3人で音を出しているのが楽しい
── 歌詞にパンク・ロックという言葉が出てきますが、そこはLINKとして根底で変わらない部分ですか?
柳井:心の中にあるから消えるものではないし、自然に出てきた言葉だったから敢えてそこを強調するわけではないけれど。
── パンク・ロック根底にありつつも、音楽的にやりたいことが増えているような気もしました。
小森:Ramonesみたいなことはたぶん俺たちは出来ないし、聴く音楽もみんな違うけれど、LINKが3人で集まるとLINKの音でしかならないので、何をやっても自分たちの色が出るというのは個性だと思うので、良いところを伸ばせて行けたら良いなという感じです。
── 全体的に言葉の使い方はずいぶん変わり、年齢も30も越えて地に足を付けてやっていこうと思い始めたのかなと思ってましたが。
柳井:それはすごくあるかな。
小森:前より自然体の歌詞になりましたよね。開いてる感じというんですかね、自分を。そういうふうに受け取りました、俺は。
── 人を選ばず聴かせられるというか。
柳井:俺的に逆に取っつきがたいかな、新しいLINKは難しく見えるんじゃないかなって思っていたんですけど、そうではないんですね。それは最高ですね(笑)。
── 言いたい事もよくわかるし。
柳井:ほんとっすか! 伝わりにくいのかなと思ってましたけど。
山上:伝わりやすくなってるよ。
小森:言葉のチョイスが軽くなった。重くても良いものは良いんですけど、こっちのほうがあってる気がする。
柳井:メンバーでもそういう話ししないんで。それはすごく嬉しいです。
── 1曲目の『夜を超えた音楽と思想』の歌詞も良いですよね。
小森:これは柳井からもらった詞の中にはなかったんですよ。でも柳井のブログに歌詞みたいなものがあるって言っていたから使えそうな言葉を拾って、これはお気に入りの詞だったんです。ピアノで曲を作るんですけど、目に付きやすいピアノの前にこの詞を貼って、なんか作れないかなと思っていたんです。そしたらアルバム全体像を考えていた時に、この歌詞が全体を統一するイメージがあったんですよ。言葉が前に出る感じで短い曲を作ろうかな、テーマじゃないけど作ってみようかなって。
── バンドの決意にも感じますね。
柳井:そうそう。
小森:それにすごいロマンチックじゃないですか。『夜を超えた音楽と思想』って。
── 45秒という潔さも。
小森:こういう曲はあんまりやってなかったですからね。
── アルバム自体も30分ないですからね。このレコ発が8/7に新宿ロフトで、同時期にリリースがあったDr.DOWNERとの2マンですが、Dr.DOWNERの新譜『ライジング』は聴いてどうでしたか?
柳井:相変わらず曲が良かったです。レコーディングしてる時に近くにいたので、どういう状況でやっていたかわかっているので大変なんだろうなっていうのはありますけど、出来上がったのは素直に良いと思います。歌録りにめちゃめちゃ時間かけていたみたいで、聴きやすくなってましたね。
── 両バンドとも気心は知れてますけど、当日はガチンコですか?
柳井:そうですね。俺ら的にはDr.DOWNERは後輩みたいなイメージがあるんですけどね。猪股が昔やっていたSafety Secondの時からデモテープをもらって、かっこいいねなんて言いながら。そのうち一緒に飲みに行ったりライブをやるようになって。LINKでギター弾いてもらった時期もありましたし。
── もう何年ぐらいの付き合いになるんですか?
柳井:10年ぐらいですね。
── ロフトの当日はどんな感じにしようというイメージは出来てます?
柳井:新曲は全部やろうかなって思ってます。アルバム全部やる。
── 全部やっても30分ですけど。
柳井:あとは好きな曲やる。やって1時間ぐらいですかね。
── フェス行くより楽しいかもしれないですね。
柳井:ある意味そうかもしれませんよ。
── 再結成して、今後はこの3人で走り続けますか?
柳井:もちろん。おじいちゃんになるまで。単純に3人で音を出してるのが楽しいですから。