終わることも始まることもできない。新感覚がすぎるストーリーの凄さに絶句、難解で巧妙なドイツ製ドラマ!
『ストレンジャーシングス』見たさに加入したはずのNetflixで、他になにも手につかなくなるくらいドハマリしたのがドイツ製の『DARK ダーク』。
かつてこんなに難解で巧妙なドラマがあっただろうか。
ここで言う「難解」とは、見る人の解釈を求めるような抽象的な難解さではなく、純粋に血縁関係・時間軸という現実的な難解さのこと。
舞台は33年周期で人が失踪してしまう村。失踪者を探すうち、「どこ」へ消えたのかではなく、「いつ」に消えたのか、と気づきストーリーは深く暗くなっていく。
陰鬱な森があって、閉鎖的で、知られたくない過去も知られているような狭い地域社会で、家族内でも言えない秘密があるミステリーやサスペンスものが好きな方はマストだと思うのですが、それどころじゃない、そんな話しではない。とんでもない。
登場人物の行動、なんでもない出来事ひとつとっても、それが現在・過去・未来のすべてに影響をもたらすため、集中力をとぎすまして、あるいは相関図を広げながら真剣に見なくてはいけない。もちろん相関図は、現在・過去・未来の3枚が必要。それぞれが巧妙に影響しあっているためとにかく難しいけれど、ネットに相関図や1話ずつの考察がたくさんあるので、1話ずつ整理して見ていけば大丈夫、安心。
というのも、「あの過去が現在にこんな風に影響していたのか」…ではなくて、「この現在があの過去にこんな風に影響していたのか」ということがバンバン起こりうる。意味、わかりにくいですよね。でもほんとこれ。
どうやったらこんなにとんでもないストーリーを考えられるのか、そもそもお話しの始まりがどこなのか一切想像がつかない。ドラマを見ていても、「まじか…」「ひえー、ここでこれが!」「…(絶句)」の連続。過去が現在をつくるのではなくて、未来があって過去があることも当然で、終わることも始まることもできずどこにもたどり着けないストーリーに圧倒されたまま、シーズン2が終わったところ。現在、シーズン3を待ちわびている。
映像作品でしか表現しきれないだろうなという「これしかない100%感」が見ていてたまらない。全部がバツンとピースがはまっていく気持ちは鳥肌モノ。どうか次を最終シーズンにしないで『渡鬼』のようにずっと続いてほしい。『DARK ダーク』ロスが今からこわい。(成宮アイコ)
ドラマ『Dark ダーク』
製作年:2017年
製作国:ドイツ
Netflix配信日:2017年12月1日
現在シーズン2まで配信中