M-5 BIRDIE
──かわいらしい曲、BIRDIE! 小鳥ちゃん。初のインストナムバー!
KOOSUKE:アルバム出すときに入れたいねって元ネタは前からあって。それを形にしてみて。メンバーはかなり気に入ってますよ。
YOSHIKI:これは楽しかった。非常に良かった!
KOOSUKE:なんだ、歌いらねぇじゃん! って(笑)。
──あ! 私も実は一番好きだったかも(笑)。
KOOSUKE:……。この曲はね、パーカッションとかに助けられた曲。
TSUJI:最初のイメージとは全然違う曲になりました。もっと、サンバっぽい曲のイメージだったんだけど、全員で考えて作ったらこうなった。全員のいい感じが上手く混じり合っているね。
──サンバなのかボッサなのか、それともちがうラテンノリなのか? っていうクエスチョンがあって。あの辺のゆるい海は音から浮かんでくるけど、どうも特定できないなぁ…って。でも最終的にはそれもstep by step らしくて良かったんだけど。
KOOSUKE:これは演奏していてすごく気持ちよい。いい方向に転がったし、最初確かにサンバがやりたかったんだけど、もっとスケールが広がった感じがする。
YOSHIKI:まんまをやってもつまらないしね。
──ゆるーいんだけど、色んな展開がつまっていたりする変態な曲だよね。
KOOSUKE:この曲に限らないんだけど、細かい部分をちまちまやっているね。聴こえないかもしれないんだけど、じっくり聴いて欲しいな。
──でも、こんな普通に気持ちいい曲をstep by stepでライブでやられたら、ちょっと笑っちゃう(笑)。
KOOSUKE:笑うんかいッ!! でもそれでいいかも。固定概念を裏切ろうとして作った曲だから。なんにしてもそうなんだけど、裏切るにしても裏切らないにしても、とにかく中途半端だけは嫌で。思いっきりやりたいから。
──そっか。それも気持ちいいね。うーん、3曲目の烏合の衆と5曲目の小鳥ちゃん並べてみなさいよ! 笑うしかないじゃない。
KOOSUKE:オムニバスか?! って(笑)。オムニバスでもあり得ない振り幅だよね。
YU:俺は結構アリだと思うけど。絶対元々持っていたものだし。全然逸れた感はないよ。
KOOSUKE:まぁ、うちの売りでもあるホーンを全面に出してみたかったのもあるし。そういう意味では自然だったかな。
──タイトルが2つの意味を持っているんだよね。
KOOSUKE:小鳥っていう意味もあるんだけど、ゴルフで言うバーディー。一打足りない、ヴォーカルが足りないという意味。
──そっか、深いねぇ。そして、小鳥の鳴き声が随所に(笑)。
KOOSUKE:小鳥役はYU君が。バードコールで。
YOSHIKI:全裸での録音ですよ(笑)。
──はぁ?!
YU:自然に帰るという意味合いも込めて。雰囲気作りですね。
TSUJI:実際、鳥になりきって羽ばたいていたよね(笑)。
KOOSUKE:サラウンドでやったので、あちこちに動いている様を表現したんだけど。
YU:そう、小鳥は1羽いるから。それを見つけて、捕まえて! BIRDIEは俺だから。
──私のオーディオ環境なのかもしれないけど、今回はホーンの音が結構フューチャーされた音の作りなのかなって思った。この曲で気がついたな。
KOOSUKE:トータル的にTDのときにドラムとホーンとヴォーカルは前に出しましたね。
WADA:前作から聴き比べると、ドラムの音は全然違っていますよ。
KOOSUKE:全部の音を綺麗なバランスで聞こえるようにすると、平坦な感じになっちゃうしつまらないでしょ。各セクションのバランスの悪さが逆に良かったりして。抑揚感が大事だったので。
M-6~7 INTER LUDE~TOKYO MONOLITHIC
KOOSUKE:このイントロはライブでちょこちょこやっていて、それが発展したね。
WADA:TOKYO~:ガッツリ変わったね。
YU:イントロはかなり詰め込んで上がるイントロになりました。カッコいい! カッコいい!
KOOSUKE:思った通りに出来たかな。ゆるいイントロが欲しくて。
──その、ゆるいのから重いのへギアチェンジがたまらないよ。
TSUJI:それも無理矢理じゃなくて、自然でしょ。
KOOSUKE:まぁ、アナログで言ったら、B面の1曲目なんで。
YU:そんな感じ。
──そっかそっか、アナログ出したいのね(笑)。意外といろいろ考えている人達なんですね、知らなかったわ。
KOOSUKE:失礼な! ちゃんと考えてますよ!
YU:全部に意味があるからね! そしてこれも再録。
KOOSUKE:INTERELUDE終わったときに、TOKYO MONOLITHICは打ち込みでやっちゃおうか! くらいの腹づもりだったんだけど。その意図していることがバンド形態で完成したから、良かったよ。
YU:和田にどうしてもドラムをやらせて下さい! って土下座されたからねぇ(笑)。
──リズムマスターも頑張った曲だということだ!
KOOSUKE:TOKYO~に関してはアレンジも良くなったし、良かった。
──どうして、そうやって同じ曲をアレンジし直そうと思ったりするの? だって、ある曲をアレンジし直すのも、ある意味1曲作るくらい大変でしょ。それだけstep by stepの場合は、その前と後では曲自体が変わっちゃっているじゃない。
YU:全く同じのを収録するのなんて面白くないじゃん。
KOOSUKE:うちらは同じ曲をずっとやらない方で。持ち曲でもどんどん変えちゃう。その一面を垣間見せることで。だから、今後この曲だって変わっていくと思いますよ。
──まぁ、そういったアレンジされた曲を聴き比べて、ここが変わった~とか気がついて欲しいね。
KOOSUKE:出来ればね。単純にやっていて楽しいよ。色んな可能性があったりして。
TSUJI:アレンジするという意味よりは、新しい曲を作るという意識でやる部分が多いかもしれなくて。だから、ここまで変化してしまうんだけど。
WADA:好きな曲だから違う観点からみて、新しいものが作りたくなることもあるかも。だからどっちも好きだしね。
KOOSUKE:まぁ、現時点ではこのアレンジが一番気持ちがいいということだ。