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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】WRECKingCReW(2003年6月号)- さまざまな"あい"が胸に突き刺さる11の哀歌たち

さまざまな“あい”が胸に突き刺さる11の哀歌たち

2003.06.01

あえて歌詞を載せなかった「ほうき星」

──で、今はツアー中だけど、手応えはどう?

大塚:うん、良いね。…最近、“ライヴでどういう風になるのが理想なのか”っていうことに悩んでて。でも、ツアー中に吹っ切れた感があって、今、ライヴ演ってて楽しいと思えることが多くなりましたね。

──前は、そう思うことって余りなかったの?

大塚:前は、気にする所が個々あるとして、僕はそれが違かったなって思って。やっぱり、ライヴのテーマは完全燃焼っていう所なんだなって思って、そこに戻れた感じがあるから、今はライヴを演ってて凄く、楽しいですね。

一美:私も同じような感じですね。何も考えないで演れるのが一番良いなって。ステージに上がるまでは、自分の中で向ける矛先のテーマを打ち出すんですけど、ステージの上に上がって演り始めたら何も考えなかったなっていうライヴをした時は、全部出せたっていうか。最近そう思うことが多くて、前よりは、意味的にも“ライヴ”っていうのが出来てきたかなーって。だから、もっともっとライヴを演りたいなって思いますね。

──うん。秋葉くんは加入して1年経ったけど、WRECKingCReWのライヴには慣れてきた感じ?

秋葉:そうですね。連続したライヴを演っている中で、体調管理やその日のライヴのモチベーションとか、そういう方向とかをやっと掴んだなっていう感じはありますね。

──じゃ、ツアーを廻っていることは、力になった?

大塚:うん、力になったね。

──そっかー。で、遂に1stフル・アルバム『月我消えるまで』が6月11日に発売されるよね。昨年リリースされた『滴』はミニ・アルバムだったけど、ミニ・アルバムっていうのとフル・アルバムっていうのは、気持ち的に違ったりする?

大塚:作る前はそんなに変わらないかなーって思ってたんですけど、作り始めてから、あー、違うんだなーって思って。録音に使う時間も違うし、出来上がったものを聴いても11曲じゃ全然、膨らみも違うんだなぁって思って。多分、ミニ・アルバムを2枚聴くよりも、フル・アルバムを1枚聴く方が大きく残るっていうか。

一美:聴き応えがあるよね。出す方としても、達成感が違う感じがしましたね。

──なるほどねぇ。9曲目の「ほうき星」って、歌詞を掲載してないでしょう? これは、どうして?

一美:マーが「書かないでいい」って言って。個人的な解釈は、詰め込んでる感情とかを形にしたくない、一言だけしか吐きたくないっていうか。想いが有り過ぎて、言いたくないよ、みたいな。そういう雰囲気を伝える手段として、歌詞を載せないっていう。

──ふーん。あの曲は歌うのが難しいんじゃないかなって思ったんだけど?

大塚:難しい。あれは難しいね。単純にキーが高いっていうのもあるし。それに、歌詞が生々しいんで。言葉がストレートだし。…問題あるね(笑)。

一美:事件性あるね(笑)。込めてる感情が剥き出し過ぎてるっていうか。他の歌詞は、そこにいる人物の見えそうで見えない感情だったり、実際に思ってる感情だったりするけど、「ほうき星」は言葉に出しちゃってるから、強過ぎて声にならないんですよね。

──そうなんだ。この時のギターって、大塚くんが弾いてるの?

大塚:最初は「俺が弾く」って言ってたんですよ。でも当日、一美が弾いてましたね。

一美:「えぇ~!」って(笑)。マーが弾くって言ってたから私、全然…。

大塚:酷いね、確かに。そこにいて「こうしてくれ、ああしてくれ」って言うのならまだしも、俺、牛丼買いに行ってたからね(笑)。

一美:あれ録るのに、ギターだけで2時間くらいかかったんですけど、その間ずっと牛丼買いに行ってるの(笑)。

大塚:俺、道に迷っちゃって…。近くに松屋があったんですけど、みんなは「吉野家が良い」って言うからちょっと離れた吉野屋に行こうって。でも、探せど探せどなくって、もーいいやって思って結局、松屋で買って。で、帰って来たらギターが終わってた(笑)。

一美:だから結局、マーの弾き語りじゃなかったっていう(笑)。最初、アルバムを作るって言った時に、「弾き語りを1曲入れる」って言ってたのに。

大塚:ずっと憧れがあって。やる気はあったんだけど、技術が追い付かなかった(笑)。

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