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INTERVIEW

トップインタビューthe cabs(Ba.&Vo 首藤義勝、Gt.&Vo 高橋國光、Drs.中村一太)× caroline rocks(Vo.&Gt. 渡辺僚啓、Gt. 砂川一黄)


the cabs 1st mini album「一番はじめの出来事」release tour“地図”&caroline rocks release tour “parallel world”開催記念座談会
旧知の仲である両者による音と音の真剣勝負

2011.05.02

caroline rocks、プロデューサーに五味岳久氏を迎えて

── 『parallel.』はLOSTAGEの五味さんがプロデュースをされてますけど、五味さんを迎えてバンドとして変わった部分はありました?
渡辺:LOSTAGEはもともとすごく好きなバンドで、『parallel.』のコンセプトと五味さんが持ってる要素がマッチするなと思っていたんです。五味さんはこれまでプロデュースはされてなかったんですが、ダメ元でお願いしてオーケーもらったんです。思っていた以上に五味さんとやった効果が出せているんじゃないかと思っています。五味さんが出してくれるアイディアを試しながら録っていったので新しい発見もあったし、レコーディングの期間がすごく充実してました。楽しかったです。
砂川:五味さんが言っていたのは、仮にLOSTAGEにプロデューサーが入った時に、例えばAメロは削れとかBメロはこういう展開で、歌詞は書き直せって言われたら絶対にイヤやと。お前らが持っている良いものを引き出すような形だったりとか、俺という存在がスパイスとなってうまいこと絡み合うようなものができたらいいなと思ってるって。僕たちも最初は不安がありましたが、五味さんがそういうスタンスだったので、ストレスも一切なく楽しく最後までやれたというのは大きかったです。精神的にも、気持ちの高揚感もありました。面識もなかった僕たちを引き受けてくれたことに対して、全力で応えたいという気持ちが非常に強かったので、レコーディング前に合宿に入って曲の見直しだったりをみっちりやって準備もしましたし。それでバンドが非常に大きく変わったところがありましたね。
── 前作に比べると音が大胆になったという印象があります。
砂川:大胆になった要因のひとつはコンセプトが“現実”というところで、あとは過剰に何かをやったわけではなくて、等身大の自分達の作品ができたかなと思っています。五味さんもそこは一番意識していたところで、ライブで再現できないようなサウンドだったり、内容だったりをやったら絶対にアカン。ライブで再現してこそのアルバムだと。アルバムがアーティストを越えてはならないということは言われました。
── CDとライブがイコールということ?
砂川::はい。正直、前回はライブで再現しきれないところもあって、自分達でも苦しんでしまったんです。今回は等身大の作品ができたと思っているので、ライブだったりに活かされるというか、自分達はライブバンドだと思っているので。
── the cabsはブログを拝見したら、レコーディグはすごく緊張したと書かれてましたが…。
高橋:レコーディングをするって決まったのが前の月だったんです。「来月やるから予定あけといて」っと。レコーディングに入っても、右も左もわからない状況の中で演奏したので緊張しました。
渡辺:選曲はどうやったの? 曲がいっぱいある中から?
高橋:いえ。
中村:僕らの中で昔の曲はモチベーション的にライブとかスタジオで演奏するとイマイチだなって思っちゃう傾向があって、モチベーションが高いうちに録っておこうって。そういう感じだった気がします。
砂川:リード曲はどれにしようとかは?
高橋:意志の疎通は最初から取れてました。
渡辺:その点はすんなり?
高橋:録るって決まってからはすごく早かったです。
砂川:the cabsの一番変わったところを思い出した! 國光がシャウトしてなかったよね。ここ数年でマイクを通すようになって、そこはすごいわかりやすく変わったところかもしれない。
高橋:いろんな人から「1回マイクを立ててやってみたら?」って言われたんですが、自分達の中ではやっていいかよくないかわからなかったんです。でもやってみたらダメだという感じもなかったし、徐々にしっくりも来たので、やっていいんだなって判断がつきました。
── 意外と何でもやっていいんだなって?
高橋:何でもありなんだなって。
砂川:それに気付けるか気付けないかって大きいよね。気付けなくて苦しむバンドも多いから。

両バンドとも一番良い形で取り組む事ができた

caro_A_2nd.jpg── それが1st.からできているというのも羨ましいですね。
高橋:1st.を出して一番良かったのは、叫んでいいんだってところですね。拒否反応を起こす人がいるのかなって思っていたけど、そういう話はまだ聞いてないです。
渡辺:叫んでる部分って歌詞はあるの?
高橋:あるんですけど、歌詞カードには載せてないです。頑張って聴き取ろうとするのも楽しいじゃないですか。それが結果的にたくさんの空耳を生むのかもしれないですけど。楽しんで聴いてくれれば。
── いろんな意味で自由にやらせてもらえた感じですか?
高橋:自由だなって思いましたよ。これやりすぎじゃない? とかあまり言われないので。歌に関してだけは絶対に良い歌であるべきだから、そこは僕らよりも客観的に聴ける人がいたほうが良いと思い、スタッフの方にアイディアをもらいました。
渡辺:あと1個気になるのは、歌詞を國光が書いて義勝が歌うっていうのは、義勝のテンション的にどうなの? 僕は基本的に自分で書いて歌ってるから。
首藤:バンドを組んだ時から國光が曲を作って詞を書いているので、むしろ今「歌詞書きなよ」って言われても書けないし、これが一番良い形です。
渡辺:違和感はない?
首藤:むしろ歌いやすいです。
高橋:歌詞はわりと恥ずかしいことも書くようにしているんですけど、それを僕が歌っちゃったら本当に恥ずかしいものとして出されちゃう。でも、義勝は感情を出さない歌い方をするから、この形が良いと思います。
首藤:それは自分でも心がけてます。國光が何を考えて歌詞を書いてるかもわからないし、そこまで抑揚も付けず、どんな感情で歌っているのかわからないのも面白いかなって。
── 歌詞を書く段階で2人で話したりは?
高橋:全くしないです。これで歌ってって渡すだけです。
首藤:ここはこういう意味だからこういうふうに歌ってとかも全く言われないです。
高橋:ここ聴かせどころだからとかもないです。
砂川:それは信頼関係が成り立ってるから?
高橋:信頼というよりかは、当たり前になってます。メンタリティーの上でのキャッチボールではなくて、僕が歌詞を書いて義勝が歌うというのがthe cabsの形で、そこで僕がここの歌詞はこういう意味だからこう歌ってって言っても混乱しちゃうし、究極を言ってしまえば僕が考えてることはわからないし、僕も義勝が考えてることはわからない。わからない上でやる形としては一番良いんです。
首藤:メロディー作ったりするのも悩まないですね。この歌詞だったらこういう感じかなって。
── この歌詞は歌えないとかないですか?
高橋:言ってたよね。これちょっと恥ずかしいんだけどって。
首藤:今回のアルバムはなかったですけど、嫌な時はイヤだって言います。
高橋:イヤって言っても歌わせるけど。
渡辺:でもバランスは良いと思うよ。過激というか、生々しいというか、突っ込んだ歌詞を感情込めて歌うんじゃなくて、サラッと歌う感じとか。演奏もガシャガシャやってるけど、ギターもベースも音色は変えてないでしょ。フレーズで使い分けてる。バランスが絶妙に取れてるなっていう感じがするんだよね。それはあまり意識してない?
高橋:してないです。音色少ないことは考えてやってるというよりはできないので。演奏でガシャガシャしてるのに音色でもガシャガシャしちゃったら収集つかないですし。
砂川:見せ所が多いよね。フレーズの見せ所とか。
高橋:そこまで考え込んでるわけでもないんですよ。スタジオとかに入って何か伝える時に、「ここはバーンって感じで」って。ここはドンガラガッシャーンって感じだから、ドラムもドンガラガッシャーンって叩いてって。
中村:この前、國光が持ってきた曲のドラムを家で考えて次のスタジオに行ったら、やっぱあの曲ナシでって新しい曲を弾き始めたんです。でもその曲が前の曲と拍が同じだったので全く同じドラムを叩いたら意外とはまるね。このまま行こうかって。複雑って言われるけど、そんなに複雑なことを考えてる意識はないです。
── こん詰めて考えてると思ってました。
高橋:どっちかと言うとフィジカルだと思います。

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