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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】THE BAWDIES(2007年2月号)- I BEG YOU!! THE REAL ROCK AND ROLL PLAY THE BAWDIES!!!

I BEG YOU!! THE REAL ROCK AND ROLL PLAY THE BAWDIES!!!

2007.02.01

スピーカーの向こうから聴こえてくるのは'60年代バリバリのロックンロール。いわゆる広い意味のロックではなく純粋なロックンロール、しかもバカテク。CDを手に取ってみると...ん、弱冠23才の若者? 何? 何だ? 何故だ!? 揃いのスーツに身を包み、高価なヴィンテージ機材から発するはオリジナルTHE BAWDIES SOUND!! 今、巷で話題沸騰の彼ら、THE BAWDIES。Rooftopでは緊急2ヶ月連続インタビューを敢行! 今月はバンド結成からNewシングルの話まで深く緩くROCK AND ROLL!! 単なるコピーではない、最新型ロックンロールを聴きやがれ! 老若男女を踊り狂わせろ!! 時代が彼らに追いつくのももうすぐだ!!!(interview:植村孝幸+椎名宗之)

弱冠23才の才能、偶然性の中の必然

──メンバー3人が小学校から、もう1人も高校からの同級生ということなんですが、バンドの結成自体は3年前なんですね。

ROY(vo, b):そうですね、大学の時に。

──それまでは普通の友達って感じだったんですか? 一緒にバンドはやらなかったんですか?

ROY:文化祭とかでやる程度でしたね。でもずっと一緒だったんで、スタジオに入ったりとかはしてましたね。

──今とは全く違った趣の音楽を?

ROY:そうですね、全く他の人とやったりとかしてました。

──インタビューされる度に訊かれると思うんですけど、単刀直入に…皆さん、若いのに結構シブい音楽をやられてますよね?(笑)

一同:(笑)

──昔からこういった音楽を好んで聴いてきたんですか?

JIM(g, cho):
俺とROYがたまたまレコード屋でTHE SONICS('60年代に活躍したアメリカの元祖ガレージ・バンド)を聴いたんですよ。それで凄い衝撃を受けて。みんな仲良くて、聴くものもほとんど一緒だったので、ハマっちゃったって感じですね。

──では、家庭環境とかで親が聴いていたからっていうわけではないんですね?

TAXMAN(g, cho):いや、でもウチの父親はTHE BEATLESが好きで、何となく自然に聴けたっていうのはあります。でも当時はそんなにTHE BEATLESが好きとかではなかったんで、あまり関係はないですかね。

JIM:たまたま好きになって自分達が聴いていたら、年代的に親の年代の音楽だったんで、親のほうから「それ、私達も聴いてたんだよ」って言われたり。だから元々、親の影響とかは少ないですね。

──親御さんとか応援してくれませんか? ライヴとかも楽しそうに観てくれそうですよね?

JIM:結構楽しんで音源とかも聴いてくれてますし、ライヴもよく来てくれますね。

MARCY(ds, cho):身内のライヴの出席率は異常に高いですね。

一同:(笑)

拘泥の中の“Simple is Best”

──今回のシングル、コンセプト的なものはありますか?

JIM:とりあえず5、6曲録って、良いのから4曲選んだって感じですね。

──収録された4曲は、すでにライヴでも演奏されているんですか?

ROY:やってますね。

──新曲は、方向性が固める前にどんどんライヴで演奏したりするんですか?

ROY:結構やりますね。それでやったりして変わっていくので。

──実際、'60年代のサウンドに影響を受けつつも自分達の音にしていくのはなかなか難しいことじゃないですか?

ROY:でも結局、当時のバンドって元々ルーツのロックンロールだったり、ブルースを聴いてマージービートとかを作り出してるので。僕達もマージービートを意識してやってるわけではなくて、ルーツのロックンロールを聴いて自分達なりにやったら、結局マージービートに解釈が似たという感じでしたね。だから、マージービート・サウンドは別に意識してないんですよ。

──まるっきりカヴァーなりコピーなりをするわけではなく。

ROY:そうですね。でもルーツ的なロックンロールとかを聴いてるので、身体に染み付いてるものを自分達なりにやったらこうなった、って感じですね。

──今は英詞で唄われていますけど、やはりそのほうがしっくりくるものですか?

ROY:そうですね。日本語でロックンロールをちゃんと表現できればそれが一番良いと思うんですけど、今一番やりたいことがストレートな本物のロックンロールなので、それってやっぱり洋楽だと思うんですよ。だから、日本語にするとまたちょっと違うものになるような気がしますね。日本語のロックではなく、ルーツ的なロックンロールっていう意味で。

──今後、日本語の歌詞で唄うようなことは?

ROY:ロックンロールそのもの自体を、人によっては表現できると思うんですけど、僕達は今のところまだできないと思ってて…。別に日本語がイヤだってわけでもないんですけどね。

JIM:でも、恰好悪くなったらイヤだけどね。

ROY:表現できればそれは最高に良いことだと思いますし、日本人だからどこかにやりたい気持ちはありますけどね。

──詞は全てROYさんが?

ROY:はい。曲も大体、僕が作ってみんなで広げる感じで。

JIM:ベースのラインと歌を作ってきてもらって、あとはスタジオでギターとドラムを乗っけて、みたいな感じで。

──まだ若いのに、何故あれだけソウルフルな黒い声が出るのだろうと前作を聴いた時に思ったんですけど、わざと声を潰したりとかしたんですか?

ROY:元々どうしても日本人っぽい声で、凄いコンプレックスだったんですよ。どう唄っても日本人っぽくなるので、最初は無理して声を出してたんです。喉を嗄らして練習して、何度も機材に録って聴いてみて、違うなぁ…って繰り返して。でも、それから1年半くらい経った頃に無理してた声が負担なく自然に出るようになって、“ああ、こういう感じでやれればいいのか”と判ったんです。

──音は結構カッチリ録ってると思うんですけど、どこかアナログ感を残すようなミックスをしていたり、ざらつきがあったりして、拘って録っていますよね。そういう部分はやはり意識していますか?

ROY:完全に昔っぽく録ってしまうと、ちょっとマニア向けになってしまうし。それはイヤなので、現代に昔のロックンロールを…という感じで今風でもありつつ、でも昔のサウンドっていうのを活かすようにはしましたね。

──楽器も昔のアンプを使ったりとか?

JIM:楽器やアンプ類はヴィンテージもので、録り方も一発録りですね。

──シンプルなロックンロールはメロディやコード進行が似て、やり尽くされている感がありますけど、そこでまた新たにオリジナルを作るのは随分苦労があるんじゃないですか?

ROY:ファースト・アルバムを作った時は苦労はしましたけど、作ってみたら意外とシンプルじゃなさすぎたりして、“もっとシンプルにしたいのに…”と思いましたね。“シンプルじゃなきゃロックンロールじゃない!”って意識があったりもしましたけど、最近出来た曲は、シンプルなものに自分達の持ってるものが乗っかったからこうなったんだな、って。だから自分の中で“こうじゃなきゃ”っていうのもなく、やりやすくなりましたね。

──ファーストの時と比べて、どう変わってきたと感じますか?

ROY:録ってる時も、曲を作ってる時もそうだったんですけど、ファーストの時は聴いてきたロックンロールをやりたいっていうそのままの勢いだったんです。それが今回は、聴き込んで身体に染み込んだものを自然に出して、自分達なりのロックンロールをやろうっていう気持ちがあって、その辺が変わったなぁと思いましたね。

──今後、企画としてカヴァー・アルバムなんて話が出てくるかもしれないけど、そのままやるつもりはない、と?

ROY:そうですね、やるからには。

──カヴァーって純粋に楽しいでしょうけど、オリジナルを超えようと考えるとハードルが高いものですよね。

ROY:もちろん自分達の好きな曲でもあるけど、恰好良くて尊敬する人達の曲でもあるから、それを超えたいって気持ちもあるし…。

──今回のカヴァー(「SEND ME BACK」)も選曲がシブいですよね。これは誰が決めたんですか?

ROY:持っていったのは僕ですけど、みんなで決めました。もうこれだけのバンドがいていろんな曲をカヴァーしているので、なるべく被らないようにしよう、ってことで。

──でも、やる以上はオリジナルをリスペクトしつつ、自分達のテイストを出すことを心懸けて。

ROY:自分が選んだのは良い、っていう自信はありますね。

──例えばTHE BEATLESが『RUBBER SOUL』辺りから内省的でサイケっぽい志向に変化していったように、THE BAWDIESも音楽的な変遷を遂げることがありそうですか?

ROY:どうでしょうね。でも、僕達もファーストの時から少なからず変わってきているとは思うので、このまま自然に変化していくのかもしれませんね。

JIM:ヒゲもじゃになってたりしてね。

一同:(笑)

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