久田さんはかわいい
吉田豪(以下:豪) 『ナックルズ』と『BUBKA』って実は敵対関係にあるのに、『ゴッドタン』を見た『BUBKA』の人たちが「初めて久田さんのことを可愛いと思ったし、好きになった」と言ってたんですよ。
久田将義(以下:久) ……『ゴッドタン』の三回目ですか?
豪 ええ。だけど久田さんはずっと可愛いいじゃないですか(笑)。
久 ……本当にぃ(可愛らしく)?
豪 ダハハハ! 『ゴッドタン』を見ていない人に説明すると、ボクらが下世話な話をするだけの「ゲーセワニュース」っていう企画をこれまでに3回やっているんですよ。
久 TV東京の深夜でね。
豪 ただ、毎回収録が終わるとボクのところに久田さんから電話がかかってくるんですよ。「吉田君、今日の反省会したいんだけど……。今日の僕、どうだった?」って。実は収録後に毎回ボクが久田さんを励ます会をやっているんです。「久田さん、大丈夫ですよ」って言い続けて(笑)。
久 いつも2丁目の中華料理屋で。本当にありがたいよね。
豪 「絶対今回だめだったよな。二度と呼ばれないよ……」「いや、あれがいいんですよ!」「吉田君の方がおもしろいじゃん……」「いや、久田さんが真面目にやるから僕が活きるんです!」って。
久 ……というような会話を交わしているんです。今みたいな感じですよね。
豪 オンエアの日にもまた電話が掛ってきて、「いまゴールデン街でテレビ見てたんだけど、みんな吉田君の所でしか笑わないんだよ。絶対に僕、駄目なんだよ……」「そんなことないですよ!」って感じで(笑)。
「全国●●マンMAP」
久 三回目の放送は特に酷かったんですよね……。まず、吉田君が玉置浩二のすごくいい話をしちゃって。
豪 全然下世話じゃなかったという(笑)。
久 おぎやはぎさんと劇団ひとりさんが玉置浩二の話に感動しちゃって。劇団ひとりさんなんて玉置浩二さんの真似をして、「もう俺、帰るわ」とかネタにしてた後で、僕の「全国●●マンMAP」じゃないですか。
豪 最初のイタコの話で、いきなりハードル上がりましたよね。
久 上がったよね〜。僕、三つぐらい●●マンを紹介したんですけど、最初がイタコで。
豪 イタマン面白かったですよ(笑)。
久 御存知ない方に説明すると、10年以上前に新潟のキャバクラで取材をしてて「この辺で名物の人いない?」って聞いたら、「小さな手製のビラで、私とヤれば運気が上がるって言っている、あげまん慶子っていうのがいる」と言うから、それを捜しに行くっていう話だったよね。
豪 そしたら町中に「あげまんで〜す。あげまんで〜す」ってビラまいている奴がいたと(笑)。
久 本当にすごいです。それで、ビラに書いてある電話番号に電話したら「はい、あげまんです」って出た。
豪 「あげまん、一丁!」みたいな(笑)。
久 本当にお店みたいな感じだよね。すごい強烈な人だった。
豪 でも、ナマでヤラなきゃ運気上がらないんですよね?
久 そう。そんなこと無理でしょ? だから出来なかったの。でもね、新入社員とか入ってくるたびに行かせるんですよ。
豪 皆の運気を上げる為に(笑)。だけど、あんまり上がってないんでしょ?
久 全然上がってない(あっさりと)。でも、あげまん慶子は「私は田中角栄を上げた」って言ってた。
豪 上がった後に下がってますけどね(笑)。
久 それで、一応金取るんだよね。売春になっちゃうから今は新潟を追い出されて、柏崎市に潜伏しているらしい。
豪 いまでもいるんですか?
久 いるらしいですよ。そんな話を最初に『ゴッドタン』に出たときに話したらウケて、三回目に出演するそういう「●●マン」の特集をやろうってことになって。そしたら、僕の前に吉田君がテレ東のスタッフが聞き入っちゃうぐらい本当にいい話をして、その後じゃないですか。スタジオの雰囲気が完全に嫌だったんですよ……。。
豪 最初の、イタコになって卑弥呼とかマドンナとかを降霊させる風俗嬢、通称イタマンの話は受けてましたよ(笑)。
久 でも、その後がね……。ただの駄目な風俗体験告白みたいになっちゃって、劇団ひとりさんなんかマジギレしそうになってたよね。「なんだよ、その話!」って。
豪 要するに、レギュラー出演者の方が明らかに風俗体験も豊富で、「……何それ?」「普通じゃん!」っていう空気が出てたんですよ。
久 「おもしろ体験風俗レポーターじゃないですか!」って言われて。
豪 しかも、「そんなに体験してないじゃん!」的な。
久 ズバリその通りなんです……。その雰囲気に耐えられなくて、収録終わった後、吉田君に「飲もうよ」って言って。あの時はありがとうね。
豪 そういう所が可愛いんですよ(笑)。
久 可愛いって!
右翼の人とかヤクザの人には頼らない
久 でも、ゲーセワニュースの時も2時間以上喋って、30分ぐらいしか放送しなかったんだよね。
豪 内容的にはアウトな感じでしたよね。
久 劇団ひとりさんとかおぎやはぎさんは、本当に訊きたいことだけを訊いてくるから、僕らは一応ギリギリな話をしているんですけど、3人の質問が全部アウトなんですよ。
豪 具体的に言うと、風俗出身の有名人の実名とか。そんなの放送出来る訳がないじゃないですか(笑)。
久 あと、「芸能事務所が主催しているキャバクラがあるんですよね。誰が居たんですか?」とか聞いてきますもんね。
豪 本当に現場で聞きたい話だけしてきて。
久 あと、すごい嫌だったのは、劇団ひとりさんが「芸能界の中で闇社会と密接な関係なのは誰ですか?」って聞いてきたこと。無難にYって言ったけど。
豪 まぁ、一番無難ですね(笑)。
久 本人が公言している人の話はし易いですけど、本当は◯◯◯◯って言いたかった。
豪 ああ、真っ黒ですね。ボクらが今後『ゴッドタン』に出ることになっても、今日のイベントでは番組で出来ないような話をしましょうよ。
久 ああ、それはいいね。
豪 テレビ対応出来ない話という訳で、まずは海老蔵の話を教えて下さいよ!
久 あれはですね、みなさんワイドショーとかスポーツ新聞を見るときに酔っ払い同士のケンカみたいで本当にくだらないって思われているけど……
(以下、本当にココには書けない話)
豪 それは使えないですね(笑)。久田さん、正月の電話はヤクザの親分からが一発目だったんでしょ(笑)?
久 そうそう。
豪 「おう、おめでど〜」みたいな?
久 それが結構爽やかなの。「あっ、久田さん明けましておめでとうございます〜。新年会やりましょっ」って。着信みた時、あ、組長だって思ったんだけど。
豪 あれ、そういえば本出すんですよね? ヤクザの人から呼び出されたこととかまとめた本。
久 本当は5、6年前に出す予定だったんですけど、僕が出版社移ったせいで話が止まっちゃってて。半分ぐらい書いてたのとブログを書き足して、ヤクザとか政治家とか右翼とか芸能事務所とかの裏を赤裸々に書いちゃったんですけど。でも若干抑えめですよ。
豪 そういう経験があると、海老蔵事件はやっぱり違う見方が出来る?
久 う〜ん、よく他誌の人がさ、「久田君、うちの若い記者がすごい所からネタ掴んできたよ」とか言うからさ、「誰ですか?」って訊いたら、「ほら、あの人ですよ」とか言って、聞いちゃ駄目な人のネタを元に記事書いちゃっているから、ちょっと待てよって思っちゃうんだよね〜。
豪 じゃあ最後に一つ、圧力を受けた時に助けてくれた人、支えてくれた人の何かいいエピソードがあったらお聞かせ下さい。久田さんが圧力を受けてきたときに、誰か助けてくれた人とかはいるんですか?
久 いましたね。「殺すぞ!」「刺すぞ!」「抹殺するぞ!!」とか。政治家からも言われたからね。ただ、揉めた時でも、普段「久ちゃんは友達だから」とか言ってくれてるような右翼やヤクザの人には絶対頼らないことにしてます。
豪 面倒くさいことになるから?
久 それもあるし、もともとこういう仕事をしているだけに、その筋の人を頼ったりしたら「ほら、やっぱり」ってなっちゃうじゃないですか。一緒にお酒飲むぐらいはするけれど、頼ったことはないです。社長や部下に迷惑がいかないように頭は下げたりしますけど。正月に親分から電話が掛ってくるぐらいだし、ヤクザの忘年会にも付き合いで行ったけど、そこまで対等でやっているつもりはない。その辺のことは本でまとめていますので、是非。
豪 楽しみにしてますよ。