
表層的なメロディック・ハードコアの枠に囚われることなく徹底した楽曲至上主義を貫き通し、心の琴線に触れる潤沢なメロディと赤裸々な心象風景を刻み込んだ英詞が絶大な支持を得ているdustboxが、通算5作目となるフル・アルバム『Blooming Harvest』を完成させた。本作は『13 Brilliant Leaves』、『Seeds of Rainbows』に続く三部作の完結編という位置付けであり、楽曲の幅広さとクオリティの高さは過去随一、"大収穫"を意味するタイトルに恥じない大傑作である。彼らの得意とするメタリックな2ビートも性急な8ビートも、はたまた一撃必殺のスラッシュ・メタル全開の楽曲においても、軸としてあるのはどこまでもふくよかな風味絶佳のメロディ。だがしかし、この実り豊かな収穫の季節を迎えるにあたり、彼らは自身の音楽と対峙する姿勢を今一度見つめ直す機会が必要だった。そんな知られざるインサイド・ストーリーを含め、『Blooming Harvest』の制作にまつわるあれこれをSUGA(vo, g)とJOJI(b, vo)のふたりに余すところなく語ってもらった。(interview:椎名宗之)
"痛みの石"に「誕生おめでとう」
──今回発表される『Blooming Harvest』は、『13 Brilliant Leaves』『Seeds of Rainbows』に続く三部作の完結編となるわけですが、当初から三部作の構想はあったんですか。
SUGA:いや、途中からですね。2年前に『13 Brilliant Leaves』を作って、次の『Seeds of Rainbows』を出すところまでは決めてたんですよ。その後にどうするかは特に考えてなくて、シングルを出す案もあったんですけど、間にシングルを出して段階を踏むのが面倒くさくなったんですよね。で、いっそのことフル・アルバムにしちゃおうと。ジャケットも前の2枚と同じ感じにしてストーリー的な流れを作って、三部作として発表できたら面白いんじゃないかと思ったんです。まぁ、急にアルバムを作ることにしたので、一時期はもの凄く辛かったですけどね(笑)。まぁ、それもほんの一時期の話で、途中からは凄くいい調子で曲が出来るようにもなったんですよ。
JOJI:今回はまず、自分たちを際限まで追い込んだんですよね。合宿をして曲作りをすることに決めて、それまでに何とかしようっていう追い込みモードに入ったんです。いつもならダラダラ曲作りをしてレコーディングに入る感じなんですけど、今回はトータルで1週間、ぶっ続けで曲作りをしたんです。それくらいのペースで段取り良くやらないと、アルバムなんて絶対にできないと思ったんですよ。
──しかし、あれだけ精力的にライヴ活動を重ねている中で曲作りの時間を捻出するのはかなり難儀な話だと思いますけど。
SUGA:まぁ、曲作りのネタを増やす時期っていうのは俺のライフスタイルみたいなものなんで。曲作りの時は3人でガッと入り込みますけど、その前の段階である曲の断片を作る作業は苦でもないし、むしろ凄く好きなんですよ。いいメロディが頭に浮かんで、それを貯めておくこと自体は。ライヴが終わった夜にふと浮かぶこともよくあるし、そういうのは作ろうと思って作るものではないので。
──『13 Brilliant Leaves』の「RESET」、『Seeds of Rainbows』の「Neo Chavez 400」、そして本作の「SxOxP」と、メンバーの身に降り掛かった不幸を元にした曲はすべてスラッシュ・メタル調で統一されていますよね(笑)。
SUGA:その3曲は全部事実に基づいてるんですよ。「RESET」は、俺が一番スロットにハマってた時期に1日で8万円負けたことがきっかけに生まれたんです(笑)。その時にドン底の気分を味わったから"リセット"したいと思って。
JOJI:「Neo Chavez 400」は、俺がバイクを盗まれて出来た曲ですね(苦笑)。母の日のプレゼントを買いにマルイへ行った時に、うっかり鍵を差したまま停めちゃったんですよ。で、戻ってきたらバイクがどこにもなくて。まさか...とは思ったんですけど。
──未だに見つからないんですか?
JOJI:ええ。今頃は東南アジアで売り払われてるかドブの中に沈んでるでしょうね(笑)。
──そしてREIJIさんにも不運が起こって、遂に三役揃い踏みになったという(笑)。
SUGA:そうなんです。ちょうどいいタイミングで胆石になってくれて(笑)。今回ばかりはネタがないなと思ってた矢先に。
──何が凄いって、終わりのほうで"Stone of pain"(痛みの石)の大連呼ですからね(笑)。
JOJI:胆嚢を取るほどの痛みだったらしいので、"Never come back!!!!"(二度と戻ってくるなよ!!!!)と(笑)。でも、術後は油物を控えなくちゃいけないっていうのに、イヴェントのケータリングで牛丼の肉だけを美味そうに食べてましたけどね(笑)。油物は採りたい放題だと思いますよ。この間金沢でライヴをやった時も、リハ終わりに牛丼の大盛りをひとりで食べてきたって言ってましたから(笑)。
──今日は病気が再発して欠席したわけじゃないですよね?(笑)
SUGA:完治はしたみたいですけど、あのペースで油物を摂取してたらいずれまた病気になりそうですね(笑)。
──間奏で「Happy Birthday」のリフが奏でられているのは?
SUGA:あれは、痛みの石が身体から出てきて「誕生おめでとう」とお祝いの意を込めたんです(笑)。
JOJI:今回もスラッシュ・メタル調の曲を敢えて入れたのは、「もういいよ! しつこいよ!」って言われたかったからなんですよ。それに対して「何が悪いんだよ!?」っていう(笑)。
アコギ1本でも唄えるのがdustboxらしい楽曲
──でも、「SxOxP」のように異質な曲があると、その後に来る「Sleepless Night」のような美しいバラードが一段と映えますよね。こうしたアコースティック・ギターを基調とした楽曲は、『13 Brilliant Leaves』には「Letter to me」、『Seeds of Rainbows』にはシークレット・トラックとして「Love」がそれぞれ収録されていましたけど、シンプルにギターと歌のみで奏でられるのは今回が初めてですよね。「Letter to me」にはヴァイオリンが、「Love」にはエレクトリック・ギターがそれぞれ加味されていましたし。
JOJI:「Sleepless Night」も最初はコーラスを入れようとしてたんですけど、SUGAの声とアコギだけのほうが曲が活きるなと思って。
SUGA:曲名通り、ひとりきりで唄ったほうがしっくり来ると思ったんですよね。
JOJI:息継ぎの音もしっかりと入れて、凄く近い距離で歌が聴こえるようにしたかったんですよ。
──確かに、耳元で切々と唄われている臨場感がよく出ていますね。dustboxが凡庸なメロコア・バンドにカテゴライズされないのは、こういう楽曲がレパートリーにあるからこそだと思うんですよ。
SUGA:「Sleepless Night」みたいな曲は、メロコアやパンクを身上とするバンドなら基本的にはナシだと思うんです。でも、俺たちは2ビートの曲も好きだし、メロディの綺麗な曲も好きだし、いろんな音楽が好きなんですよ。「Sleepless Night」は、曲の芯の部分をアコギで唄えるっていうのを出してるだけなんですよね。ホントは全曲アコギでも唄えるんですよ、「SxOxP」以外は(笑)。
──メロディの美しい輪郭が際立っているからこそ、アコギ1本でも充分演奏に耐え得るんでしょうね。
SUGA:逆に、アコギ1本で唄えるようじゃないと自分たちの曲じゃないとも思いますしね。「SxOxP」みたいに遊んでる曲でも、ちゃんと綺麗なメロディは入れてるんですよ。
──「SxOxP」は流麗なハーモニーも見事ですからね。
SUGA:綺麗なメロディを入れるっていう筋はちゃんと通したいんですよね。その上で遊んだ曲もやるっていう。
──「Sunburst」や「Place in the Sun」といった燦々と輝く太陽をモチーフにした曲がdustboxには多いですよね。『13 Brilliant Leaves』で言えば「Sun which never sets」や「Shine Bright」、『Seeds of Rainbows』で言えば「Rain or Shine」がそうだったように。
SUGA:太陽は希望の象徴だし、よく歌詞やタイトルに使いたくなるんですよね。あと、単純に発声が気持ちいい。"Sun"って口にした時の破裂音が(笑)。
──本作はとりわけ希望を忘れずに前を向こうとする歌詞が多いですよね。"あのサンバーストのように君の人生を輝かせて!"と唄われる「Sunburst」然り、"信じ続けてきた望みを捨てる時じゃない"と唄われる「Spacewalk」然り。
SUGA:そうですね。英詞ではありますけど、かなり自分をさらけ出して書きました。
──その一方で、ファストコア調の「Falling」のようにつれない彼女に翻弄されまくる物語性に富んだ歌詞もあり。
SUGA:「Falling」は、敢えてああいうダサイ歌詞にしたんですよ。フル・アルバムではいつもそうやって趣向を凝らしてるつもりなんです。どれも似たような歌詞じゃ面白くないし、曲のイメージと実際の歌詞がまるで違うようなのも面白いと思うし。基本的に自分で感じられないことは歌にできないから、自分が経験を積んで得たことを言葉にしたいといつも思ってるんですよ。まぁ、さすがに「私の誕生日に何をくれるの?」って言われたことはないですけどね(笑)。
──"だから僕は唄い続けるよ/この声が出なくなるまで/もう唄い方を忘れないようにね"と唄われる「Bird of Passage」からは、唄い続けることへの覚悟や決心みたいなものを感じましたが。
SUGA:ツアーを回ると、いろんな人たちと出会うじゃないですか? お客さんはもちろんのこと、対バンだったり、お世話になってるライヴハウスのスタッフだったり。そういう人たちからいつもとてつもないパワーを貰ってるんですよ。そのパワーを歌として形にしたかったんですよね。誰かが言ってくれた言葉が自分の心に突き刺さって、時にジンと来たり、時に凹んでみたり...その時々で感じたことを唄っていきたいと言うか。あなたが発したあの言葉は俺の心の中で今も響き渡ってるよ、っていう。

バンドの在り方を巡るディスカッション
──dustboxが本懐を遂げる場であるライヴの中から生まれた楽曲と言えますね。
SUGA:そうですね。ただ、その「Bird of Passage」の歌詞は、八食のフリー・ライヴが終わってみんながバーベキューをやってる時にひとりでホテルに籠もって書いたんですよ(笑)。締切が間に合わなくて。その最中にバーベキューをやってる連中からもの凄く綺麗な夕陽の写真が携帯に送られてきて、それが悔しかったから"Like the setting sun〜"っていう歌詞を入れ込んだんです(笑)。
──ツアーという旅がバンドなり楽曲なりを導いてくれる感覚はありますか。
SUGA:ありますね。ツアー先でいろんな人たちと出会って話をすることが自分たちにとって凄く大きな人生の勉強になってると思うし。
JOJI:ツアー先で共演するバンドとはガチンコだし、気心の知れた連中なら「何だよあのライヴ? オマエらそんなもんじゃねぇだろう!」っていう意見を互いに言い合うんです。それは先輩も後輩も関係なく。そういう刺激がし合えるバンドと一緒に回るツアーは特に好きですね。
──新しい作品を作った後にツアーを回るのは、創作面では"放電"なのかもしれないけど、ツアー先ではいろんな人たちとの触れ合いから得られることが多々あるわけで、結局のところ"充電"期間でもありますよね。
JOJI:そうなんですよね。共演するバンドと長くて4、5本ツアーを回って、その最後の日にどれだけ一緒になって泣けるかが結構大事だと思うんですよ。盟友と呼べるバンドにはそういう連中が多いし、自分たちもそういうバンドでありたいと思いますね。
──"僕らは不完全な人間、だからこそ手を取り合って一緒に歩き出そう"と唄われる「Hand in Hand」は、バンドとオーディエンスの絆をテーマとするアンセムのようにも感じますね。
SUGA:うん。この曲が出来た時は凄く嬉しかったんですよね。合宿中に曲が出来なくて煮詰まって、スタジオにひとりで籠もってた時にふとひらめいた曲なんですよ。凄くポップなメロディ・ラインだし、余計なことは一切やらずに形にしたら今までになかった曲になるぞと思ったんですよね。そこから一気に曲作りに火がついたんです。
──"僕らが力を合わせれば誰にも負けない"という一節もあるし、メンバー間の堅い絆を唄った曲でもあるのかなと思ったんですが。
SUGA:合宿の初日に、3人でいろいろと話し合いをしたんです。もう一度手綱を締め直して曲作りに臨もうよ、って。その話し合いがいい刺激になったし、それを忘れたくなくて歌詞として書き留めておいたんですよ。
──かなりディープな話し合いだったんですか。
JOJI:大揉めでしたよ(笑)。バンドのスタンス自体がナァナァな感じになっていて、それに嫌気が差したから俺から意見を言ったんです。曲作り以前の問題で、バンドの在り方の根本的な話をしたんですよ。各々がバンドに対して抱いている考えとか、オマエのそういうところがキライとか(笑)、そういうのを徹底的に話し合ったんです。そうじゃないと絶対にいい作品は生まれないと思ったし、中途半端な作品は死んでも作りたくなかったし。
SUGA:確かに、どこかで馴れ合いになってた部分が合宿を始めた頃にはあったんですよね。
JOJI:ライヴをやればそれなりにみんな観に来てくれたり、コンスタントに音源を出させてもらったりね。でもそれが普通じゃねぇんだよ、と思って。そういう恵まれた環境に甘んじるのが凄くイヤだったんですよ。だから、曲作りに入る前に4時間ぶっ続けでとことん話し合ったんです。
SUGA:あの時点で話し合えて良かったと思いますよ。あの話し合いがあったからこそ、今回は曲作りの上でポジティヴな気持ちにもなれたし。
JOJI:仮にあの話し合いがなかったら、完成した作品も平凡な出来になってたと思いますね。「dustboxらしいね」みたいな感じだった気がする。それじゃダメですよね。俺たちは常に成長していたいと思うから、「いつものdustboxっぽくないな」って言われたほうがよっぽど嬉しいんですよ。
ありふれた言葉を敢えて曲名にすること
──その然るべきディスカッションがなければこれだけの作品が完成しなかったでしょうし、少なくともフル・アルバムのフォーマットにはならなかったんじゃないですか。
JOJI:話し合いをして各自が納得した上でならシングルでもいいと思ったんですけど、とにかくあの気が緩んだ状態じゃ絶対にアルバムなんて作りたくなかったですね。
──そんな話を伺うと、「Jupiter」、「Hand in Hand」、「Life is Beautiful」という最後の3曲の流れが余りに素晴らしいのも至極納得できますね。
SUGA:最後に一気に畳み掛けてますよね(笑)。
──哀愁と疾走感が激しく交錯する「Jupiter」は本作でも1、2を争うメロディアスな傑作ですが、自分らしさを失っていくことへの戸惑いが吐露されていますね。
SUGA:俺はよく激しい自己嫌悪に陥ることがあるんです。いつもは"自分に対して素直になれ!"なんて唄ってるくせに、俺自身が一番素直になれなかったりする。「Jupiter」はそういうもどかしさを唄った曲ですね。「Jupiter」には"木星"以外にも"ユピテル"という天地を支配する最高神を意味していて、その神に"雨を降らせてくれ、心の汚れを洗い流してくれ"と訴えかけているんです。ネガティヴの象徴となるような言葉を探していた時に、ローマ神話のことを思い出したんですよ。
──希望に充ち満ちた前向きな曲を書く人は、得てして救いようのないネガティヴな感情を常に内包しているものですよね。
SUGA:前向きな歌詞は、基本的に自分自身に向けて唄ってますからね。その歌詞が結果的に聴く人の気持ちを鼓舞できたら嬉しいですけど。
──「Life is Beautiful」と潔く言い切るのも、ネガティヴな感情に左右されやすい人が紡ぎ出す言葉だからこそ説得力があるんだと思いますよ。
SUGA:何て言うか、言い切っちゃいたいと思ったんですよね。
JOJI:前回の『Seeds of Rainbows』の時も、最後の「Tomorrow」で"This is a happy ending..."と唄ってましたからね。最後はやっぱりハッピーに締めたいんですよ。
──「Tomorrow」にしてもシークレット・トラックの「Love」にしても、タイトルからして余りに潔いブレのなさですね(笑)。
SUGA:確かに(笑)。でも、曲名って俺は凄く重要だと思ってるんです。「Tomorrow」も「Love」も「Life is Beautiful」も、映画や小説に使われるような常套句じゃないですか? ホントはそういう言葉を曲名に使うのは怖いくらいなんですよ。だけど、敢えてそう名付けることで勝負をしたい。定番すぎるほどの曲名でどれだけ自分たちの表現ができるのか? っていう。
──潔さと言えば、バンドのアンサンブルもまたここ数年はシンプルの極みですよね。冗長なアウトロやフェイドアウトがなく、潔く曲が完結する感じで。
SUGA:昔はそういうのを余り深く考えなかったんですけど、今はひとつのアルバムとして物語性を持たせたいと思ってるんです。同じ終わり方の曲があれば変えようとするし、余計なアレンジに凝るよりも曲の締め方にこだわるようになったんですよね。
──逆に曲の始まり方に目を向けると、「Starting line」や「4592436305」のようなアルバム全体の前口上的な曲が今回はありませんね。
SUGA:あると見せかけてないっていう、そこは裏切りで(笑)。
JOJI:三部作を謳っているので、今回も頭にそういう曲があったほうがいいかなとは思ったんですけどね。「Hurdle Race」のイントロはそれっぽいことをしてますけど。
アートワークは作品作りの重要なエッセンス
──アートワークは三部作で一貫していますよね。Sauceの植木真吾さんのディレクションのもと、金子ナンペイさんのキッチュなイラストがジャケットに使われていて。
JOJI:何を考えているのか判らない毒々しさがあって、いつもどんなイラストが仕上がるのか楽しみなんですよね。
SUGA:ジャケットはどれも、デザイナーの真吾君が音を聴いた印象から膨らませたアイディアなんです。ナンペイさんのイラストは写実的な中にもユニークな部分があって、そういう異なる要素が一緒になった感じは自分たちの曲ともリンクしてる気がしますね。激しさと優しさが入り混じっているような感じと言うか。
──今回は"大収穫"を意味する華々しいタイトルなのに、赤い実を頬張る肥満体型の少年と流血に染まったバットを握り締めた母親が佇んでいるという奇怪なイラストですが(笑)、音楽配信全盛のご時世にこうしてアートワークにも際限までこだわってひとつの作品を作り上げる姿勢には深い共感を覚えますね。
SUGA:俺自身、CDはジャケ買いをよくしていたし、ジャケットは作品作りの上で凄く重要な要素だと思ってるんです。部屋に飾りたいと思えるくらいのジャケットが作れたら大成功だし、この三部作も並べて飾ると凄く綺麗だと思うんですよ。ちょっと気持ち悪い部分もあるかもしれないけど(笑)、クスッと笑えるおかしみがあるんじゃないですかね。
──アルバムをリリースした後は例によって怒濤の長期ツアーが年を跨いで敢行されますが、ツアー中にREIJIさんの"Stone of pain"が戻ってこないか少々心配ですね(笑)。
JOJI:その時はもちろんそのままライヴをやらせますよ(笑)。
SUGA:今年の5月にやった名古屋、大阪のワンマンは石のあるままでライヴをやってましたからね(笑)。
──おふたりの健康面は大丈夫ですか。
SUGA:全然大丈夫ですよ。今のところは、ですけど(笑)。JOJIも暴飲暴食はしないよね?
JOJI:うん、しないね。
SUGA:昔は30分のステージだったから無理もできましたけど、今みたいに60分を超えるステージを毎日のようにやるのを考えると、昔みたいに無茶はできないですよね。
──何だか切ない話になってきましたが(笑)。気が付けばバンドのキャリアも10年以上経つし、やっぱり無理が利かなくなってきた部分もありますか。
SUGA:その日のライヴを後でビデオで見ると、ジャンプは上がらなくなってきましたね。だからドラム台がある時は嬉しいんですよ、高く跳んでるように見えるから(笑)。
JOJI:あと、ライヴの後半になると無意識のうちに身体が動かなくなってる気はしますね(笑)。最初のほうは動きまくってるんですけど。
──......話題を変えましょうか(笑)。今回の『Blooming Harvest』然り、これだけクオリティの高い楽曲がレパートリーに増えると、ライヴのセットリストを考えるのが年々難しくなってくるような気がしますね。
SUGA:そうなんですよね。あれもやりたい、これもやりたい、なので。だから今度のツアーは本気でどうしようかと思ってます。『Seeds of Rainbows』のツアーの時はほぼ全曲やってたんですけど、今回は全曲できるかどうか微妙だし...とか言いながら全曲やりそうな気もするし(笑)。お客さんの好きな曲もそれぞれ違うから、全曲やったほうがみんなが楽しめていいんですけどね。
──"ミスフォーチュン・メドレー"と題して、「RESET」、「Neo Chavez 400」、「SxOxP」を一気に聴かせるパートを是非設けて欲しいところですけど(笑)。
JOJI:ああ、全然アリだと思いますよ。いつかそういう音源を作ってみるとかね(笑)。
SUGA:その時のタイトルは『The Unhappy』で決まりですね(笑)。