Text:絵恋ちゃん
カエルになりたいです。なにかきっかけがあったわけではないのですが、最近はカエルになりたい気持ちが日々強まっています。わたしはなにかと生きづらいので、梅雨を楽しく乗り切るためにカエルになりたいのかもしれません。ちなみにわたしのママはこの世のすべての生き物の中で、カエルがいちばん嫌い。テレビにカエルが一瞬でもうつれば、大騒ぎしてチャンネルをかえてしまうほどです。カエルの気味悪さには納得できるので、そのことにはなんの感情も抱いてないと思って生きてきましたが、ゲームを禁止されていた子どもが将来ゲーマーになるような現象がわたしの身におこっているのでしょうか。カエル色のお服とカエルのかぶりものを買って、今は満足しています。
久しぶりのコラムになってしまいました。年始に「今年こそちゃんと書くぞ!」と思い、出来事を記録するために手帳を買ったのですが、春前にはなくしてしまいました。手帳といっしょに買ってきたシカのぬいぐるみはまだあります。わたしの一年を見守ってもらおうと、今年の干支の辰のぬいぐるみを買ったつもりが、よく見たらシカでした。名前は「とんぷく」とつけました。
そんなわたしも最近は成長して、SNSで「おはえったん!」と毎朝挨拶していたり、毎日動画を投稿しています。すごい。まったくマメな性格ではないのに、人は変われるのですね。でも、今までもアルバイトやレッスンを一日休んだら二度と行けなくなったりしてきたので、また突然全部を投げ出さないでくれよ、と自分に祈っています。わたしはわたしを信用できず、いつも祈るばかりです。
例えば徒歩。歩いている時、わたしは正気を保つのに必死で気が気じゃありません。徒歩はわたしが止まったらそこで終わってしまう、非常にリスキーな移動手段です。いつなにをしだすかわからないわたしにたいして常に機嫌をとりながら、目的地まで連れて行ってもらえるよう祈るしかないのです。電車や車と同じように、徒歩5分、徒歩10分、などと当然のように書かれていることを疑問に思います。途中で歩くことに飽きてしまったら? 前から来る犬がかわいかったら? 変な椅子が捨ててあって気が散ったり、滅多にない専門店を見つけて入ってしまったら? もう、おしまいです。その日の予定は全部めちゃくちゃになってしまいます。どうしてこんな危険なことをみんな平気でするのでしょうか。わたしはいつも手に汗握りながら、今日も駅まで着けるのだろうかと、祈りながら一歩一歩前に進んでいるのです。
コラムに関しても、いつか書いてほしいとわたしに祈るしかない状態でしたが、ようやく書くことができました。コラムっぽいかなと思い、最初に季節感を出せたのはよかったですが、わたしのコラムってこんなかんじの文章でしたか? 変わってしまっていたら申し訳ないです。それと、カエルには近いうちになるつもりです。わたしがカエルになった途端に、みんなに嫌われないといいなと思います。
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