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雨宮処凛 「「女子」という呪い」

2018.04.25   CULTURE | BOOK

集英社クリエイティブ
1,100yen+tax

 フリーアナウンサーの長谷川豊氏が「セクハラダメって”風潮”」とお門違いもはなはだしい発言をしたが、確かに「する側」はいつも無自覚なんだよな…と思い知らされた。いじめやパワハラや暴力に対しても同じだが、昔は良かったけど今はだめではなく、ずっとだめだということになぜ気づけないのか。目を覚ましてほしい。#MeTooタグにつけられる悪意コメントにも、「こっちだってむやみにポリコレ棒ふりまわしてるわけじゃないんだよ!」と声を荒げそうになる。
 しかし、そういった「おかしいこと」に抗い続ける雨宮処凛氏の切り込み方はいつだって優しい。それは、被害者も加害者も「人間」だという前提があるからだ。自虐や批判という類の、ときに言葉の暴力になりかねないことに触れる際にも、誰もが傷つかないユーモアセンスをもって言葉にしてくれる。そして、ときにはクスっと笑わせ、肩の力を抜きながら現在リアルタイムで起こっている社会の現状を示すのだ。怒りだけで終わらせないでいてくれる姿勢に、世界は捨てたもんじゃないと思わされる。
 「女子」という呪い という言葉が気になった方は、雨宮氏のオフィシャルブログに公開されているまえがきだけでも読んでほしい。そして、胸が痛くなった方はぜひ書籍を手にとってほしいのだ。性別問わず、きっとあなたの希望になるはずだから。(成宮アイコ)

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