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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】step by step(2002年9月号)- 覚醒したstep by step

覚醒したstep by step

2002.09.01

 やっとやっと! ようやっと!! 待ちに待ったstep by stepの1st.albumがお目見えするぞ! その期待を裏切らない、ある意味気持ちいいくらいにあっさり裏切ってくれちゃったやり過ぎッな全10曲、"BIG SKANK"。覚悟して聴きなさい! そして彼らの中毒になっておしまいッ!! (INTEREVIEW CHIE ARAKI)

10曲なら10通りのSKAを

──9月19日にstep by step記念すべき1st.アルバムが出ますが。気がつくと、結成から4年去年の今頃に出したマキシのときに、続けてアルバムが出したい! って話していたのを覚えていますが。
 
KOOSUKE(VO&G):そうね。構想的にはもう少し早い段階でアルバムをリリースしたかったんだけど、曲作りも終わって、段取りも問題なかったんだけど、降りて来ちゃったんですよ。降りてきたメロディーがあって。そこからまた始まってしまった。
 
──そうか(笑)。曲に関して、意外と決め込んでそれ通りに再現と言うよりは、その場の発想だったりを大事にしているのかな。 
 
KOOSUKE:それはもちろん! 作り込むと、ノリが出てこなかったり、降りてきたものが発揮される余地が無くなっちゃうでしょ。
 
TSUJI(Tb.):だからスタジオまでに作り込んでいくんだけど、その場でもう一度崩してみるとか。
 
KOOSUKE:今回の10曲、最初は11曲だったんだけど。1曲1曲それぞれが違うSKAを表現したくて。その辺はこだわった所かもしれない。
 
──違うSKAっていうのは?
 
TSUJI:オーセンティックっぽいものもあれば、NEO SKAっぽいものがあったり、2-TONEっぽいものとか。幅広くやっていきたいんですよ。 
 
KOOSUKE:アルバムだったから色々やりたいことが出て来ちゃったね。
 
──SKAにこだわった理由は?
 
KOOSUKE:それはバンドの一番の部分であるからで、SKAがないとダメ。だから、step by stepにとってはSKAがモチーフの一つという訳じゃないんですよ。
 
TSUJI:10曲だったら10通りのSKAをやろうとして、アルバムを作ったんだけど、寄せ集め感はないと思うんですよ。うちらなりの解釈が全ての曲には含まれているから。バラエティーには富んでいるんだけど、的は絞ったつもり。いいものが出来たと思いますよ(ニヤリ)。
 
──しかもこれほどstep by stepがSKAが好きだったんだなぁって、改めて思ったりもして。
 
KOOSUKE:そういってもらえれば。
 
YOSHIKI(VO&B):曲のアイディアにしてもアレンジにしても、とにかくやりたいことが出来たと思うよ。
 
KOOSUKE:なんにしてもそうなんですけど、無理矢理はイヤなんで。これまでの作品もそうだけど、今回はとにかく納得出来たね。
 
──そうか。とにかくこの作品はstep by stepの間口の広さが遺憾なく発揮されているなぁって思いますよ。これまでは、割とハードな曲だとかテンポチェンジの激しい曲が粒ぞろいに並んでいたように思うんですよ。だけど、TOKYO MONOLITHIC辺りからそれだけじゃないんだなぁっていうのが私の感覚なんですが。
 
TSUJI:うちら的には自然な流れで。
 
YU(SAX):みんなの目指す所が一緒になってきたかも。気持ちいい瞬間っていうのが一緒になってきたから、いろんな事が出来るようになったし。TOKYO~の時も思ったんだけど、みんなの気持ちがいい方向に一つになっているんだよね。
 
──それは、バンドとしてワンステップ前に進んだ感があるの?
 
YU:まぁねぇ、長く一緒にいるからねぇ…
 
KOOSUKE:バンドとしていい感じだから、いいものが出来たね。
 
──それでは、1曲1曲振り返ってみましょう!
 

M-1 OLD SKANKIN

──これは結構昔からやっている曲ですよね。
 
YU:録りなおしました!
 
KOOSUKE:これはメッセージ性が強い曲で、割とうちらのバンドの姿勢を歌っていて。初めてのアルバムだったから、バンドの方向性を示す曲を入れたかったんですよ。
 
──だから1曲目だ!
 
KOOSUKE:そうですね。
 
──ちなみに、そのバンドの信念とは?
 
KOOSUKE:バンドをやっている時に考えていること音楽に対する思い入れとか、SKAに対するリスペクト。
 
──SKAに対するリスペクト! この曲は割とハードな部分に耳がいきますけど(笑)。
 
KOOSUKE:いやいや、この曲は深いんですよ。MCもジャマイカ人のジェイソンにやってもらったんだけど、MCの内容も歌詞の内容に近づけてもらって。とにかく思い入れがある曲ですね。
 
YOSHIKI:その通り! 最高!
 
──ちなみに曲順は悩みました?
 
YU:悩みました!!
 
YOSHIKI:レコーディング前と後で変わったりしたね。
 
TSUJI:聴いてみての感じがかなり変わったんですよ。だから曲順決めるのも大変だった(笑)。
 
YU:でも、この曲順は俺たちが気持ちいい~って思った曲順だから、聴いている人が勝手に並び替えてもいいと思うんですよ。それは全然アリ!
 

M-2 HOLD ON AND BE STRONG

──イントロが印象的で新しい感じですが。
 
KOOSUKE:これも一応前からある曲でオムニバスにも入っていたんだけど、アレンジを変えて今の感じを出したくて。
 
YU:相当変わったね。
 
KOOSUKE:そうだね、だから新しいかもしれない。もともとPOPな曲だったんだけど、それをそのままやっちゃっても面 白くないし。
 
YOSHIKI:いい意味での裏切りが出来た。一緒の所が全くない。コードが一緒の所はあるんだけど。
 
YU:ボーンと歌メロで言ったら、全部変わっているよ。
 
WADA(Dr.):ドラムもほとんど変わってますね。
 
KOOSUKE:元々の曲も良かったけど、聴いていて気持ちがいいポップさにしたかったんで。もうちょっと大人な感じというか。元々の曲はうちらがやりたいことからは、ちょっと浮いていたんだよね。
 
──step by stepとしての芯をアレンジし直すことによって通した感じだ。
 
KOOSUKE:割とクリーントーンをメインにしているんだけど、疾走感はきちんとある感じだね。
 
TSUJI:クリーンでもテンション高く持っていけるかのチャレンジでもあったかな。
 
──今回のアレンジの方が好きだな。再録の曲って聴き比べると、そのバンドの方向性が如実に現れているよね。
 
KOOSUKE:そうだね。バンドの成長もあると思うし。うちらにしたら割とバンドっぽい音になってきていると思う。
 
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