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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】9mm Parabellum Bullet(2007年5月号)-目を凝らして焼き付けてみる 明日も僕らが生きていく世界を── 閃光の如く連射される9mmのパラベラム弾が日本のロックの新たな基準となる!

目を凝らして焼き付けてみる明日も僕らが生きていく世界を──閃光の如く連射される9mmのパラベラム弾が日本のロックの新たな基準となる!

2007.05.01

メンバー4人の音楽的ルーツ

──音楽的ルーツの話もしておきたいんですが、メンバー個々の影響を受けたバンドを訊かせて頂けますか。まず、かみじょうさんから。

かみじょう:僕は中学くらいからバンドを始めたんですけど、当時はヴィジュアルの最盛期で。そこら辺は一通り聴いて、高校時代はハードコア/メロコア・ブーム。そこも一通り聴いて、大学に入ってからは皆さんが聴いてるような音楽を聴いてました。

──みんなが聴いているような音楽?

菅原:BLANKEY JET CITYとかTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとか。あと、洋楽ならRADIOHEADとかですね。そういうバンドの音楽はメンバーの共通項だったんですよ。その他に各々の青春バンドがありまして…。

──菅原さんの青春バンドは?

菅原:そんなに青春の時期に聴いていたわけではないんですけど、僕はジョン・フルシアンテが凄く好きで。レッチリも好きなんですけど、彼のソロが特に好きなんです。ファーストの『Niandra LaDes』と6枚連続シリーズの最初の『The Will To Death』、FUGAZIのイアン・マッケイとやった『Dc Ep』…もうほとんどのアルバムが好きですね(笑)。特に好きなのは、2004年に出た『Shadows Collide With People』とファーストかな。『Shadows~』はアコギが全編にわたって入っていて、家でそのコードをコピーして唄ったりすることはありますけど、直接的に彼のギター・プレイに影響を受けたというほどでもないですね。ファーストは、家でストレッチをしながら聴くとなんだかいい感じになってくるんですよ(笑)。

滝:僕は逆に凄く身体が硬くて、やばいことになってるんですよ。前屈はマイナス20cmくらいです(笑)。

──それでよくあれだけライヴで暴れられますね(笑)。そんな滝さんが影響を受けたバンドは?

滝:僕の青春は…Hi-STANDARD、eastern youth、ヌンチャク、海外だとBAD RELIGIONですね。いわゆる日本のハードコアの最盛期でしたね。でも、高校生当時は若干背伸びして聴いていたような気がします。ギター・プレイで影響を受けたのは、やっぱりハイスタの横山健さんとイースタンの吉野寿さんかなぁ…。あと、近いところではQomolangma Tomatoの小倉(直也)さんからも影響を受けているので、似てる部分も意外とあると思います。

──滝さんのあの過剰なステージ・パフォーマンスは誰に影響を受けたんですか?

滝:影響を受けているとしたら…BRAHMANですかね。高校の頃からバンドをやっていて、当時からライヴではできるだけ暴れてやろうと思ってました。あと、AT THE DRIVE-INからの影響もかなりあると思うんですけど、ライヴを観てる人には判らないでしょうね(笑)。

──確かに(笑)。中村さんがとりわけ影響を受けたのは?

中村:RAGE AGAINST THE MACHINE、THE MAD CAPSULE MARKETS、AT THE DRIVE-IN、BAD RELIGION。あと、WEEZERやTHE GET UP KIDSとかも好きです。やっぱり、マッドのTAKESHIさんにはベース・プレイの影響をかなり受けましたよね。あの動きも凄く好きでした。

──かみじょうさんが思春期に影響を受けたドラマーと言えば?

かみじょう:中坊時代はYOSHIKIさん、高校時代は恒岡章さん、大学に入ってからは中村達也さんになるのかな。

──個々で見るとなるほどなという感じがしますね。各自様々なバンドから影響を受けていらっしゃいますが、あのライヴ・パフォーマンスだけはやはり唯一無二のオリジナルだと思えますね。

滝:いやぁ、もっと凄いバンドは他にたくさんいますよ。

──これまで対バンした中で言うと、例えばどんなバンドですか?

滝:ミドリ。あれはまさしく正しきハードコア・バンドだと思いますよ。ミドリに比べたら、僕達なんて甘っちょろいポップス・バンドみたいなもんですよ(笑)。でも、僕達も無理をしてあのテンションまで持っていってるわけではなく、自ずとああなってしまうんです。普段こうして人と話をしている延長線上にあのテンションがあるんですよ。僕がライヴで一番伝えたいことは“驚き”なんです。お客さんが驚いてくれたら充分満足ですね。

──もう充分に驚いてますよ(笑)。よくもまぁあれだけギターをストラップでブンブン振り回して取れないもんだな、って(笑)。

滝:いや、しょっちゅう取れるし、ストラップもブチブチ切れますよ(笑)。

かみじょう:次世代の新体操的な発想というか…。リボン、フラフープの次はギターかな、と(笑)。

アウェイの観客にどれだけ自分達を印象づけるか

──ライヴは常に闘いの場であるという意識はありますか? 『Phantomime』に収録されていた「Talking Machine」のPVがリングの上で演奏するものだったので、つい訊いてみたくなったんですけど(笑)。

11_ap04.jpg菅原:自分達自身との闘いという部分はありますね。

滝:メンバー同士で闘ってる感じはしないですけど、闘うならやっぱり自分自身か、お客さんとの闘いっていうことになりますね。

かみじょう:初期の頃はメンバー同士で闘うのが面白かったんですけどね。

中村:そうそう。ライヴがまるで運動会みたいな感じだったんですよ(笑)。

──楽器を使いながらの障害物競走みたいな感じですか?(笑)

かみじょう:そうですね、音楽とはすなわちスポーツですよ!(笑)

──でも、自分との闘いはハードルが年々上がっていく一方ですよね。

菅原:年々上がっていく一方だからこそバンドも良くなっていくんだと思うし、ゼロになってもまた一からやり直せばいいわけで、一段ずつ一歩一歩階段を踏み締めていけばいいと思ってます。

──菅原さんにとっては、メジャーに進出することで歌をちゃんと伝えることが更なる重要課題になってきつつあるんじゃないですか?

菅原:そこはもちろんそうですね。けど、その限りではないっていうか。歌は歌なんだけど、曲の中では楽器の一部だし、ただ唄うだけじゃなくて9mmの中では5つ目の楽器でもあるわけで、特に歌だけを届けたいわけじゃないんです。バンド・サウンドがあってこそ初めて成立する歌詞もありますからね。

──5月30日からは、その名も『The World tour』が千葉LOOKから始まりますね。

菅原:9mmに関心のない人にも是非観てもらいたいんですよ。基本的に、自分達のことを知らないお客さんの前で演奏するほうが燃えるのかもしれない。去年、MUSIC ON! TVのイヴェントでSHIBUYA-AXのステージに立った時は僕達のことを知ってる人なんてほとんどいなくて、やりたい放題やれましたからね。

かみじょう:確かに、そういうアウェイなライヴのほうが思い切りできるのかもしれないね。

──とすると、9mm Parabellum Bulletの根本はM体質なんですかね(笑)。

かみじょう:いや……Mですね(笑)。でも、Sでもあるんですよ。アウェイの時はM的な要素も含んでいるんですけど、アウェイの中でどれだけ自分達をオーディエンスに印象づけることができるかという部分ではSなんです。

菅原:もちろん、ワンマンの時は9mmの音楽を好きな人達に向けてもっと派手にやってやろうと思いますけどね。とにかく一度僕達のライヴを観て欲しいですね。ツアーの始まる2週間前に『The World e.p.』が出るので、まずはそれを聴き込んでからライヴを観るとより一層楽しいことになるんじゃないかと。いっぱい旅を回って楽しいライヴをやるので、期待していて欲しいです。

滝:ツアー・ファイナルの浜松は半端じゃないことになると思いますよ(笑)。恐らく流血どころの騒ぎじゃないでしょうから、皆さんこぞってご参加頂きたいと思います。

菅原:なんのために“うなぎパイ”が名物の街を僕達がツアー・ファイナルに選んだのか? っていう話ですよ。

──皆さん、“夜のお菓子”が大好物ということですか?

菅原:いや、それほどでも(笑)。

──なんだ(笑)。じゃあ、滝さんには骨折はおろか骨なしになるまで暴れ回って頂きましょう。ウナギだけに骨がなくなるまで。

菅原:お上手です!(笑) オチがついたところでこの辺で(笑)。

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