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「友川カズキ 花々の過失」

2010.12.26   CULTURE | MOVIE

新宿Ksシネマにて公開中、以下全国順次公開

 友川カズキの初ドキュメント映画『花々の過失』(ヴインセント・ムーン監督作品)を観たのです。ワタスは、1973生まれで、昨年で37歳なのでした。友川カズキさんは60歳!(ワタスの中で伝説の人)で声は叫んでるけど、簡単な絶叫ではなく噛み殺したような絶叫で、普通の聴きやすいフォークミュージックではなく聴く側を疲れさせもするし、スゲーッと驚嘆する音楽なのです。友川カズキさんの声が好きなのですが、ワタスは、友川カズキさんのライブ演奏は観た事ないのです…。

 この映画は、70年代から秋田出身友川カズキさんが、60歳にして、なおまだ、自分の思い、叫び、心をアコギをかき鳴らし、歌い続ける…まさにライブなのです。

 60歳まで続けたからこそ、続けてしまったから、人生の中で、色んな間違いもあって、犠牲にして(普通の幸せとか)、しかし、友川カズキさんは、次々と浮かぶ、思いをスタイルを変えないで、変えない強さで、それは、貫いたからこその魂の叫びなのです。

 ヴインセント・ムーン監督は、ビデオカメラを楽器にして世界を飛び回り、ミュージックを撮るのです。R.E.M.、モグワイ、トム・ジョーンズ、アニマル・コレクティブ、シガーロス、二階堂和美など、メジャー、インディーを問わずに、撮るのです。生涯をかけたプロジェクト「ノルマディック・フィルムメイキング」を自身で立ち上げ、現地で出逢った表現者をカメラでつかむのです。で、作品はほぼウェブで観れてしまうのです。

 いわゆる、ドキュメント映画というよりは、アート映画的なのですが、友川カズキさんと仲間のような身近な視点でとらえてるのです。ワタスの中で、あの伝説の友川さんの映画だけど絶望しかないの? 観るの怖いなーと思っていたけど、友川さんにこんなお茶目な部分もあるのかーとおもったり、再会と小さな許しがあったりした良い映画なのです。表現と生きると犠牲…色々生きる事の切なさにまだなお正面から友川節で生き抜く強さに、顔の影がすごい!まさに生き方が表現!! と感服したのです。(著 松本章)

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