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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】石橋英子+吉田達也(2007年7月号)-眩いメロディと激烈アンサンブルの波状攻撃! 既成概念を破壊し続けてきた最強のデュオによるネクスト・レヴェル・ミュージック!

眩いメロディと激烈アンサンブルの波状攻撃!既成概念を破壊し続けてきた最強のデュオによるネクスト・レヴェル・ミュージック!

2007.07.01

2人のユニゾン・ヴォーカルを聴いて欲しい

吉田 肇:お互い曲を出し合ったとは思うんですけど、トータル的にこういうアルバムを作ろうみたいなのはあったんですか?

吉田達也:そういうのは全くなかったね。ただ出来た曲を詰め込んでいっただけですよ。最初はカヴァーしかなかったから。最初にグッドマンでライヴをやってくれっていうのがあって、2回くらいライヴをやった頃にレーベルから出したいって話が来て、じゃあオリジナルも作らないと…ってなって作り始めた。

吉田 肇:じゃあ、もの凄く短い期間で制作したんですか?

石橋:カヴァーとかは去年の9月くらいから少しずつ録り始めてた。普通のリハスタでね。

吉田達也:集中してレコーディングって感じではやってないよね。ドラムも簡単に録ったりしたし。

石橋:あとは達也さんが1ヶ月くらいヨーロッパに行って、いなくなったり。

吉田達也:でも、旅先でも編集してたからね。

石橋:達也さんも忙しいから、コンピュータを使ってデータのやり取りで作ったんです。

吉田達也:それで初めてコンピュータを使ったんだよね?

石橋:はい。コンピュータを初めていじりました(一同笑)。

吉田 肇:まぁでも、2人のスケジュールを考えたら、そういうのが不可欠だもんね。

石橋:でも、結局コンピュータでもMTRみたいな使い方しか出来なかった。間違えたら貼り付けるとかじゃなくて、録り直しって(笑)。

吉田 肇:そのせいか判らないですけど、あまり編集してる感じと言うか、パソコンで作った感じではない自然な感じに仕上がってますよね?

吉田達也:そうだね。最低限しかいじってないからね。

吉田 肇:そういった意味でもの凄くいろんな要素を含んでいて、それぞれのキャリアだったりいろんな音楽面がガチンコしてる名作だなと思って、楽しんで聴いております。

吉田達也:ありがとうございます。

吉田 肇:最後にですね、今作の聴き所なんかをそれぞれにアピールしてもらえたらなと。

石橋:聴き所は…いろんな曲が入ってるから最初は通しても聴けるし、飛ばしても聴けるし(笑)、いろんな楽しみ方があるような気がします。あとは達也さんの繊細なプレイかな。

吉田 肇:何回か聴いたんですけど、鍵盤のテクニックやセンスが石橋さんのソロの時よりも更に進んだ気がするんだけど、どう?

石橋:私はこの10年間くらいピアノに関しては努力してなくて、達也さんとやるようになって「練習しないといけない!」って思いました(笑)。今も練習中です!

吉田 肇:じゃあ、そこを聴いて欲しいですね。達也さんは?

吉田達也:やっぱりヴォーカルかね。2人のユニゾンのね(一同笑)。カヴァーのね、あれはめったに聴けないでしょ。

吉田 肇:カヴァーの選曲なんですけど、もちろん2人で納得して決めてるんでしょうけど、あれは達也さんのバックボーンというふうに捉えても構わないんですか?

吉田達也:そうだね。

吉田 肇:クラシックのメドレーも含め、そういう意味で達也さんの背景まで晒し出した貴重な盤なんじゃないかと思います。僕みたいなロック側から見たら、THIS HEATの「Twilight Furniture」とかは「なるほど」と思うんですけど、GENESISで「Time table」を選ぶっていう意外性にビックリしました(一同笑)。

04_ap03.jpg吉田達也:いやぁ、あれは単純にいい曲だからっていうだけだけどね。オレはあんまりコードに関しては判らなかったんだけど、凄い転調が多くてね(笑)。

石橋:そうそう、すっごいプログレッシヴなの。いい曲だから普通に聴いちゃうんだけど、やってみたら転調だらけなの。

吉田 肇:僕らみたいに80'sで育った人間から見ると、ピーター・ガブリエルって言うよりはGENESISと言えばフィル・コリンズみたいな印象があったんですけど、そういう意味ではプログレ時代のGENESISを紹介するいい曲だなと思いました。この曲を聴いて、GENESISは『Invisible Touch』だけじゃないんだぞ! って。

吉田達也:今はそういう子が多いのかね?

吉田 肇:じゃないですかね…どうですか? 達也さんのプッシュがないと終わらないんですけど(笑)。

吉田達也:ああ、オレはそのヴォーカルということで(一同笑)。あと、7月頭には東名阪をレコ発ツアーで廻ります。

〈追記〉
ドラマー吉田達也と言えば、みたいな書き出しはこの際不可能であろう、数え切れないバンド数、セッション数、ジョン・ゾーンやビル・ラズウェルとのユニット、ペインキラー、灰野敬二とのユニット「サンヘドリン」、RUINS、是巨人、高円寺百景から今作まで、全て地続きで、すでに時空を越えている。80年代初頭にパンク/ニューウェーヴ/オルタナティヴ・サイドからスタートしたキャリアではあるが、そんなカテゴリーに収まるはずもなく、プログレッシヴ・ロックのアティテュードをベースに00年以降はジャズや即興演奏へと今なお活動範囲を拡大中。8月にはドイツのバンドGURU GURUのドラマー、マニ・ノイマイヤーとのデュオ作がリリースされる予定。

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