遂に実現! テルスター10年という歴史の中で、山田タケシさんが単独でインタビューに答えるということはこれまでなかったことですが、今回テルスター初のDVDもリリースされましたし今までにはなかった山田さんへのインタビューとなりました。これまでメディアで語る事がなかった山田さんなだけに、伝えたい思いはたくさんあるはずと思い、DVD以外のお話もたくさん聞いてみたいと思いインタビュー場所に向かいました。淡々と話す山田さんの姿は、あのドラムを淡々と叩く姿によく似ていて、どこかほのぼのとしたインタビューとなりました。(interview:やまだともこ)
テルスターの静と動
──今回は初となる山田さん単独インタビューです。よろしくお願いします。
山田:(小声で)はい…お世話になります。
──では最初に、テルスター初のDVDリリースおめでとうございます。すごく内容が盛りだくさんのDVDでしたが、その中でも山田さんが打ち上げの席で楽しそうに歌を歌われている様子が収録されていて、あれはインパクトありましたよ。
山田:えっ!? 実はまだちゃんとは見れてないんですけど、何やっちゃってたんですか? よっぽどゴキゲンだったんでしょうね。でも、その部分は飲み過ぎて完全に記憶飛んでますね。そんなところまで入れちゃったの(笑)?
──(笑)山田さんはどういう音楽を今までに聴いてきたんですか?
山田:渋谷系が流行った時が高校生とか大学生で、いろいろ聴いてましたよ。中学生の時にフリッパーズギターを聴き始めて、その後はトラットリアとか聴いてました。あの頃の音楽と共に育ってきたという感じですよ。
──で、大学に入ってテルスターに出会い…。
山田:2年の冬休みぐらいに出会いました。マスザワとオアシスのコピーバンドから始めて、テルスターに紹介してもらって…。
──そしてテルスターが結成して10年の月日が経ったわけですが…。
山田:自分自身は昔に比べてかなり落ち着いてきました。昔はテンポが早ければいいと思ってたんですけど、今はどっしりと落ち着いて叩く。ドラムなのでライブではリズムの要となり、突っ走らないようにする。感情的になることはしょっちゅうあるんですが、それを抑えて音楽に準ずるということが10年経ってようやくできるようになりましたね。
──フロントの3人が、ライブ中に興奮している時も山田さんだけは冷静ですもんね。
山田:自分もあのようにやりたいなっていうのはあるんですが、そこは抑えて抑えてやってきてますね。できるだけ落ち着いて無駄な動きはなく、叩こうっていうことでやってます。
──ライブ中のフロント3人後ろから見ていてどうですか?
山田:面白いですね(笑)。
──でもやっぱりリズム隊はガッチリ合わせないとバンドの音が出来上がらないですしね。
山田:横山はベースが上手いですし、ベースボーカルなのでベースとボーカルは必ず合いますよね。それで僕が横山とちゃんと合えばリズム隊とボーカルが三位一体でガッチリ合うんです。他の2人が遊んでいてもバンドサウンド的には絶対にしっかりしたものができるんです。真ん中のぶっといのが支えているんです。
──フロント3人が動で後ろのドラムが静で、いいバランスですね。
山田:よく考えてみたらドラムが静ってすごいですね。でも動かないドラムが好きなんです。その昔みたYMOのライブビデオで動かない方がかっこいいなって。機能美みたいなもんですよ。デカイ音を小さなストロークで叩く。
──すごく力がありそうですもんね。
山田:力はありますよ。ジムで鍛えとりますから。筋肉をいじめるのは大好きなので…。(ここから筋肉話に花が咲く)
──は、、、はい。テルスター以前にバンドはやられていたんでしたっけ?
山田:小さいライブハウスでロックバンドをやってたんですが、本格的にやったのはテルスターが初めてです。最初にテルスターを始めた時は、このバンドでこのまま突っ走ったらどこまでいけるのかと考えて10年経ちましたけど、なんだかんだ言ってまだ途上です。どこまでいけるのかなって思いますよ。
──今のテルスターはかなりいい状態なんじゃないですか?
山田:ずっと上がりっぱなしですよ。ある意味。
──ずっと上がりっぱなしでいくために、土台でバンドを支える山田さんとしては今後どうしていったらバンドがもっともっといい状態になると思います?
山田:僕が聞きたいぐらいですよ(苦笑)。でも、今の状態で照準はあってると思いますよ。曲もいいですからね。この調子で行けば。
──山田さん自身は曲とかは作られないんですか?
山田:普段、家でギターなりテルミンなりをいじったりはしていますけど、これはテルスターではないですね。テルスターに持ってったら怒られますよ(笑)。
──ご自身の作る曲とテルスターとは線は引いてるってことですね。
山田:自分でやるものは自分で楽しんでいるものなので線引きはしっかりしてますよ。バンドでやるものはしっかりしたものをつくらないといけないじゃないですか。だからまず曲ができて合わせてみてから話し合いをして、家に持ち帰ってアレンジを練り直したり、ライブで実際やってみるとまた反省点が自ずと出てくるので反映させる。そういった作業を繰り返して、テルスターの曲は出来上がっていきますから、自分が家でうだうだとやってるものとは絶対違うものですからね。
──ライブ中にアレンジを変えるっていうのはありますか?
山田:う〜ん。変えていいかなっていう部分では変えてますけど、『なんであんなことすんだよ!』って言われる(笑)。変えるとやりにくいらしいですね。本当はやりたいんですけどね…。
実はかなりのアウトドア派
──ところで山田さんの趣味は何ですか?
山田:それこそ機材いじってばかっりだから。もうちょっと趣味とか持つようにしないとなりませんね。旅行は好きですよ。九州とか北海道とかけっこう行きます。ツアーも先に行って観光してからライブハウス入ったりしてます。車だと酔っちゃうのでメンバーと一緒には行けないんです。あと電車が大好きなんです。
──今まで行ったところで一番良かったのはどこですか?
山田:福井が楽しかったですね。ライブで金沢に行く時に寄ったんですけど、ライブの5時間前に福井の御船駅と言うところで海岸線を自転車で突っ走りながら東尋坊という崖があるところまで(今度は自転車ライダーと化した山田トークが繰り広げられる)。…そんなことをしています。
──…はい。では話を変えましょうか。山田さんがテルスターで良かったなと思うところはどんなところですか?
山田:自分がバンド始めた頃は夢のようだったライブハウスに出ることができるということですね。順序立ててどんどん大きな会場に行けているので、こんなところまで来るんだなって思います。他のメンバーのおかげもありますし、支えてくれた皆さんのおかげ、ライブに足繁く通って下さってるみなさんのおかげですよ。
──では最後に、2007年に向けてテルスターの今後の展望とご自身の課題をお願いします。
山田:自分の課題としては、音楽的な活動をもうちょっと広げていきたいと思いますね。ソロだったりバンドだったり。去年ぐらいにセッチューさん(SET YOU FREE)に機会を与えていただきました琵琶法師のほうも、ちゃんとやっていきたいなって思ってますね。
──では来年はもっと進化した山田さんに期待しています。他、何か一言あったりします?
山田:いやいや、そんな喋る人間ではないので…。申し訳ありません。