「スクープ、謎に包まれたオウム真理教・村井秀夫刺殺事件から16年、実行犯が初めて語った真相」と書かれている。この対談の成立はかの思想家・鈴木邦男氏のプロデュースだと思うが、当時オウムの広報部長としてマスコミに引っ張りだこだった上祐史浩氏(現ひかりの輪)を第一のターゲットで殺そうと思ったテロリスト徐裕行氏はオウム教団本部の前で何時間も立ち尽くし、村井幹部を殺傷して12年の懲役を受け出所した。殺す側、殺される側として事件の中心にいた「絶対に会うはずのない、会ってはいけない二人」がいま出会い、あの事件の真相を語り出したのだ。そりゃ〜凄い迫力だ。確かに謎は多い。「闇の勢力」という陰謀説も飛び交った。この対談も関係者はやきもきしながら見守ったそうだ。私もドキドキしながら読んだ。(平野悠)