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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】平田博信(Swinging Popsicle)×杉山オサム(STUDIO IMPACT)×高橋浩司(HARISS)(2007年8月号)- 何でこんなにいい音が雑然としたスタジオで出るのか!? STUDIO IMPACTと杉山オサムのレコーディング・マジックを徹底解明!

何でこんなにいい音が雑然としたスタジオで出るのか!?STUDIO IMPACTと杉山オサムのレコーディング・マジックを徹底解明!

2007.08.01

アナログ・マインドだから心までエディットされない

13_s04.jpg──あと、オサムさん自身がバンド経験者であることも個性的なミックスに繋がっているんじゃないですか?

杉山:まぁ、バンドをやってた流れがあるから現場で理解できることは多いでしょうね。

平田:そんじょそこらのギタリストよりもオサムさんは巧く弾くしね。

高橋:セイジ君(HARISS)、ちょっとビビッてたもんね。「あの人の前でギター弾くのイヤだな」って(笑)。

──ここ数年、プロトゥールスなどレコーディング・ソフトの飛躍的な浸透によって誰しもが同じような録音環境にある中で、最終的に問われるのはバンドマンやエンジニアのセンスではないかと思うのですが。

杉山:そうですね。エディット機能も簡単だし、面白い。そこは僕、肯定的なんですよ。でも、簡単に使えるからこそその人のセンスが問われる時代だと今は思いますよね。

高橋:オサムさんの凄いのは、デジタルを使いながらマインドはアナログなところ。エディットされてもアナログ的な感覚だから、大事な根本的な部分は絶対に切らないんですよ。それはHARISSのレコーディング中に感じましたね。

──スタジオを利用する側からすると、レコーディングに煮詰まった時に息抜きできる周囲の環境って凄く大事だと思うんですよ。近くに旨いラーメン屋や打ち上げに適した呑み屋があるとか(笑)。

高橋:ああ、息抜きは凄く大事ですよね。近くのコンビニで食べ物を買ってスタジオの音を聴きながらお腹を満たすよりも、30分でもいいから外出して、レコーディングとまるっきり関係のない場所で食事をするほうがいい。食に関しては僕、下井草周辺の店は結構好きですよ。「御天」っていう強力なとんこつラーメン屋とかね。

杉山:野獣系ラーメンだよね(笑)。博多出身の人が認める店なんだけど、メンバー全員がそこで食べてスタジオに戻って来ると、匂いがとにかく凄まじい(笑)。他にも近所に「なか星」とかラーメン屋はいくつかあるけど、オススメなのは餃子が安くて美味しい「南軒酒家」かな。TIGER HOLEのISHIKAWAさんも大好き(笑)。

高橋:「南軒酒家」の餃子は最高ですね。レコーディングの打ち上げをLONESOME DOVE WOODROWSと合同でその店でやりましたからね。打ち上げするためだけに下井草に集合して(笑)。

──脱線話のついでに訊きたいんですけど、受付に何故か優香の生写真がいつも置いてあるじゃないですか?(笑) これは誰が持って来たんですかね?

杉山:とあるバンドの人が「これを譜面台に置いて演奏すると巧くいくんですよ」って持って来てたんじゃないかな(笑)。

高橋:HARISSの「HEY VERBAL」っていう曲の中に“優香”って歌詞が出てくるんですけど、それは確実にこの生写真からなんですよ(笑)。これもまたIMPACTマジックかもしれない(笑)。

──高橋さんと平田さんから、STUDIO IMPACTに今後期待するところはありますか?

平田:スウェーデンのタンバリン・スタジオやニューヨークのウォーター・フロント・スタジオ、シカゴにあるジョン・マッケンタイア所有のSOMAスタジオに僕らが憧れるように、もうしばらくしたらSTUDIO IMPACTの杉山オサムの音に触れたいっていう人が増えると思うし、僕らもまだまだお世話になっていくつもりなので、これからも互いに切磋琢磨していきたいですね。

高橋:僕はやっぱり、アナログ・マインドをこれからも持ち続けて欲しいかな。あと、いつかオサムさんと一緒にIMPACTでビートルズの“ホワイト・アルバム”みたいな2枚組のアルバムを作ってみたいですね。それがIMPACTでなら、オサムさんとならできる気がする。僕らの長所を伸ばしてくれるIMPACTは常にアナログ・マインドだから、心までエディットされることはないんですよ。だからこそバンドが求めるいい音がIMPACTで生まれるんだと思います。

杉山:ありがとうございます。僕はいろんなものが手に届くこのスペースが大好きなんですよ。だからより快適な空間にしたいと自分でも思うし、高橋君や平っちみたいなバンドマンが使いやすいと感じてくれるようにもっと精進していきたいですね。

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