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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】LINK(2006年2月号)- もっと強くなるから 素晴らしい世界見せるから

もっと強くなるから 素晴らしい世界見せるから

2006.02.01

この3人でやれない曲は作らない

12_ap05.jpg──そして4曲目は、TIGER HOLE CHOICE在籍時の人気曲「愛の花」(オリジナルは2001年6月にリリースされたシングル『FLOWER OF THE SUN』に収録)を新しいアレンジでセルフ・カヴァーしたものですが、この曲を敢えてまた取り上げようとしたのは?

柳井:まず、今回メジャー流通になるということで、リスナーの数がグッと増えるだろうと思ったんですよ。そうなった時に、インディーズで出していた頃にもこんないい曲があったんだよと伝えたかったんです。わざわざアルバムに入れるわけにもいかないし、こうしてシングルに収めるのが丁度いいかなと思って。たぶん、気持ちとかパワーの部分はオリジナルをレコーディングした4年半前にはかなわないと思うんですよ。でもそれを押してでもこのマキシに入れたいと思ったんです。

小森:「愛の花」は、バンドとして初めて発表した日本語詞のナンバーなんですよ。今この曲をやったら、曲の色が凄く出せるんじゃないかと思ったし、実際に自分達のイメージ通りに仕上げることができましたね。

──今改めて聴いても、ホント尋常じゃなくポップですよね。

柳井:そうですね。今回のはもっと優しい感じになりましたけど。

小森:温かい曲ですよね、言葉のひとつひとつが。温かく包まれてる感じ。

山上:この曲も、さっき言ったようにそれぞれの役割をキッチリ果たした上で、周囲の意見を受け容れていいものになった好例だと思いますね。

──インディーズ時代の曲で他に録り直したいと思ったものはありますか?

柳井:うーん、やっぱりこの「愛の花」が録り直して違う良さが一番出ると思いましたね。オリジナルを発表した頃から今日までのバンドの成長ぶりも見せられるんじゃないかとも思ったし。

──とにかく聴き応えのある、何度でも繰り返して聴けるシングルだと思うんですが、やはり期待してしまうのは次なるアルバムなんですけれども。

柳井:何とか年内には出したいですね。今また曲作りをしていて、できれば夏頃にはシングルを出して、ライヴのDVDとかも出したいと思ってます。曲のストックがあるわけじゃないので、大変ですけど(笑)。今度作るアルバムは隙のない、『GOOD-BYE UNDERWORLD』よりももっと濃厚なものにしたいですね。抽象的な言い方になりますけど、もっとドカッと来る感じって言うか。

──ブッとい感じ?

柳井:そう、芯のブッとい感じ! やっぱり、「汚れつちまつた悲しみに……」が出来たのが凄くデカくて、あのスタイルでこれからもっと恰好いいことがやれんじゃん! と思ったんです、この3人で。だから次に作る作品は「汚れつちまつた悲しみに……」スタイルの、ドカッとした感じの曲で揃えるかもしれないですね。

──LINK史上、「汚れつちまつた悲しみに……」ほどのメーター振り切れ具合の曲はなかったですもんね。

柳井:うん、あそこまでのモノは。出来上がった時に自分達でも凄く恰好いいと思ったし(笑)。

──楽器もいろいろチョイスできたり、音作りに時間を掛けられる環境の中で、「汚れつちまつた悲しみに……」のようなストレートすぎる程の荒削りな曲が生まれてしまうのが面白いなと思ったんですが。

柳井:そうですね。基本的にこの3人でやれない曲は作りませんから。新しく録った「愛の花」にはキーボードが入ってますけど、それはライヴでやっても問題ないってところで入れてますし。

小森:そう、ライヴで曲の良さを再現できないものは作らないようにしてますからね。

柳井:3人しかいないのに、ギターが3本も4本も入るのってヘンじゃないですか? 3人で充分なんです。「汚れつちまつた悲しみに……」の、3人だけでやれてる感じ…やっぱりそういう方向に行くと思いますね。このマキシ・シングル、特に「汚れつちまつた悲しみに……」を作ったことで、バンドがここに来て一回りして原点に返った感覚はありますね。これからもっともっと面白いことをやっていけると思ってます。

──今年、バンドとしてチャレンジしたいことは?

柳井:野外のライヴは是非やってみたいですね。〈RISING SUN ROCK FESTIVAL〉を観に行った時に凄く面白くて、いつかバンドとして出てみたいなと思ったし。

小森:僕は、さっき柳井が言ったみたいな、芯の太い曲をどんどん作っていきたいですね。ドラムが始まった瞬間に来た来た来たー! みたいな曲を。

──新たな試みとして、山上さんがヴォーカルを取る曲も今後あってもいいんじゃないですか?(笑)

柳井:ノリ(山上)が唄ってるデモ・テープの曲が実は1曲だけあるんですけどね、'97年くらいに録ったのが。それ以来ないですね。

山上:じゃあ…練習して唄ってみますか(笑)。

──LOFT RECORDS/TIGER HOLE CHOICEを巣立っていったバンドとしても、とにかくLINKにはメジャー・フィールドでもっともっと派手に暴れてくれないと!

柳井:そうですね。そんな姿をISHIKAWAさんを始めTIGER HOLEの皆さんにも見せたいですし。

山上:今年は世の中をLINK一色に染めたいですね。これまでLINKを応援し続けてくれた人には「これからもヨロシク!」、このインタビューを読んで初めてLINKを知った人には是非チェックしてもらいたいです。

──最後に、皆さんにとっての“素晴らしい世界”とは?

柳井:自分が自由に生きられる世界、ですね。みんなが自由なら自分も自由だと思うし、持ちつ持たれつかな、と。

小森:肩にヘンな力を入れずに人と話し合えたり、嘘や照れのないオープンな関係が築けたら楽しい世界になるんじゃないですかね、漠然としてますけど。

山上:僕は、仕事でも私生活でも、自分の感じたことや信じるものをお互いストレートに出せる世界ですね。衝突はあるだろうけど、きっと風通しはいいと思うんですよ。LINKも今まで以上に自分達の信念を貫いてやっていけたらと思ってます。

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