なのである。
 その出来は、先に挙げた"ROCKA-ROLLA"2部作の延長線上にありつつも新章突入を予感させるポテンシャルに満ちたものだ。退路を断ち、極限まで自身を追い込み爆発させた直情径行で艶やかな彼らのロックンロールは、地元エンジニアやスタッフ、そしてあの伝説の名エンジニア/プロデューサーとして知られるグリン・ジョンズすらも驚嘆させたというのだから、現地での奮闘振りが窺い知れることだろう。仮に言葉が通じなくとも、導火線(プラグ)に火のついた本物のロックンロールは国境を超えるのである。
 この『LET ME ROLL』と合わせて、代表曲16曲と全10曲のPVをコンパイルしたベスト・アルバム『ROCK'N-TWIST PARADE』を同時発売するなど、アニヴァーサリー・イヤーである節目にまだまだ貪欲に疾走を続けるマックたち。本誌は目下連日アルバムのミックス作業中であるコージー・マック(vo, g)とトミー・マック(b, vo)を直撃し、渡米秘話の数々と輝ける10年について激白してもらった。(interview:椎名宗之)

そこでしか録れない音が絶対にある

──“ROCKA-ROLLA”2部作でヴィンテージ機材を使った全編ノン・デジタルのアナログ・テープ一発録音という手法を突き詰めた以上、次にマックショウはどんな一手で来るのか!? と絶えず関心があったのですが、海外レコーディングに活路を見いだしたのはなるほどなと思って。

KOZZY MACK(以下、K):アナログ一発録りの手法は確かにやり切っちゃった感があって、発想の取っ掛かりとしてまずあったのは、昔は海外レコーディングなんてものに憧れたもんだなぁ…と。

──コルツでも『ROCKSVILLE』(2002年10月発表)で海外レコーディングを敢行していましたよね。

K:あれはちょっと変則的なレコーディングで、メンバー全員で行けたわけじゃなかったからね。その前にハワイのスタジオでレコーディングしたこともあったけど、それは技術的なことよりも雰囲気重視だった。俺たちは前作まででレコーディングの本来在るべき姿をもう一度自分たちの手で取り戻すんだという意気込みでやってきたわけだけど、その先にある試みとして思い立ったのが、昔に倣って憧れの海外レコーディングをやっちゃおう、ということだった。もちろん自腹でね。

──エッ、バンドの持ち出しなんですか!?

K:当然だよ。それはヘタなものは絶対に作れねぇぞって自分たちにプレッシャーを掛ける意味もある。海外レコーディングが廃れたのは、バブルに沸いてつまらないレコードばかり作った連中のせいだからね。気持ち的にはそんなバブル前の感覚なのかな。「アメリカでレコーディングしたらどうなるんだろう!?」って胸を躍らせる感じって言うかさ。「L.A.レコーディングだぞ、どうだこのヤロー!」みたいにまだ威張れた時代だよね(笑)。

──海外レコーディングが立派なステイタスだった昭和50年代の感覚ですね。

K:うん。ただ、向こうもスタジオ自体がもうあまりないんだよ。やっぱり家でデジタル・レコーディングしたほうが便利ってことなんだろうね。まぁ、海外へ行ったところで特に目新しい機材があるわけでもないんだけどさ。スタジオの規模は日本のほうが全然大きいし、設備も遙かに充実しているからね。じゃあ俺たちが何を欲しかったのかと言えば、向こうの空気感。それと、ストーンズの『メイン・ストリートのならず者』、ドアーズの『ハートに火をつけて』、リンゴ・スターの『リンゴ』とかが生まれたサンセット・サウンドというスタジオでレコーディングできる喜びだよね。

──ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』も生まれた名門スタジオですよね。そうした古今東西のロックの名作が誕生したスタジオだからこそ選んだと?

K:それもあるし、今やサンセット・サウンドくらいしかまともなスタジオがなかったんだよ。間に入ってくれたコーディネーターにアメリカでレコーディングしたい旨を伝えたら、「そりゃサンセット・サウンドしかないよ」と言われてね。彼はマックショウのこともよく知ってるし、それなら行ってみようかということになった。見積もりを送ってもらったら、日本の中堅以下のスタジオよりも安かったくらいでね。今が円高なのもラッキーだったとは思うけど。

TOMMY MACK(以下、T):ただ、設備が凄くいいってわけでもなかったよね。

K:サンセット・サウンドっていうのは、もともとアパートや店舗だった建物群を複合スタジオに改築したらしいんだよね。でも、そこでしか録れない音っていうのが絶対にあって、あの環境の中で録ったからこそ名作となり得た作品もたくさんあると思う。

T:「一度はここでプレイしてみたい」と思わせる“何か”があるのは確かだよね。

K:そう、その“何か”っていうのは、パソコンを使っても決して形にはできない。

──実際、向こうでの作業環境はどんな感じだったんですか。

K:まずアレだよね、お昼におにぎりは食べないよね(笑)。日本のスタジオじゃだいたいみんなコンビニのおにぎりとペットボトルのお茶を持ってくるでしょう? 向こうはハンバーガーと炭酸飲料が基本だから。音楽に向かう精神性って言うと大袈裟だけど、取っ掛かりからして日本とは全然違う。おにぎりとお茶じゃないから力の入りようが根本的に違うよね。

──現地の食生活に準じてスタジオに入ると、歌も演奏も自ずと肉食系になると言うか…。

K:やっぱりちょっと変わると思うね。食事が違えば集中力の長さも変わるし、腹持ちのいい蕎麦なんて向こうにはないからあまり長くは集中できない(笑)。

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5. ビッグママ・ヘイヘイ(california karaoke)
B.A.D RECORDS/MEDIA FACTORY, INC. FAMC-085
定価:1,365円(税込)
昭和87年(2012年)8月8日(水)発売

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ROCK'N-TWIST PARADE
THE 10th ANNIVERSARY S.77〜S.87

【DISC-1:CD『マックショウ・ザ・ベスト16!』】
01. グリース・ミー(1st『BEAT THE MACKSHOW』収録)
02. 恋のチューインガム(1st『BEAT THE MACKSHOW』収録)
03. 怪人二十面相(2nd『怪人二十面相』収録)
04. 涙のベイビー・ラヴ(2nd『怪人二十面相』収録)
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14. 情熱のロカ・ローラ(7th『HERE COMES THE ROCKA ROLLA』収録)
15. ロックンロール・スルー・ザ・ナイト〜真夜中を突っ走れ!〜(7th『ROCKA ROLLA ZERO』収録)
16. 今夜だけが(2nd『怪人二十面相』収録)
【DISC-2:DVD『ビデオ・ザ・ベストテン』】
01. グリース・ミー
02. 怪人二十面相
03. ナナハン小僧のテーマ
04. グッバイ・ステディ
05. 恋のマジック・ドライヴィン
06. 恋のロックンロール・ライセンス
07. 赤い週末
08. ミスター・フィールグッド
09. 情熱のロカ・ローラ
10. ロックンロール・スルー・ザ・ナイト〜真夜中を突っ走れ!〜
B.A.D RECORDS/MEDIA FACTORY, INC. FAMC-082
定価:3,900円(税込)
昭和87年(2012年)8月8日(水)発売

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LIVE INFOライブ情報

ザ・マックショウ、最新シングル&ベスト・アルバム発売記念
&先行発売・平和記念イベント、広島にて開催決定!


マックショウ最新シングル「LET ME ROLL」
結成10周年記念ベストアルバム「ロックン・トゥイスト・パレード」発売を記念して昭和八十七年八月五日・六日の2日間に渡って記念イベントを開催します!
初日の八月五日(日)は最新作及びグッズの先行発売即売会と、フルマックによる平和記念ライブ。
そして広島平和記念日の六日(月)は先行発売即売会とサイン及び握手会、昭和七十七年のマックショウ結成から最新L.Aレコーディングこぼれ話〜四方山話と、何が飛び出すかわからないフリートーク・ライブ+アルファの充実内容。
イベント期間中にいずれかの最新作をお買い上げの方は、商品をお持ちください。入場は無料となります。

★昭和八十七年八月五日(日)広島SLOW DOWN
16:30 ¥4,000(ドリンク別)当日券のみ

★八月六日(月)広島SLOW DOWN 
開場19:30 開演20:00 入場無料
(いずれかの最新作をご購入いただきましたお客様を対象にサイン会を開催させて頂きます。
サイン会当日は、必ずCDジャケットをお持ちください。サインはCDジャケットにさせて頂きます。)

問) スロウダウン 082-3246-1755
広島県広島市中区新天地1-28ソレイユビルB1F

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