童貞力
──でも、いつも童貞喪失には一言ありますよね。
イノマー: SEXは23才を過ぎてからにしろっていうのは、もう常に皆に言ってますね。
江頭: ほ〜、そう説くか。それはなんで。
イノマー: 僕が23で初めてSEXしたから。
江頭: まあ自分基準だよね。
イノマー: 若い頃からあんまりSEXしちゃうともったいないじゃないですか。色々悩んだ方がいいですよ。青春の甘酸っぱい思い出とかも、簡単にSEXとかしてたらそういうのバカにしちゃうじゃないですか。
江頭: ああ、妄想も貧困になるしね。イノマーの書く詞がいいのは23にして童貞を捨てたからだよ。せっかくだから、もうちょっと我慢すればよかったのに。40くらいまでとっとけば、その時書く詞ってすごいと思うよ。
──40まで童貞の男の詞には共感できないと思いますけどね。
イノマー: 生まれてから40年間女性との関わりが無くて、自分一人で生きてきたんだから。そこまで行くと太宰治とか、小説の域にまで達しちゃうでしょうね。
江頭: 悟りを開けると思うよ。そういう世界もあるんですかっていう。イノマーの所の客とかもそうだけど、競艇場の営業とか行くと素晴らしいよ! もうさ、本当にどうしようもない、40過ぎで童貞どころか友達も一人もいないだろうってヤツがいるんだけど、オレがコントをいっくらやっても、そいつの面白さには負けるもん。コントやってる最中にいきなりテープ出してきて「このカセットテープ、僕の歌が入ってるんです、タモリさんに渡してください」って。なんでオレじゃなくってタモさんなんだよ、お前の頭の中どうなってんだ!? だから、そいつが歌詞書いたら一番だけで何十ページも行くよ。
イノマー: ギミックじゃなくてリアルですからね。やっぱり僕らは本物を前にしちゃうとどうしようもないですよね。残念なことに、僕たちは所詮SEXを知ってしまったからね。処女膜再生手術ってあるじゃない、愛染恭子とかがやった。童貞再生手術ってないのかな。
江頭: 皮を伸ばして縫い合わせるとか…。
──それはただの包茎ですよ。
イノマー: 童貞ってチンポの問題じゃないんでしょうね。
──でも、童貞を捨てる時期が遅くて、グッツグツに童貞を煮詰めてた人って、SEXした後も充分童貞力が残ってると思いません。
イノマー: うんそうだね。でも、こんなこと言ってるけど単純に全然もてなかっただけじゃねぇかって感じなんだけど。もてなかったからヘリクツ言って正当化してるだけで、オレもその当時もててたら普通 にSEXしてたと思うもん。
──中学生くらいの童貞の頃って、オナニーの話を普通にできました?
イノマー: オレは普通にしてたけどな。女の子はしてなかったけど。
江頭: そりゃしないよ。
イノマー: 何で女の子ってオナニーの話しないんですかね?
──絶対女の子もオナニーしてますよね。
江頭: してるしてる。女子高の机の角とか尖ってないでしょ、皆股間を擦りつけてるから。
──でも男同士でも、僕とかオナニーに対してどうしても罪悪感みたいなのがあって、友達どうしで「週何回してる?」みたいな会話しても、お互い過少申告しあうから。相手が週三回って言ったら、自分は週二回って言っておくみたいな。本当は毎日してるのに。だから自分だけ異常にオナニーし過ぎてるんじゃないかって悩みましたけどね。
イノマー: オレは逆だったな。相手が5回って言ったら、7回って言ってた。
──ああ、それは健全ですね。だからやっぱりイノマーさんみたいな。人がオナニーを解放していかなきゃいけないんですよ。
イノマー: オナニー解放か。もっとマスメディアとかでも取り上げて欲しいよね。
江頭: あるある大辞典とかでやって欲しいね。
── 「こんなオナニーは体にいい」とか。
イノマー: そうそう。オナニーし過ぎるとバカになるとか言うけど、それが本当なら僕たち大バカですよね。真面 目な話、身障者だってオナニーするし、コジキだってオナニーするし、女の子だってオナニーしていいんだよ。そういう人たち皆に「オナニーマシーン」を聴いてもらいたいですね。