絵恋ちゃんの ああ えらそうに コラムが書きたい
人はとっても弱いから、毎月何かしらのイベントがあるんだと、小学生の頃先生が言っていました。昔の人が「働いて休むだけでは気が滅入る」と気がついて、乗り越えるために季節の行事を用意したんだなと想像したら、なんだかすごい!と思って、わたしはその日からずっとイベント事を大切にしてきました。年中イベントだらけの地下アイドルになったのも、今思うとなんだかしっくりきます。そういえば、今年の4月は人生で初めてお花見ができませんでしたが、5月は五月病をしっかり楽しみたいと思います。
新型ウイルスの感染拡大の影響で、このコラムを連載させていただいているRooftopもしばらく休刊になりました。WEB版は今後も続いていくとのことで、大変な状況の中でもわたしたちの楽しみを残してくださって、本当にありがたい限りです。地下アイドルも、外出禁止の世の中でイベント無しでもどうにか活動を続けていこうと、配信をしたり、通販をしたりと試行錯誤しています。
そんな中で、最近SNSではバトンやリレーと呼ばれる、「お題にチャレンジして次の人を指定し繋いでいく投稿」をよく見るようになりました。自撮りを載せる、筋トレ、歌など内容は様々です。この自粛期間を少しでも明るい気持ちで過ごしてもらおうと、タレントやアーティストがそれぞれキャラクターに合った投稿をして盛り上がっています。わたしは良いなと眺めつつも、自分が参加するとしらけるのではないかと、考えすぎてしまっています。
小学校の体育の授業で、グループで円を作り、ボールをまわしていく準備運動の時間がありました。「ボール投げたら、一発ギャグか変顔しない?」とグループの一人が提案し、何が面白いのかわからないそのゲームは突然始まりました。わたしの番が近づくと、周囲は笑いをこらえて「次あいつだぞ」とアイコンタクトをしていました。下を向いていてもわかるのです。ついにその時はきてしまい、運動が苦手なわたしはボールのキャッチにも失敗し、一発ギャグも変顔もできず、ただ無言で次の人にボールをまわしました。流れを壊したかったわけではなく、それが精一杯でした。わくわくした目でわたしの失態を笑う準備をしていた人たちが、何もやらないなんてつまらないやつ、と言わんばかりに表情を変え、一人が小声で「なんか盛り下がるわ」と言いました。わたしはこれ以上みんなに迷惑をかけたくない思いで、ただひたすらに泣くのを我慢して立っていました。
SNSのリレーについて否定する気は全然ありませんが、上手に乗っかれない人を見た時には、どうか誰も責めないでほしいと願う今日この頃です。そして、どんなことにも乗っかって癒やしや笑いを届けてくれる皆様には頭が下がります。こんなコラムを書いて、あの日の体育みたいに盛り下げてしまったらごめんなさい。
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