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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】LUNKHEAD(2007年7月号)- 迷いを捨て全てをさらけ出した男達の13通りのコーディネート!

迷いを捨て全てをさらけ出した男達の13通りのコーディネート!

2007.07.01

LUNKHEADのニューアルバム『FORCE』がリリースされた。「今回は自分らがかっこいいと思う曲をまとめることが出来た」と言われている通り、全13曲を通して聴いてみると、前作のアルバム『LUNKHEAD』で聴かせたポップな楽曲とは変わり、人間くささを感じる作品となっていた。「生」だけでなく「死」と背中合わせのギリギリの心情が吐露されている歌詞から、今の彼らが必死で"生きて"いることが想像できた。私が思うLUNKHEADの魅力と言えば、歌の力強さや、聴き心地のよいメロディー、ライブで魅せる圧倒的なパフォーマンス(あれだけ叫んで暴れて歌って、小高さんがいつ倒れてしまうのかと本気で心配することがある)。でも、その激しいステージの中にも、メンバー全員の人柄が溢れたやさしさと素直さがあり、だから目が離せないんじゃないかと思う。今回4人にお話を聞かせていただけることになり、実はメンバー全員と話すのは初めてでかなり緊張して臨んだ取材だった。そこで、この4人は自分たちバンドもメンバーそれぞれのことも大好きだということが手に取るようにわかった。この取材後、私もLUNKHEADをもっと好きになったとは言うまでもない。 (interview:やまだともこ)

音楽は哀よりも楽

──ニューアルバム『FORCE』がリリースされましたが、前作『LUNKHEAD』に比べると、今回は「生きる」と「死ぬ」 が混在してすごく人間臭いなと思ったんです。『FORCE』を制作するまでにどういう変化が起きていたのかが気になります。

小高 芳太朗(Vo.&Gu):正直に言うと、一般的に流行っている歌謡曲を聴いてたら、今まで書いてきた“重い”とか、“苦しい”とか言われる歌詞は、言わなくても良かったこともあるんだろうなって思った時期があって…。そう思うと、俺みたいなことを歌っても誰も必要としないんだな。もっと前だけを見たメッセージのほうが聴きたいんかなって。世の中に対して卑屈になっているというか、自分の言葉が受け入れられないというか、アルバム2枚出してもたいして売れない。だから『LUNKHEAD』を出した頃は、自信もなかったし、腐っとった。その一方で腐っていたくない自分がいて、自分なりの歌いたいことを込めたかった。そこでポップで聴きやすいものを意識してできたのが『LUNKHEAD』。パッと聴きは前向きでポップなアルバムにはなったんですけど、どうしても前だけを見ていられなかった。そういう反動があって、今回はあれもこれも言ってしまえ!それで遠ざかっていくヤツはきっとわかりあえんだろうし、友達になれんだろうってさらけ出した感はあるんです。

──だから『FORCE』はポップなだけじゃない曲が多いんですね。

小高:そうですね。だから楽でしたね。前回は「すごく開けましたねー、明るくなりましたねー」って言われましたけど、サウンド的にも歌詞も裏では苦しかったですね。

石川 龍(Dr):音楽やってるヤツがこういうこと言うのもあれですが、曲を聴いて涙を流すことってあんまりないんですよ。映画のほうがぐっとくる。俺、一時泣けない病になってたんです。何を聴いても何を見ても何を読んでも一切涙が出ないっていう時期があって、そういう自分が嫌だった。普通に泣くことはできるのに感動して心揺さぶられてっていうのができなかったんです。昔は曲聴いて泣いたこともあるけど個人的に音楽に対しては涙より笑い、哀よりも楽を求めてるから、聴いて楽しくなるほうが好きですね。

小高:そういうことなんですよ。俺も哀よりも楽のほうが良いなって思ったんです。そういうものに対して歌謡曲で流す涙が安っぽいとはまったく思ってないけど、きっと俺の本音は誰も必要としないと思ったんです。そこで吐き出してもしょうがないというか、楽しいほうがいいんだろうと思ったんです。

──でも、今までのLUNKHEADの曲に感銘を受けて泣いてる人っていっぱいいると思いますが…。

山下 壮(Gu):ライブで泣いてるお客さんいますよ。前の方で泣きながら歌ってる人もいます。でも後半で盛り上がる曲ですごい嬉しそうな顔してる。そういうの見るとうらやましいなって思いますよ。

──1曲1曲に一喜一憂できるんですね。

小高:俺らはそういうバンドなんだ、泣いたり笑ったりしながら聴きたいんだってファンが教えてくれたんです。「悲しいって歌いたいんだったらそのまま言えばいいじゃん」って周りに言われて、俺がそんなこと歌っていいのかなって思ったこともある。でも、ライブの中でジンと来る場所があるから、最後に笑いながら楽しめるバンドじゃないかってすごい思えたし、逆にそれがウリなんじゃないかな、素直になればいいんじゃないかなって思えて。ちょうどいろんな曲があったし、そういう意味では歌詞が自由に書けた感じですね。

合田 悟(Ba):前は化粧していたところがあるけど、今回は素が入ってます。

小高:そうそう。前はアルバム1枚通しておしゃれに着飾りたいっていう部分がすごくありましたね。

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