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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】 SION×JOE(G.D. FLICKERS)(2004年5月号)- あの頃よかったなーって気持ちはさらさらない

あの頃よかったなーって気持ちはさらさらない

2004.05.01

 テイチク時代のアルバム全11枚が復刻されることになったSION、そしてNEW ALBUMを5/26にTV-FREAKからリリースすることが決定したG.D. FLICKERS。Vo. JOEさんとSIONさんは古くからの知り合いであり、最近はよく酒を酌み交わす仲との話を聞き付け、大先輩お2人に対談形式でインタビューを敢行! 鉄の40代、KEEP ON ROCKIN' の真髄に今迫る!(interview:梶川功一)

新宿の片隅から…

──まずお2人の出会いは…。
 
JOE:一番最初は新宿ですよね。18、19年前? SIONにいさんが西新宿にあったアクセサリーSHOPで働いてて。あそこはもうなくなっちゃいましたよね?
 
SION:とっくにない。最初はそこ、アクセサリー屋だったんだけど潰れて、その後ちょっと…いや、かなりとんだおじさんとパンクSHOPやってた(笑)。
 
JOE:そこを前のLOFT(西新宿LOFT)に行く時よく通 ってて、当時パンク小僧だったので、そこに万引きしたいものが一杯あったんですよ(笑)。それでちょくちょく顔を出したりして…。
 
SION:で、万引きしていたと(笑)。まぁその当時は別 に飲みに行くような仲でもなく、顔を合わせれば『よう!』っていうぐらいで。
 
JOE:それでSIONにいさんがインディーズで出して、ラジオとかから凄い流れててもう凄い話題になっていて、LOFTのライヴを観に行って、『あそこの兄ちゃんがえらいことになっとる』って。今度再発された1st(『SION』)にルースターズの人とか、藤沼伸一先輩がちょっとかんでたりしたんで、俺は何と言ってもアナーキーの付き人でしたから、ある意味(笑)。それでよく連れられて(SIONさんの)打ち上げとかに混じってた。
 
SION:でもこうやって何やかんや話すようになったんは最近やもんね。俺がここ(JOEがやってる店)に来るようになってからかな。
 

SIONオリジナル・アルバム全11枚復刻!!

──今回、SIONさんの旧譜が全11枚復刻されましたね。
 
JOE:俺、昔のはレコードで持ってた。最初のメジャーの1stとかインパクトが凄いあって、当時ミュージシャンの人はみんないいって言ってたよ。ハードコアやっている連中、ハードロックやっている連中、ロックンロールやってる連中もみんな影響されてたかな。最初の4、5枚は持ってたんですが、その後自分も唄うようになって、聴いちゃうと真似してしまいそうで、歌詞とかパクってしまいそうで(笑)。だから買わないようにしてて…でも3年くらい前にSIONにいさんに『何でお前は俺の新しいの聴かんのや。買え!』って言われて(笑)。
 
SION:俺はひとのは聴いてないくせに(笑)。
 
JOE:それで最近新しいのを買い集め、聴いています。
 
──新しいSIONさんのアルバムと昔のアルバム、聴き比べてみてどうですか?
 
JOE:いろんなスタイルでやっているけど、基本的には奥のところは変わらないな、と。
 
──SIONさん自身は旧譜が復刻されることについてどうお思いですか?
 
SION:やっぱり、嬉しいよ。買いたくても売ってなくて買えなかった人もいたみたいだし。俺、自分でも買ったしね。頼んで買ってきてもらったんだけど(笑)。サンプルもらったけど、何か嬉しいし買いたいじゃない(笑)。
 
JOE:あの1stのジャケで着ているジョンソンズの肩のあたりが白くなっているやつ。あれがかっこよくてねー。当時めちゃくちゃ高くて、しかも日本ではほとんど売ってなくて。羨ましかった。あのジャケもそうだけど、とにかくSIONにいさんはスタイルが飛び抜けていた。髪の毛とか着ている服とか凄いかっこよかった。さすが、あのアクセサリー屋のおにいちゃんだって(笑)。
 
SION:20年も経つとだいぶ変わるもんやね(笑)。
 

とにかくSIONさんはぶっとんでいた

JOE:昔、SIONにいさんがLOFTでライヴを始めたころ、打ち上げに混じってて、『俺は先にメジャーに行くから。俺は好きな時にジャンプするし、好きな時に叫ぶから。きっとお前もそういう風にやるんやろ』って俺がどういう音楽やってるとか、どういうBANDやってるかなんてもちろん知らないんだけど、『お前はいずれ来る奴だから』って昔のLOFTのカウンターで言われて。それで、嬉しくて頑張ろう! ってなりました。
 
SION:嘘つけ! そんなこと言うとらん。言う訳ない。俺そのころちゃんと日本語喋れとらんもん(笑)。『コンニチハ、ハジメマシテ』って(笑)。
 
JOE:(笑)。何でフィリピン訛りなんですか。SIONにいさんとの想い出といえば、当時ストールみたいな布をSIONにいさんも俺も巻いてて、SIONにいさんのを『これいいね!』って言ったら『やるよ! でもこれ大事なやつだからこれで半分ずつな』って半分に裂いてくれたんですよ。でもその時俺もまだつっぱっていたから『じゃあ、俺のもあげる』って別にいらんのやろうけどあげた(笑)。
 
SION:あっ、何となくそれ覚えてるなぁ。
 
JOE:それから当時ピアスなんて開けている人があんまりいない時代にSIONにいさんは一杯してて、16個ぐらい。もう凄い耳なの。一杯いろいろ下がっていて。それで、ドクロのピアスを『これ、かっこいいね』って言ったらまた『やるよ!』って、でも当時俺の耳は片方ひとつずつしかピアス付けてなくて、『やってもいいけど、お前入れる穴がないやん』って言われて。その瞬間、藤沼伸一先輩に押さえつけられた(笑)。
 
SION:(笑)。
 
──嫌な予感がしますね(笑)。
 
JOE:それで、ウォッカか何かをビシュッて耳にかけられて、そのままSIONにいさんの服に差してあった安全ピンでブチッと2個めの穴を開けられて…『これで入れられるやろ?』ってもの凄く痛かったんやけど(笑)。
 
SION:ひどいなぁ、伸一は(笑)。
 
JOE:…とにかくSIONにいさんはぶっとんでたね。何するんやこの人! っていう。
 
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