最高裁は、北海道開発局発注工事を巡る受託収賄など4罪に問われた衆院議員、鈴木宗男被告(62)=比例北海道ブロック、新党大地=に対し、9月7日付で上告を棄却する決定を出した。これに伴い宗男氏は収監され、公職選挙法と国会法の規定に基づき失職する。
私は「この裁定は不服だ!」と激しく思った。その夜、21時に宗男氏の携帯に電話を入れた。宗男氏は、直ぐ電話を取り、「高須さん、不服だよ…。いずれにしろ再審請求はするが、恐らく9月末から10月上旬に収監されることになると思う」とポツリと話した。
それを聞いた瞬間、私は、宗男氏と対談をやっておかなければまずいと思い、アサヒ芸能、夕刊フジ、週刊金曜日、サイゾー、ブブカ、実話マッドマックスなど、私の連載担当者に連絡をいれ、直ぐに宗男氏との対談を組ませた。
その後、神戸の自宅に帰省していた元大阪高検公安部長の三井環氏に電話を入れ、「三井さん、これは不当ですよ…」と話すと、三井氏は「急遽東京に戻ることにします」と言い、電話を切った。
宗男氏は、民主党の小沢一郎元代表を長らく支援していた。今回、民主党代表戦前後に、小沢支援のナンバー1であった宗男氏に最高裁の決定を出した事に対し、小沢氏への現時点での国策捜査、宗男氏へのこの国策捜査、また、彼の盟友である外務省の佐藤優氏、そして三井環氏等と同じような国策捜査を感じ、いったい日本の司法制度はどうなっているのかと胸に迫るモノがあり、心苦しくなった。
宗男氏は、今後2年弱刑務所に入る事になる。そして、受託収賄罪などに問われると、国会には5年間出ることができない。ということは、ここから先約7年間、選挙に出馬することはできないのだ。出馬できるのは、鈴木氏が70歳になった頃だろう。それでは、年齢的にきつい…。ならば、2年後に出所した際に、小沢氏と一緒に、一般人として内閣に入り活躍してもらいたいと思ったが、今回、残念ながら小沢氏は代表戦で負けた…。もしも小沢氏が代表になっていれば、きっと外務大臣には宗男氏を選んでいただろう。
現在、菅総理が2世を押しているが、こうなったら宗男氏の代理に、長男の鈴木行二君を押し、代理戦争をやるしかないだろう。後継人になり、次の選挙では、新党大地は行二君を前に立たせ闘ったらどうだろう。
宗男氏と私は、髪が薄く、胃の4分の3を摘出している…。宗男さん、我々はもう引退してもいい年齢ではないだろうか。行二君はまだ若い。次世代は行二君に任せ、これから先の人生を生きたらどうだろうか。
それにしても、検察はまた一人、日本国家の将来を考える傑物を喪った。立法と司法が癒着せぬような三権分立が日本国のベースであったのに、これでは三権が分立どころか、三権馴れ合いではないだろうか。今のところ、これは傑出した人物に起こっているが、いつか国民一人一人に起こったら、とんでもない時代が来る。自分の怨念は息子に晴らしてもらえ!
高須基仁 PROFILE
1949年生まれ。中央大学在学中の1968年、丸太を抱えて防衛庁に突入し実刑判決を受ける。卒業後は玩具メーカーのトミーに入社。UNOカードなどのヒット作を連発する。その後、芸能プロダクションを経て、モッツ出版を起業し多数のヘアヌード写真集をプロデュース。現在はラジオ、新聞で連載多数。ロフトプラスワンでは1996年から高須基仁プロデュースイベントを定期開催し、現在同店では最長開催イベントとなっている。