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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】怒髪天(2004年12月号)- 『握拳と寒椿』──耐えて咲かせる華もある

『握拳と寒椿』──耐えて咲かせる華もある

2004.12.01

とにかく一度聴いてみてくれ!

01_saka.jpg──気の早い話ですけど、『リズム&ビートニク』『握拳と寒椿』に続く三部作完結篇はどんなものになりそうですか?

増子:この間のリハで多少まとまってきたんだけど…より男っぽいものになると思うよ。

上原子:サウンド的にはもっとシンプルになると思う。アレンジでの肉付けを控えるとかそういうことではなくて、いろんな面 でよりシンプルに行きたいっていうか。

清水:行き着くところはシンプルな“イイ歌”だよね。“イイ歌”っていうのは、歌詞とメロディが過不足なく成立していれば、極端な話、後ろの演奏は別 に要らないと思うし。

増子:そう。ヒューマン・ビート・ボックス(道具を一切使わず、自らの口、体だけであらゆる音を奏でるヒップホップのスキル)でもイイってくらい。ねェ坂さん?。

坂詰:(そしてやっぱり料理と酒に夢中)……うん、そうそう!。

増子:話、全ッ然聞いてないからね(笑)。例えばハイロウズとかさ、新しい曲がCMから流れてくるじゃない? 凄くイイと思うもん、単純にメロディと歌詞が。ホント凄いと思うよ。だから昔で言ったら憂歌団とかに近いよね。どんな曲をやっても結局その人達の音楽になってしまうというね。

──あえて言うなら、ブルースに近いですよね。

増子:そうだね。まぁ、今度の『握拳と寒椿』ではギラギラ感っていうのを今までのベクトルとは違う形で出せたとは思うけど…。(菅原)文太はね、『トラック野郎』シリーズを始めた時に42歳だったんだよ。今の俺より4つも上。あの歳であのギラギラ感だからね。まぁ、坂さんは違う意味でギラギラしてるけど(笑)。

──レコ発ワンマン・ツアーの『男気運転〈ダンキウンテン〉ツアー ~4人はアイドリング~』も非常に楽しみですね。

増子:新作の曲は全部やるつもりでいるけど、選曲はこれからだね。ワンマンでしかできないことってやっぱりあるから、それを存分にやれたらイイね。12月にまたレコーディングをやろうと思ってるから、新春のリキッド・ワンマンはまた違うものを見せるよ。

──懐かしいナンバーも聴けますかね? 友康さんの唄う「風の中のメモリー」も久々に聴いてみたいですが。

増子:“風メモ”ね! あれはイイ曲だからねェ。俺はあの曲で作詞というものに開眼した部分もあるんだよ。自分が唄うんじゃないってところで放たれて作った初めての曲だからね。

──今後、増子さん以外のメンバーがリード・ヴォーカルを取る曲をアルバムに収録する構想はありますか?

増子:あるよ。坂さんが唄うのは『ゴスロリ音頭』とか(笑)。意味判んないけど(笑)。

上原子:あと、4人でアカペラをやってみるのもイイよね。EXILEに対抗して(笑)。誰がベース、ギターとかは関係なく、単純に4人がやってみたいことをやっていきたいよね。まだまだ、自分達のやりたいことの1割もやれてないと思ってるから。

清水:そう、そういうスタイル的なことからは自由でいたいね。

増子:終いにゃ全員楽器を持たないで、“今一番やりたいのはコントだけだ!”とか言って(笑)。そこから突然、前衛バレエ集団になってみたりね(笑)。少なくとも他のバンドよりも俺達はそういう可能性があるから(笑)。

坂詰:(ようやく箸を止めて)まぁ、とにかく……『もっと自由に!』by THE NEWS、みたいな!。

全員:(爆笑)。

増子:たまに口を開けばこれだからね(笑)。坂さん、他に何か言うことないの?。

坂詰:アルバムはみんなドシドシ買って聴いて下さい! そして怒髪天を知らない人に広めて下さい! ツアーではまた一皮剥けた私達を楽しみにしていて下さい! お客さんに言いたいのはですね…×××を鍛えてきてほしいですね!。

──はい?(笑)

坂詰:何故かと言うと、カウントして曲が始まると垂れ流しになっちゃうから…それを防ぐためために…キュッとね!。

増子:本ッ気で意味不明だね(笑)。

坂詰:それくらい感動しますよ! ってことですよ!。

増子:まぁ、この『握拳と寒椿』から怒髪天を聴き始める人達のほうが多いのかもしれないけど、“こんなバンドだよ!”って一発で判る名刺代わりとしては申し分のないアルバムになってるから、絶対に聴いてほしい! ライヴもそう。ワンマンはワンマンでしかできない曲もあるし、俺達の一番イイライヴはやっぱりワンマンだからね。これも絶対に来てほしい! 公式サイトのBBSやライヴのアンケートとかを見るとさ、“今まで怒髪天を知らなかったことを凄く後悔してます”っていう意見がホント凄く多いから。だから老婆心ながら忠告しとく! 1回聴いてみてくれ! それで合わないんだったらしょうがないよ。でもとにかく一度でイイから聴いてみてほしい! 俺達が言いたいのはそれだけだよ。

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