公開&ソフト化記念梶原三兄弟激動昭和史『すてごろ』男の星座を受け止めろ!
──今日はイベントでビデオを上映するために、ぜひとも真樹先生のコメントをいただきたいんですけど。
真樹:おい、イベントってなんだよ、豪ちゃん!
──いや、7月9日に映画『梶原三兄弟激動昭和史 すてごろ』の公開記念イベントをやるので、ぜひとも梶原一騎先生の実弟である真樹日佐夫先生のコメント上映をさせていただきたいと思いまして。それで梶原先生の誕生日でもある9月4日には、真樹先生をゲストに迎えてイベントの第2弾をぜひやりたいんですよ。
真樹:そのときも豪ちゃんがやるのか?
──ええ、よろしくお願いします!
真樹:吉田豪、豪、豪、豪、もういい加減にしろ!
──ダハハハ! どうもすいません(笑)。
真樹:吉田豪みたいな可愛い男に会ったのは10年振りなんだよ(笑)。イベントは絶対出るようにするからな。
──ありがとうございます! じゃあ、まずは映画や梶原先生について何かコメントいただきたいんですが。
真樹:梶原一騎か……。神様が許してくれたらな、俺はあと100時間ぐらい兄ちゃんと酒を飲みたいよ。
──いま梶原先生が生き返ったらですか?
真樹:でも、100時間ぐらいじゃまだ足りないな。だって、前はずっと兄ちゃんと飲んでたんだから。
──今日も朝からずっと飲んでますからね(笑)。
真樹:とにかく、兄ちゃんの思い出は筆舌に尽くしがたいよ。好きだったとか、そういうような軽々しい言葉じゃ言えないから。まあ、俺の肉体の一部だよな。
──イベントは新宿のロフトプラスワンという店でやるんですけど、新宿といえば梶原先生がぼったくりバーで暴れた後にママを逆さ吊りにして、真樹先生が股間にお酒を注いだ事件でも一部で有名ですよね(笑)。
真樹:『砂金』って店でな(笑)。新宿では昔、2000人ぐらい子分がいた親分と仲よかったんだけど、そんな男が撃たれて死んじゃって、俺はまだ生き恥を晒してる。でもね、生き恥晒してもいまの新宿を見ない方がよかったかもわかんない。いまの新宿は最悪だよ。
村上:(突然、話に割って入り)なんだよ、新宿の話してんの? 兄弟は新宿で飲まねえんだもん。「なんだ、新宿か……しょうがねえな、たまには飲むか」ってぐらいのもんで。ワシは35年、新宿で飲んでんじゃ!
──あ、村上和彦先生は昔から新宿派でしたか(笑)。
竜司:真樹先生は六本木で、もうオシャレなの。だけど村上ロイヤルファミリー(各界の大物たちも集まる、村上和彦先生率いるグループ)は新宿なんだから。
──村上竜司さんも新宿派なんですね。だけど真樹先生も昔は新宿派で、コマ劇場のアイススケート場でデートしたり、そこでチンピラと喧嘩すれば相手をシューズで蹴り飛ばして、倒れたら相手の手の上をスケートで走り抜けて指を切り落としていたんですよ(笑)。
真樹:そう。それは切ろうと思って切ったんだよ!
竜司:まだワシが生まれてないときだ(笑)。歳が2回り違うからね。ワシは20歳のとき東京に出てきたから。
──竜司さんは上京早々、新宿で痛い目に遭ったんですよね(笑)。ボコボコにされちゃったって話ですけど。
竜司:違う違う、いつもワシが新宿でボコボコにやってたんだよ(笑)。殴られたのは1回だけなんだから。
真樹:なあ、竜司! 新宿というのは要するに人間の原点であり、男のスタート地点だよ。そうだろ?
村上:それはええセリフやで、兄弟!
真樹:それで、男のあがりは銀座だ(笑)。
竜司:ワシの場合は、あがりが新宿!
村上:……こいつはもう兄貴、銀座は向かんで。竜司は新宿がお似合いや。銀座ならワシ方が向いとるわ!
竜司:2人とも顔が新宿の顔してるじゃない、ホントに! 真樹先生も新宿ッスよ、顔が。どう見ても。
村上:そんなこと言ってるけどこいつ、新宿のキャバクラ出入り禁止なのよ。一緒に行ってビックリした!
竜司:入らしてくれねえんだもん、キャバクラ。
──それって一体、何をやったせいなんですか(笑)。
竜司:「お願いします、勘弁してください」って言っても、入れてくれないんだよ。キツかったよ。それに村上先生と一緒にいると、同級生に思われちゃって。17歳ぐらい違うのになあ。それもキツかった(笑)。
──真樹先生と行くのは大体、六本木なんですか?
竜司:真樹先生とは六本木だな。
──一緒にSMクラブへ行ったりとか(笑)。
竜司:六本木の『シュガーヒル』にな(笑)。でも、あの店に最初に真樹先生を誘うたの、ワシだから。
真樹:そうなんだよ、六本木のSMクラブにな(笑)。
竜司:ワシがもともと電撃ネットワークのギュウゾウの紹介で行ったんだよね。それで面 白くて真樹先生誘ったら、真樹先生、しょっちゅう行きだして。でもワシ、そこのママに縛られちゃうから怖いんだよ(笑)。
──こないだ佐山サトルさんが暴れた店ですよね?
真樹:そうだよ。俺が居眠りしてる間になあ(笑)。
村上:おう、取材ならこれ書けよ! ワシと真樹は兄弟分や! 真樹はMやろ、村上はMやろ、M&Mや!
──それってイニシャルじゃなくて性癖ですか(笑)。
竜司:ワシはSだよ。イジメるの好きなの。でも真樹先生は……わかんねえんだよな(真樹先生から喉元に貫き手をガンガン入れられても、気にせず)。イジメられてる可能性があって、どっちかというとホントはMなんだよ(ここで真樹先生のカカト落としも炸裂!)。
──真樹先生は「M女じゃなくて女王様をイジメるのが好きだ」って公言されてますけど、違うんですか?
真樹:そこはシークレットな部分なんだよ(笑)。
村上:なんや、M&M連合って言うたのに!
真樹:でもな、SもMも表裏一体だよ(ニヤリ)。
──なるほど! そういうことですか!
竜司:人間はどっちとも持ってんだよな。
真樹:そういうことは、俺ぐらいになってみたらわかる! みんなは、まだわかんねえんだよ!
村上:ワシなんか、SもMもようわからんもん。
竜司:打たれ強いっちゅうのは、ホントはMなんだよ。空手でも蹴られ、殴られってやってればな……。
──空手ってホント、耐えるスポーツですもんね。
竜司:ワシもどっちかなって思うときあるもん。
村上:こいつ、嫁にイジメられてんだもん。
竜司:それ、怖いからやめてください(笑)。
──奥さん、最近も空手の大会で優勝してましたね。
竜司:そうそう、怖いんだよ。嫁はん、Sだもん。
──じゃあ、竜司さんもMじゃないですか(笑)。
竜司:(真樹先生の貫き手を喉元にバシバシ入れられながら)いて、いてっ! そうかもわかんない。
真樹:お前、Mだよ!
竜司:(首をかしげて)ん~~……、まあ、殴られて耐えられるっちゅうのは、Mっ気もあるんやろ。
──それが男の世界ってわけですからね。
竜司:男の世界、うん。
村上:ちゃんと書いとけよ!
竜司:人前で見せるのは好きじゃないだけで心の中ではMかもわかんない。自分をイジメるのが好きだから。
──耐えて、耐えて、自分を追い込むわけですからね。
竜司:でも、さすがに真樹先生には負けるけど。
──梶原先生にもそういう趣味はあったんですか?
真樹:兄ちゃんは変態だったなあ……。
──ダハハハ(拍手)! やっぱりそうでしたか(笑)。
真樹:なんだよ、豪ちゃん! その拍手は(笑)。まあ、兄ちゃんのことを変態っていうのもおかしいけどさ。
竜司:『カラテ地獄変』(中城健)とか、すごかったよ。
──ホント、完全にSMでしたもんね。
竜司:あれ見て興奮したもん、10代の頃。金網の上に水着の女を立たせて、火あぶりにしたりさあ……。
真樹:そういう発想がな、理屈ではわかるけど(笑)。
竜司:あれはすごいよ! 考えらんねえもん。
──ただ、真樹先生の作品もSM描写は他の追随を許さないし、それでいて異常に生々しいですよね(笑)。
真樹:あのね、黒帯は女を縛るためにあるんだよ!
──ダハハハ! そうだったんですか!
真樹:白い帯で女の体縛っても、全然面白くないの。やっぱり女の白い肌に黒い帯が絡まってないと。
竜司:そう! 帯っていうのは、胴衣を縛るためにあるんじゃないんだよ。それに、真樹先生の縛りは早えんだよ。アッと言う間に動けなくしちゃうんだから。
真樹:おいおい、これは取材じゃねえのかよ(苦笑)。
──あと、真樹先生の代表作『けものみち』(影丸譲也/秋田書店)に、主人公が相手のボス(男)をレイプして「男は一度とことんぶざまさを曝け出すと女より従順になっちまうもんでな。敵対組織のボスを攫って犯す手口が、アメリカあたりじゃ珍しくないのさ」ってつぶやく、壮絶なシーンがありましたよね。
真樹:向こうのギャングの世界じゃ当たり前だよ。相手のボスをさらって、こっちのボスがレイプするのは。
──真樹先生にも、そういう経験はありますか?
真樹:俺は少年院では何回もヤッたことあるけどな。
──あ、少年院でヤッてたんですか!
真樹:女がいりゃ女の方がいいに決まってるけど、女がいないから、泣く泣く、手つかずのお尻をさ(笑)。
竜司:そんなのワシだってヤられてるんだよ、真樹先生には。「(真樹ボイスで)りゅうじぃ~っ!」って。
真樹:なんで俺がこいつとヤるんだよ!
竜司:何ごとも経験だよ! 冗談だけどな(笑)。
──当たり前ですよ(笑)。洒落になんないです!
竜司:まあ、新宿2丁目は修行の場! ワシも若いときはしょっちゅう行ってたよ。それは村上先生もね。
村上:いや、ワシは歌舞伎町や。2丁目行ってもオモロないもん。ただ、ワシも男もいったけどな。「男なの?」「はい、男です」「ちゃんとヤれるか?」「ちゃんとします」言うから、「いい男だなあ」言うて(笑)。
──みんな、経験としてヤってるものなんですねえ。
村上:そりゃそうや! なんでも経験しないと。
竜司:ワシも5人ヤッたよ。全部ミスターレディとだよ。ホモと違うから。そうやないとムラムラこないよ。
掟ポルシェ それって、尺八だったんですか?
竜司:尺八。あいつら尺八はうまいから。だけどアナルは汚いよ(笑)。彼女のアナルは入れるけどな。
真樹:きれいなアナルなんかねえだろ!
竜司:男のは気持ち悪い。ミスターレディはいいよ。男のツボを知ってんだよ。女よりずっと知ってんの。
──なるほど、勉強になりました。まだまだケツが青くてケツの穴の小さなボクらも頑張ろうと思います!
真樹:梶原にしてもそういったことを色々経験してきた上で、ああいう素晴らしい作品を残したわけだからな。キミたちも失敗を恐れないで、やってみないと。
──わかりました! あと、さっき真樹先生は奥さんと娘さんが見ているのに、堂々と女性の胸を揉まれてたじゃないですか。「なぜそれができるんだろう?」って、そのオープンさにもホント感動したんですよ!
真樹:まあ、それが歴史ってもんだよな(ニヤリ)。
──ダハハハハハ! 9月4日も期待してます!