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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】THE NEATBEATS(2007年7月号)-祝・バンド結成10周年! 遂に幕を開けるジャパニーズ・ロックンロールの逆襲!!

祝・バンド結成10周年! 遂に幕を開けるジャパニーズ・ロックンロールの逆襲!!

2007.07.01

まだまだ悪だくみに付き合ってもらいます

──それにしても、これだけの作品をよく短期間で録ったなと思いますよ。

14_ap02.jpg真鍋:そうなんですよ。5日ぐらいだったもんなぁ。もうバァーって録って、メンバーの誰かがちょっと挑戦とか始めようもんなら「ヘンなことせんといてくれ!」って全部却下! みたいな(笑)。

──あえなく選曲漏れした曲もあるんですか?

真鍋:ルースターズとかはやろうと思ったんだけど、カヴァーはやり尽くされてる感があったからね。あと、ドラムの(朝原)啓介が歌の練習にってシーナ&ロケッツの「I Love You」をやってましたけど。

──いつもと違う機材を使ったりとかは?

真鍋:いや、相変わらず古い感じで。でも、最近スタジオ用に機材を揃えたんで、それを試しに使ったりはしたかな。

──今回のレコーディングは“GRAND-FROG STUDIO”ではないんですよね。

真鍋:違うんですよ。次のオリジナル・アルバムは自分のところで録ろうかなぁと。ちょっと実験的にね。

──しかし、まさか本当にスタジオを作るとは思ってもみませんでしたよ(笑)。

真鍋:意外と手作りでできるもんで。内装とかもこだわってね。誰が見てもデザイン重視やなって判ると思うけど(笑)。

──性能よりもまずスタイルから(笑)。

真鍋:そうそう。でも、「音は色と形に比例する」って言ってたエンジニアの人がいたし、それはきっと正しいと思う。

──まず形から入るというのは、ニートビーツのバンドの在り方に似ていますよね。でも、それが決して上っ面ではなく、手作りでスタジオをこしらえたり、レコーディングからリリースまで全部を自分達の手で発信していく姿勢に僕は共感するんですよ。

真鍋:まさにDIYやね。何でも揃うホームセンターみたいな(笑)。そういう姿勢が大幅に変わることはないやろうね。自分でできることは自分でやったほうが判り易いし、曲がって伝わらないしね。

──このカヴァー・アルバムは、続編も予定されているんですよね。

真鍋:まずオリジナル・アルバムを出して、その後に洋楽のカヴァー・アルバムを出す予定なんです。洋楽のほうはいわゆる正統派と言うか、ニートビーツの血筋みたいなもんをやろうかなぁと。

──洋楽曲を真鍋さんが独自の日本語に訳して唄うスタイルも一興じゃないですか?

真鍋:ああ、なるほど! それは面白いと思う。イイかもしれないですね。

──今回こうして日本語による往年のロックンロールをカヴァーしたのは、改めてロックンロール・バンド一筋で行こうという10年目の決意からですか?

真鍋:まぁ、そうですね。…それ以外できませんでした、っていう(笑)。決意っちゅうより結果論と言うかね。余り難しいことはできません、っていう感じ。もう吉本新喜劇みたいな感じでイイかなぁ、みたいな(笑)。

──バンドは今後もライヴありきですよね。

真鍋:もちろんですね。昔から変わってないのって唯一そこだけかなと思って。必ず年間100本やろうって感じだからね。しんどいなぁって思う時もあるけど、やめられない。

──「ガタガタゴー」の歌詞じゃないですけど、まさに「仕事より楽しいのはまた仕事」という(笑)。

真鍋:無理矢理にでもそういう感覚にしといたほうがイイよね(笑)。“これが楽しいねん!”って。

──これだけ様々な音楽的ジャンルがある中で、2007年にロックンロールをやる意義とはどんな部分だと感じていますか?

真鍋:言ったら、ジャンルはもう出尽くしてるやんか。それぞれに確立されてると思うし。だからその中で“こんなんもあってもエエやろ?”っていう感じやね(笑)。古いことばかりやって、懐古主義とか思われるかもしれんけど、そうだとしてもそれはそれであってもイイものかな、っていう。“あるに越したことないやろ?”って感じかな(笑)。元から完成されてるものってあるからね。ロックンロールなんかそうやと思うし。50年前に既に完成型だったりするし。それを今どう発展させていくかっていうのは、機材とか技術の問題になってくるやんか。それはもう違う分野だと思うし。だから完成したものをより多くの人に良いところだけ伝えるっていうのがベストなんちゃうかなぁって。余り判りにくく進化させてもね。

──では、ロックのオリジネーターが完成させたものに加えるニートビーツらしさとはどんなところだと思いますか?

真鍋:やっぱりライヴをやった段階で、音楽云々より人間性が面白い、みたいな(笑)。そういうところで判り易くしていくしかないなぁって。そういうレベルでみんなの心の隙間に入っていくしかない(笑)。

──ある種の隙間産業的な(笑)。

真鍋:そう、隙間産業っていうのは昔から言ってるからね(笑)。大きい部品は作らないけど、繋げるところの小さい部品は作ります、みたいな。

──完成された芸を精進して更なる高みにまで持って行く…ニートビーツはロック界のドリフターズになれる可能性があるんじゃないでしょうか(笑)。3コードのロックンロールって、ドリフの『国語・算数・理科・社会』に近い気もするんですよね。

真鍋:最近、お笑いのコンビとかが「コラボしませんか?」とか言ってきて、とうとうそっちのほうに来たか、と(笑)。それ、どう考えてもドリフ的なもんやろと。

──真鍋さんと話していると、ニートビーツって壮大なユーモアなんじゃないかと思うことがあるんですよね(笑)。

真鍋:まぁ、どこにオチを付けようかなぁって今から考えてるからね(笑)。

──改めて振り返って、どんな10年でしたか。

真鍋:10年って言ってもそんなねぇ、学生時代ならまだしも、ハタチ過ぎてからの10年って大したもんじゃないでしょ。でも、バンドやるのに10年だったら足らへんと思ったね。だからストーンズが40年以上経ってもまだやってる理由が判る気がする。あんだけやっても、きっとまだ物足りないんやろなって。まぁ、ニートビーツはいろいろと企んでるんで。まだまだ悪だくみに付き合ってもらおうと思ってます。

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