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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】wash?×BRAZILIANSIZE(2006年4月号)- 一卵性双生児的盟友バンドによるALCOHOLISMなスプリット・ツアー

一卵性双生児的盟友バンドによるALCOHOLISMなスプリット・ツアー

2006.04.01

オーディエンスをちゃんと楽しませて帰すスタンス

──そして、実際に長谷川さんが加入して最初のライヴ(3月3日、下北沢CLUB251)が非常に手応えがあるものだった、と。

奥村:ありましたねぇ。ビックリした。リハでもうビックリしてたし。単純な話、音が凄まじくでかかった(笑)。あと、曲の肝を掴むのが凄く早かったんですよ。擬音語満載の俺の曲の説明もすぐに呑み込んでくれて。

Parock86:大ちゃんは長嶋(茂雄)タイプだから(笑)。でも、新しいドラマーが道夫君だって聞いた時はビックリしましたよ。凄くいいなと思って。“そう来たか!”っていう感じで。

──4106さんとパロさんは新生wash?をもう観ましたか?

4106:俺はリハを観てます。

Parock86:僕は…そんな経緯もあってか、誘われてないです(笑)。

4106:やっぱり今までのwash?とは全然違いましたね。俺は結構ドラムにはうるさくて、それまでのドラマーに「あそこはもうちょっとこうしたほうがいいんじゃない?」ってアドバイスしてたことを全部解消してる人だなと思いましたね。

奥村:俺の歌なり、その瞬間にリードを取っている楽器なりがグッと熱量を上げた時に、一番最初にドラムに付いていってほしいんですよね。ドラムに他のみんなが引っ張られていくような感じで。それがみっちゃんが入ってからは反射的にできてるんですよ。ドラムがみっちゃんになって、言葉に気持ちが入れるようになったのは凄く大きいですね。その効果が今日のソロ・ライヴでもある程度出たと思うし。俺の書く歌詞って本当にいい歌詞だったんだね、っていう…。

一同:(沈黙)

奥村:ああ、ごめんごめん。申し訳ない(笑)。

4106:今のはツッコミ所だったねぇ? (嫉妬まじりに)まぁ、いいんじゃない?(笑)

──新生wash?の初ライヴまで、リハはどれくらいやったんですか?

長谷川:3、4日ですかね。とにかくまず曲を覚えるまでの時間がなくて、どうにかこなすような形でライヴ当日を迎えることになって。リハでもまだ自分としては“大丈夫かな?”っていう状態でしたから。もう本当に、本番が始まって自分が一発叩き始める前までは不安のほうがでかかったですよ。でも、いざ始まったらそれが初めてのライヴには思えなかったんです。意外と自分のやりたいことがやれたし、ライヴにも凄く集中できたんですよ。とにかくやたら気持ち良かったですねぇ…。

4106:wash?は割と自分好きが多いんで、初めてみっちゃんを観た時も“ああ、この人もやっぱり自分好きだろうな”って思いましたけどね(笑)。でも、バンド云々じゃなくて、いちドラマーとして自分の自信がしっかりとwash?に反映されてると思いましたよ。

奥村:いいこと言うねぇ、アンタ(笑)。

4106:ただね、ドラムセットにフロアタムがないんですよ。俺はリハの時にあることをみっちゃんから聞いてるんです。「俺が見えないとイヤだからって、大ちゃんが付けるなって言うんですよ」って(笑)。

奥村:何だよ、俺イジメかよ!(笑) (長谷川に)いや、付けてもいいんだよ?(笑)

──そんな仲睦まじき両バンドですが(笑)、また一緒にツアーを廻るとのことで。

4106:リリースとかは関係ないんですけど、主要都市は頻繁にツアーに出たいなっていう気持ちがあって。最初は単独で考えていたんですけど、去年wash?と廻って凄く楽しかったから、「今回もどう?」って打診して。

奥村:ツアーの最中は高校生のバンドかと思うくらい、いい大人が異常にはしゃいでるよね。漫喫でヒューヒュー言いながら大騒ぎして(笑)。

4106:ウチのパロとmasasucks、それと南ちゃんの3人が揃うと、うるさくてもう収拾がつかないんですよ(笑)。

──同世代で、しかも現役のバンドで、公私にわたってここまで濃厚な付き合いができるケースは稀なんじゃないですか?

4106:うん、他にいないねぇ。

奥村:ね。女性の趣味も違うしね(笑)。音楽の趣味はまぁ、7割くらいは一緒で、残りの出口は全然違うもんね。笑うポイントが近いっていうのはあって楽しいけど。

──面と向かって言うのは照れくさいと思いますが、お互いに認めている部分はどんなところですか?

奥村:今日のライヴもそうだったけど、BRAZILIANSIZEを観てなるほどなと思うのは、結果的にちゃんとお客さんを楽しませて帰すスタンス。どんな音楽性でも、どんな表現をしていても、そういうスタンスが一番大事なのかなと思ったね。それはmasasucksのキャラとか4106の人柄も関係してるんだろうね。俺は凄い女々しくて切ない曲が多いけど(笑)、どんなタイプの曲でもお客さんを笑顔にして帰すことができるんじゃないかと思うようになった。それからライヴに対する気持ちが結構楽になったんだよね。

4106:もうね、曲云々じゃないんですよ。大ちゃんだからもう…何やってもいいです、俺は(笑)。

Parock86:僕はwash?の音楽が元々ストライク・ゾーンなんですよね。そもそも、the Petebest以外のバンドで初めて叩いたのがTrophyだったんですよ。最後のツアーにサポートで参加したんですけど。

──ここまでの仲なら、いずれスプリット・アルバムとかも期待したいところですね。

奥村:それは今、ちょっと企んでるところなんですよ。

4106:ま、俺達のほうはバンバン曲が出来るんですけどねぇ…(笑)。

奥村:何だよ、また俺イジメかよ!(笑) まぁ、それまでにまず今度のツアーを楽しんで欲しいですね。BRAZILIANSIZEがライヴをやってる時は俺達が客席でやいのやいの言うし、その逆もあるし、それも含めて面白いはずだから。そんな空気を酒でも呑みながら共有してくれたらいいと思いますね。いい音楽はちゃんとやるからね。

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