もうこれで何枚目の『kocorono』になるんだよ!?(正解は6枚目)とお嘆きのご同輩、気持ちはよーく分かるが、こればかりは仕方ない。ブッチャーズのキャリア史上、いや、日本のロック全史における屈指の名作の発売20周年記念盤となる本作には、吉村秀樹が生前「あれは俺の宝なんだよ」と豪語していた未発表音源「kocorono」が特別収録されているのだから、これは女房を質に入れてでも入手しなくてはならない。“最終盤”と銘打ちながら「1月」が入ってないことに不満の人もいるだろうが、本作はそもそも「2月」で始まり「12月」で終わるのが本意でありコンセプトだし、「1月」を入れる試みは6年前に発売された“完全盤”ですでに成し遂げられている。吉村が“先生”と仰ぐ名越由貴夫による最新リマスター、メンバーと主要スタッフへのインタビュー記事が満載のブックレット封入、魂の三方背スリーブケースと仕様も豪華。製作陣の愛情と気合のこもったココロノ最終便だ。(Rooftop:椎名宗之)