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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】fOUL×bloodthirsty butchers (2003年1月号) - いにしえの賛歌を今日的に洗い出す6人衆

いにしえの賛歌を今日的に洗い出す6人衆

2003.01.01

ジャケットに込められた遊び心

05_9.jpg吉村:ジャケがねぇ、最初は冗談で何かつなげようかって健ちゃんと話してたんだけど、面 白い話があってね。ファウルのジャケットにもビルが描かれてるけど、俺らのジャケットのジオラマにも最初はビルがあったんだよね。テーマが擦れ違ったんだよ。実は共通 点があったの。ね?

谷口:ビルっていうか、ホテルのビル。ブッチャーズのジャケットのあのジオラマは、ヨウちゃんが自分で作ったんだよね。

吉村:あれはデザイナーの三栖(一明)君と2人で3日間でバーッと作った。

大地:あのジャケットを見て2人はどう思ったの?

射守矢:完全に任せてた。その代わりにヨウちゃんの好きなようにやってもらった。「忙しい時に任せっきりで申し訳ないね」みたいなことを言うんだけど、「いや、いいんだ。その代わり好きなことをやらせてもらってるから」って。

吉村:三栖君もいろいろ作ってくれるんだけど、所々「そうじゃないよ」って2人でああだこうだやりながら。
──ジャケットが表と裏でつながっているし、吉村さん一流の遊び心が随所にあって、CDサイズにしておくには惜しいですよね。

射守矢 謎の秘密警察っていうのもいるから(笑)。

吉村:裏にはネズミと“bloodthirsty”って文字があって、秘密警察がいるんだよね。だけどこれ作ってるとヤんなるぜ、自分の体型とかさぁ。僕の人形の元々のモデルなんてカネゴンですからね。それを首チョンパして作ったの。小松はナントカレンジャーで、射守矢はメフェラス星人(笑)。他にもいろいろヘンなことやってんだよ。小松はなぜか手にムチを持ってるし、射守矢なんていいちこ(焼酎)に投げ縄だよ?

大地:小松は好きだもんね、そういうのね(笑)。

射守矢 俺は、焼酎のイメージはだいぶ出してると思うんだけどね。

吉村:「オリンピックに投げ縄っていう競技があったら、アメリカは強いだろうなぁ」って訳の判らないことを考えてたんだよ(笑)。それをたまたま思い出しててさ。

大地:凄いね、それ(笑)。物凄い妄想だよね。

吉村:いや、俺ねぇ、カーリングが競技になるっちゅうのは10年来思い続けてたからね。じゃあ次は投げ縄かなって。でも、新しい種目は俺、ポートボールだと思ってるんだけどね。だってカバティみたいなのが正式種目になってるんだぜ? 常識じゃないよね? ポートボールのほうが常識だよ。ねぇ?

大地:常識っていうのが凄いよ(笑)。

射守矢 投げ縄でもポートボールでもさ、初めてオリンピックの正式種目になるようなのは元々競技人口が少ないし、ナショナル・チームもないから、新聞広告とかに「ポートボール選手募集」って出るらしいんだよ。実際、スケルトンもそうだったんだって。

吉村:俺がもし20代で音楽がダメだったら、どうやって世の中に対して巻き返しをするかってところで、他人がやってないことは何かって考えてたわけ。…で、カーリングしかないと思ってた(笑)。

──とにかく、いろんなことがこのジャケットに込められているわけですね(笑)。ファウルのジャケットのほうは、健さん直筆の絵が使われてるそうですが。

谷口:はい、自分で描きました。最初は色がついていなかったんですが、余りに簡素だなと思って、後から水彩 で色を足しました。

吉村:ああ、じゃああれから変わったんだ?

谷口:うん。最初は鉛筆だけのデッサンだけだったんですよ。一番濃い6Bの鉛筆を使って。水彩 の顔料が元々入ってるパステルでそれをグワァーッと塗って、その後も水をしたためた筆で伸ばす感じで仕上げたんですけど。いろいろ後から描き足すよりは、一気に描き上げる感じにしたかったんですよね。

吉村:今、文房具屋に行くと本当に面白いよ。いろんな画材やら何やら面白いのがあって。俺も今回のジオラマを作る時に文房具屋を覗いて、紙粘土だけでも相当な種類があったからね。

“ZIGGYさん”の情報求む!

05ziggy.gif吉村:…あ、そうだ。文房具で思い出した。僕が今探しているキャラクターで、“ZIGGYさん”っていうのをみんな知らないかな? って。何かトリスのキャラクターに似ててさ…(と、実際に紙に描いてみる)鼻がこうあって…目がナートのツヨシみたいに細いの(笑)。で、足がちょこちょこっとある。[吉村氏直筆のイラスト参照]

大地:それは何に起用されてたの?

吉村:手さげ袋とかさ、そういうの。今結構欲しいんだよね。

大地:知らねぇなぁ…。

吉村:今でも“ZIGGYさん”のグッズを持ってる奴がいるんじゃないかと思って、インターネットでいろいろ検索してもいないんだよね。いっくら探しても絵が見つからないの。それと、本当は“ZIGGY”っていうんだけど、なぜかみんな“さん付け”で呼ぶんだよ。菊池(茂夫/カメラマン)に訊いた時も「“ZIGGYさん”だよね? 知ってるよ!」って言うわけよ。俺が高校の頃にも見た記憶があるんだよ。“ZIGGYさん”は大事だよ、やっぱり!

──地域限定のキャラじゃないですかね?

吉村:ああ、南と北じゃ違うからね。うーん。

──じゃあ、『ROOF TOP』で“ZIGGYさん”の情報を募りましょう。

吉村:うん。“ZIGGYさん”求む! “ZIGGYさん”の行方を知っている方、連絡ください。

──では最後に、月並みですが今年の抱負を伺って締めたいと思います。

平松 普通に…マイペースで頑張ります。

射守矢 じゃあ俺も普通に…(笑)。普通ですよ、普通が一番。新作のリリースもあるけど、今年はそれだけじゃないんで。頑張ります。

谷口:3月1日にシェルターで久しぶりにワンマンを執り行います。『アシスタント』の曲も全開で披露すると思われますので、是非ご来場頂きたいと思っております。

大地:1月22日にファウルのニュー・アルバム『アシスタント』が発売されます。渾身の一作となっておりますので、是非家族全員で聴いてほしいですね。で、僕は温かい家庭を作ります、2003年は。…今のは倒置法です(笑)。

吉村:オメデトウ! もう留守番電話じゃないんだね(笑)。2003年、僕は“ZIGGYさん”を求めて旅に出ます!

小松:さっきの話にも出てきたんですけど、「ソレデモススメ 傘もささずで」という感じでこれからも突き進んでいくんで、僕らと一緒に進んでいって下さい。

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