"Märchen ROCK"を根底のコンセプトとして掲げ活動しているVo.景夕、Gt.タイゾ、Ba.結良、Dr.靖乃の4人編成ロック・バンド、Kra(ケラ)。
前半のインタビューでは、彼らにとって思い入れの強い渋谷公会堂で行われた9月11日の14周年ワンマン・ライブや、ニュー・アルバム『次の物語』について語ってもらった。
そしてこの後半では、10月12日から始まる『ツギノモノガタリ』『ベツノモノガタリ』のツアーや共演者との関係性、そして15周年に向けてのこれからのKraについて語っていただきました!(interview:河西香織/新宿LOFT)
『ベツノモノガタリ』は別物ではない!?
【インタビューの前半はこちら】
——10月12日から今年最後のツアーが始まりますが、『ツギノモノガタリ』と『ベツノモノガタリ』という2タイトルはワンマンかイベントか、ってことですか? それとも何か別のコンセプトがあるんですか?
結良:ワンマンかそうじゃないか、ですよ(笑)。
景夕:もうほんとそこですよ(笑)。それはでも、別物として観て欲しいわけではなくて流れとして観て欲しいので、分かりやすくタイトルもそこまでかけ離れたものにせずに。「みんな、全部来やすいでしょ!」(笑)っていう意図もありますね。
靖乃:『ベツノモノガタリ』って言ってんのが、実は「ベツ」じゃないんじゃないか感が、日を追うごとに強まっていけばより面白いと思いますね。絶対、Mix(Mix Speaker’s,Inc.)と一緒にやって、その次のワンマンでってなったら、俺らはそこから得てきてるものが落とし込まれると思うんで。NAOKIから得るものはないかもしれないです(笑)。
景夕:いや〜、あるよ。あの人はあの人でいいんだよ。
靖乃:いつもより話が長くなるっていうのはあるかもしれない(笑)。ワンマン・ツアーとイベントのツアーを平行しながらって、今までもそんなに経験してないと思うので、お互いに作用しながらもの凄い濃い世界になっていけば面白いかなっていうのは、個人的に楽しみとしてもあるんですけどね。
Mix Speaker’s,Inc.との2マンはやればやるほど濃いモノに!!
——では5カ所で共演するMixさんとの関係性を教えてください。
景夕:初めてしゃべったのは、3〜4年くらい前のZEALLINK TOURだったんですけど。
——意外に最近ですね。
景夕:ほんと最近なんですよ。AYA(Gt.)さんやseek(Ba.)さんは、俺がバンドを始める前からやってた人たちで、大先輩っていうのもあって、ちょっと話しかけづらかったんですよね。でも話してみたら、すごく話しやすくていい人たちだなって思って、仲良くもなったんですが、そこからあまり対バンもなくて。で、今回、こういう感じのツアーにしていこうかってことになった時に、じゃあMixさんとそろそろやりたいよねって。一緒に企画してやっていく初のイベントなので、どうなっていくかはまだ未知数な所が多いんです。でも、Moranとの2マン・ツアーの時もそうだったんですけど、やっていけばやっていく程、悪ノリだったり濃いモノになっていったりすると思うんですよね。お互いに凄く仲はいいし、でもステージに立てばライバルだし、いいツアーになると思うので、関係性としてはめっちゃいいと思いますね。
——みなさんは交流はありますか?
結良:僕はボーカルのMIKIくんと実はもう15年の付き合いなんですよ。バンドを始める前からの知り合いで。ちょいちょいMIKIくんの前のバンドとかと対バンしたけど、こうやってツアーを一緒に回るのは初めてなんですよね。15年の付き合いだけど、お互いに連絡先を知らないっていう(笑)。
——じゃあ、今回のツアーで交換して?
結良:いや、意地でも交換しないですけど(笑)。ずっとそういう仲でやってきたので。
——会った時には盛り上がって?
結良:そうそう。それがちょっと楽しみですね。
——不思議な関係ですね(笑)。
結良:そうですね(笑)。
——タイゾさんは?
タイゾ:あんまり交流というのはなかったんですけど、対バンはちょいちょいさせてもらってたりはしてました。seekさんとは2人になった時に雑談をしたりとかはしてて。seekさんはそれこそ自分が中学生くらいの時からテレビで観てた人なんで、普通にしゃべってくれるんだって思って(笑)。
景夕:そうなるよね(笑)。
タイゾ:そうなる! で、凄い紳士な方だし、やっぱり人柄って大事だと思うんで、そういう意味でも2マンをやっても全然不安もないし、楽しみだなっていう感じしかないですね。
——靖乃さんは?
靖乃:俺は個人的にはKraの前にやってたバンドで、サイコ(seekとAYAの別バンドのPsycho le Cému)と対バンしてたんですよ。それから時空を越えて、お互いに距離が遠い時もあったんですけど、さっき景夕が言ってた対バンのツアー(ZEALLINK TOUR)で一緒になって、濃いものをやってるなっていう自負をお互いに持っていると思うので、距離がグッて縮まって。特に景夕がseekさんとグッと距離が縮まったりとかも含めて、その当時くらいから何か一緒にやれたらいいよねってずっと話してたから、それをようやく形にしてファンのみんなが観られる形でアウトプットできるタイミングがやってきたかなって。異種格闘技戦な感じでいろんなモノが飛び交うんじゃないですかね、きっと(笑)。
——ステージングが両バンドとも特異ですもんね。
靖乃:うん、何かお互いに変な世界におる人たちって感じなのかな(笑)。俺らも多分時空の歪みの中におるような存在やと思うし、彼らはもう言わずもがななので。この2バンドで一緒にツアーを回ってとかだと、その日にしか観られへんかったなっていう深いモノ、濃いモノを観られた方が、多分やってる側も観てる側も楽しいだろうなっていうのが俺らの中にあるから、具現化するとこうなるよっていう感じをちょっと提示できるんじゃないかなっていう期待を込めてって感じですね。
——じゃあこの対バン・ツアーでガッツリ絡んでって感じですね。Mixのメンバーさんはちょっと人見知りって言われてますもんね。
一同:あ〜〜。
結良:seekさんは結構、社交的だよね。
景夕:そうだね。今回のアルバムを作る時にレコーディング・スタジオが一緒で、Mixのメンバーさんと結構会ったんですよ。その時は、ギター隊がほとんど地下のスタジオに入ってて、seekさんは上でベース作業をしてたんですね。で、上がってきた時は話しかけてくれて普通にしゃべったりはしてたので、世間でそう言われているのであれば、その中でも結構仲がいいうちに入れてるのかなっていうのがありますよね。
——じゃあ、今回で更にですね。毎回打ち上げで盛り上がってもらって(笑)。
景夕:みんな、歳だから(笑)。
一同:(笑)
靖乃:多分、本番に向かうまでの楽屋で、趣味の話とかで盛り上がってるその空気感とか楽しい感じがステージで、10人のチームとして出たら面白いもんになるかなって気がしてて。2バンドの対バンではあるんですけど、でっかい物語を一緒に作ってるみたいな感じになったら、面白いもんになるかなって気はしますけどね。