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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】BUNGEE JUMP FESTIVAL(2005年1月号)- 明るい話題が欲しければウチのライブに来い!

【復刻インタビュー】BUNGEE JUMP FESTIVAL(2005年1月号)- 明るい話題が欲しければウチのライブに来い!

2005.01.01

BUNGEE JUMP FESTIVAL2年ぶりのニューアルバム『CRUITHNE』。荒々しいサウンドにストレートなメッセージは直球で聴く者の心を刺激する。2年という期間は長い時間ではあったけれど、待った甲斐があったと素直に思わせてくれる作品。今回は、このアルバムリリース後初の3人インタビューってことで、他では聞けないお話をいっぱい聞いてきました。(interview:やまだともこ)

音楽、楽しいなって思いたいから。

──12/2にニューアルバム『CRUITHNE』をリリースされたんですけど、まず『CRUITHNE』ってどんな意味?
 
町田直隆(G/cho) :CRUITHNEっていうのは地球軌道を回っている小惑星なんだけど、軌道が不規則でまだ不明なところが多い星なんですね。その星の存在が人の生き方と通 じるものがある気がして、このタイトルにしました。
 
──人の生き方というと…? ひさびさのアルバムってこともあるし、そういう不規則な感じが今のバンジーを表してるのかなっていう気はしたんだけど。
 
町田:バンジーの生き方もそうだな。落ち着く場所っていうのがなくて、常に動いていてさまよっている状態。今回入ってるアルバムの曲のテーマにもつながる気がしたし。
 
──ところでこのアルバムはいつぐらいから制作していたの?
 
町田:5月・6月ぐらいだったかな。そのスタジオがレーベルが持っているところだから、予約が入ってなければいつでも使っていいって言われてて、時間にも制限がなかったからのんびりやろうかって。ただ、そのスタジオが歌録りとミックス用だからすごく狭いんだよ。そこにドラムセットとかムリヤリ突っ込んでベースアンプはトイレに突っ込んで…。
 
──えーーーーー!! そこからできた音なんだ…。
 
町田:でも、そういう狭いスタジオでもとれるんだってことが実践できたからすごいよかったかな。今まではけっこう広くて設備が整っているところでやってたから…。あんまり広いところでやると音も広がっちゃうからね。
 
──じゃあ今回はバンジーの音を直接伝えることができるスタジオでできたってことだね。
 
田辺純平(Dr/cho):そうだね。スタジオも狭かったから跳ね返りの音も入て、飽和した感じでドラムがいい音になったし。
 
町田:飽和したサウンドのほうがバンドの雰囲気にあうんだよね。
 
──ファーストぐらい綺麗にさせすぎてなくて荒々しい感じがして、すごくいいアルバムになったなと思ったんだけど、他に何か変化があったりしたの?
 
町田:環境的なものもあるけど、精神的なものもでかいかな。原点に立ち返ったような気持ちがあったからこそできた音。入ってる曲は全然ファーストに近くないんだけど、雰囲気的なものがね。勢いとか近くなったんじゃないかな。
 
──確かに今回いいアルバムだよね!
 
田辺:“今回も”って言ってよ!(笑)
 
町田:今回はいい! これ太字ね!(笑)でもさ、よくあんなにだらだらしてたのにいいもの作れたと思うよ(笑)。
 
──せっぱつまってやるよりよかったんじゃない?ということは、トータル的な手応えもだいぶいいと…。かなり満足?
 
町田:だいぶいいね。やり残しがないCDにしようと思って。悔いは残したくない。悔いって絶対残るものではあるんだけど悪い方向に残したくない。悔い残してもバンドにとってプラスにならないから。
 
田辺:それに関しては今回一番自分で自分を詰めたかもな。
 
町田:しわ寄せがくるのは俺達だし、集中するときはしなきゃならなかった。楽しんで結果的にいいものを作ったと思いたいし、音楽楽しいなって思いたいから。今回はすごくそれができた。
 

2年かかったけど充分に満足がいく作品になった

──もともと12/2に出す予定ではあったの?
 
田辺:年内にっていう予定があって。
 
掘越武志 (B/cho):9月ワンマンもあるし、僕がNY行きたかったしそれまでに上げたかったんだ。それはせっぱつまってたんだけど、全然苦しい感じはしなかった。
 
田辺:アセリはあったけど嫌なものじゃなかったよね。
 
町田:でも、実際年内に出せて良かったなって思いますね。遅れちゃったってなったらだれるんだよ、絶対に。気持ちだれると絶対だれたアルバムになるっていうのが無意識にみんなの中であったし。あとは、前作から約2年ってことで。
 
──でも、2年ってお客さんとしては長いよ。
 
町田:うーん。日本は業界の流れが速いんだよね。1年は感覚的に約3年ぐらいじゃない。だから待つ側としては長かったんじゃないかな。それは本当に申し訳ありません(苦笑)。だけど、今って1年に3枚シングル出して1枚アルバム出すってのが当たり前になっていて、それができるのは本当に才能がある人とかビジネスが出来る人かだと思うんだ。俺等がホントに集中していいもの作りたいってのがあったら1年にそんなにいっぱい作れないと思うんだよね。
 
田辺:マシンガンの乱射ばっかりしててもよくないから。
 
町田:今回は2年あったからこれだけのモノが作れたけど、これが1年だったら今の『CRUITHNE』の良さが半減だったかもしれない。だからと言って次のアルバムが2年後になるってわけじゃないけど、それは俺達の調子が良ければ1年後には出すし。でも満足できそうになかったらもっとかかるだろうし、そういういかに充実したものを作るかのほうのがすごく重要だな。2年かかったけど充分に満足がいく作品になったと思うし。
 
田辺:一発のモノで撃ち抜かないと。
 
町田:だから今回手応えはすごくありますね。これでお客さんが「今回のアルバム最悪ですわ」ってなったらどうしようかと思ったけど。反応もいいからよかったなと。
 
──そういえば今回も鍵盤が入った曲があったりしたけど。
 
町田:今回はスクーデリアエレクトロの吉沢さんがすごく貢献してくれてて、サウンド的なものでもすごく完成度が高いかもしれない。もともとキーボードの音が好きなんで、この曲鍵盤あったらいいなて思ってて、それを見事に再現してくれた。
 
田辺:あと協力者も良かったよね。
 
町田:『沈黙』はOCEANLANEのKay君に弾いてもらって、最初はピアノを入れるのがいいかなって思ったけど、ピアノの曲ってけっこうあるからギターを弾いてもらった方がいいんじゃないかなって。Kay君はすごくいいギタリストだってのは知ってて、声かけたら気持ちよく引き受けて…。曲の雰囲気も彼のギターがすごくあってたし、すごく気に入ってますね。
 
掘越:Kay君のギターはバンジーにはないやさしさがあって、イギリスの血も入ってるからUK的なものを感じて、曲がすごく映えたんですよ。重い曲なんだけどKay君のギターで広がりもあったしね。
 
町田:イメージの中で、パーっと大地が広がるような感じにしたかったのね。でも、どうしても俺がそのギターを弾けない。そういうギタリストじゃないのよ。そしたら彼がイメージ以上のことやってくれて、すばらしかったですね。
 
──それでこの曲をしめの曲に持ってきて…。ということは、他の曲順も練って練って作り上げたものなんですか?
 
町田:ずーっと曲順が決まらなかったんだよ。今までのCDはライブを意識して作ってたんだけど、今回は1曲目に静かな曲でもおもしろいんじゃないかなって案はあった。新しいバンジーのオープニングナンバーとしてはすごく良かったんじゃないかなと思う。流れとしても途中で「少年少女」みたいな曲が入るよりは頭にあったほうがいいし、最後に「沈黙」聞いてからまた頭に戻れるし。
 
──いつまでもループして聞けるってこと?
 
町田:ループしても苦じゃないよ。普通は視聴機効果 とか考えるだけど、今回はそこは考えず、あくまでも流れ的なものを考えました。
 
──「少年少女」みたいな静かめの曲が最初に来たら次はなんだろうって思うかもしれないよね。
 
町田:うん、それで2曲目から本領発揮。面白みがあるでしょ?
 
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