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moonriders(ムーンライダーズ)、2月に急逝した岡田徹を悼むトリビュート・ライブを開催!

2023.06.29

moonriders(ムーンライダーズ)が6月25日、東京・恵比寿 The Garden Hallにてライブを開催した。この日は2月14日に亡くなったメンバーの岡田徹を偲び、ロビーには岡田徹の写真やゆかりの楽器などを展示。生前岡田が愛用していたアコーディオンは、開演後ステージに持ち込まれ7曲目の「ぼくは幸せだった」でキーボードの佐藤優介が演奏しファンを沸かせている。また、入場時には「Ciao」と題された岡田徹メモリアル・ブックも配布された。
 

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開演時間が近づくと客席は暗転となり、スクリーンには在りし日の岡田徹が映し出される。やがて会場にはキーボードの音が流れ、メンバーが下手より入場。スクリーンにはYAMAHA製のショルダー・キーボードでインプロビゼーション演奏をする岡田徹の映像が映る。これに合わせてメンバーも各々の楽器で演奏を始める。かつて岡田がいたステージ最下手位置には鈴木慶一が立つ。岡田とメンバーの時空を超えたインプロビゼーション共演は7分弱にも及び、映像が終わると1曲目「涙は悲しさだけで、出来ているんじゃない」に入る。1991年に発表したアルバム『最後の晩餐』に収められた岡田作曲のナンバーで、この夜のライブはスタートする。続く「いとこ同士」も岡田楽曲。鈴木慶一は歌詞の一言一言を噛み締めるように歌う。ここで鈴木慶一から、オーディエンスに向けて来場への感謝を告げ『今日は声出せるから、次の曲は皆さんも手伝って下さい』と「HAPPY/BLUE '95」へ。澤部渡と鈴木慶一が美しいユニゾンを聴かせる。
 

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ムーンライダーズは3月15日に全編インプロビゼーションで構成されたアルバム『Happenings Nine Months Time Ago in June 2022』をリリースした。この夜は、各楽曲のイントロやアウトロ、もしくは間奏で即興演奏(インプロビゼーション)を披露。ギターの澤部渡にキーボードの佐藤優介という盤石なサポートを得て、はちみつぱい時代の「月夜のドライヴ」(1973)や、「My Name Is Jack」(1978)、「天罰の雨」(2001)で自由奔放なインプロビゼーションを聴かせる。懐かしいナンバーが2023年の現在と完全にシンクロし、新しい曲を聴いているように思わせるのがムーンライダーズの魔力。彼らの老練さここに極まり! といった趣きだ。
 

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「かしぶち哲郎が亡くなって10年になります」と切り出した鈴木慶一は、8月19日にかしぶちの名盤『リラのホテル』40周年を記念したライブの開催を発表。「ここからはかしぶち君の曲やります!」と、「Beep Beep Be オーライ」(1977)を演奏。続く「Frou Frou」(1985)は、ムーンライダーズ・ライブではお馴染みのナンバー。この辺りから静かに聴いていた客席も熱を帯び始め、「駅は今、朝の中」や「駄々こね桜、覚醒」とアップ・チューンナンバーをたたみ込み、盛り上がりも最高潮に。慶一からの「これ、みんな一緒に歌えるよ!」を合図に始まったのは再び岡田徹の曲「ダイナマイトとクールガイ」。照明も灼熱の南国を彷彿させる「真っ赤」に統一。サビの“♩ダイナマイトとクールガイ僕たち〜愛を試す季節じゃない〜”では、メンバーとオーディエンスが一緒に大合唱し、ステージと客席が一体となって岡田徹を明るく偲んだ。
 

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「今日最後の曲です。最初で最後のゲストです!」と鈴木慶一が呼び込んだのは岡田紫苑。岡田徹の娘でもあり、ユニットlittlle moaで活動するミュージシャンだ。このサプライズ・ゲストに客席も大いに沸き、温かい拍手で迎える。ムーンライダーズと共に歌ったのはアルバム『月面讃歌』(1998)に収められた原田知世作詞、岡田徹作曲の「幸せの場所」。かつて岡田のソロアルバムにlittlle moaとして参加した紫苑にとっても思い出深い楽曲だ。静謐さの中に、ほのかな熱を感じさせる彼女の歌声に客席も、じっと聴き入る。歌い終えると、深々とお辞儀をしてメンバーと一緒にステージを降りた。
 

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アンコール1曲目は「Days of OPUS」。岡田徹と白井良明、武川雅寛は立教大学の音楽サークル「OPUS」出身で、このサークル時代に書かれた曲でライブ初披露となる。このOPUSからはちみつぱいを経てムーンライダーズに発展する。いわば彼らの原点だ。ブギ調の豪快なロックン・ロールナンバーで再び客席を熱くさせる。「我々は演奏しますので、皆さんで歌って下さい」とラストは『イスタンブール・マンボ』(1977)収録の岡田曲「さよならは夜明けの夢に」。スクリーンには歌詞が映し出され、オーディエンスはムーンライダーズの演奏に合わせ歌う。客席からはすすり泣く声も。曲が終わると鈴木慶一がメンバー紹介。最後に「岡田徹!」と紹介するとスクリーンには岡田の写真が映し出され、メンバーは15秒間の黙祷を捧げる。会場に流れたのは2011年の活動休止宣言の際に配信のみで発表された「Last Serenade」。最後、スクリーンに『Ciao=さよなら』と映し出され、2時間10分超に及んだ岡田徹を悼むライブは終了した。(Text:石角隆行)

moonriders LIVE / 2023年6月25日@恵比寿 The Garden Hall セットリスト

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※作詞作曲 / 初出アルバム
 
01. 涙は悲しさだけで、出来ているんじゃない
作詞:鈴木慶一 / 作曲:岡田徹 / 最後の晩餐(1991)
 
02. いとこ同士
作詞:鈴木博文 / 作曲:岡田徹 / ヌーベル・バーグ(1978)
 
03. HAPPY / BLUE '95
作詞:鈴木慶一 / 作曲:白井良明 / ムーンライダーズの夜(1995)
 
04. S.A.D
作詞:鈴木慶一 / 作曲:武川雅寛・夏秋文尚・佐藤優介 / It's the moooonriders(2022)
 
05. 天罰の雨
作詞:鈴木博文 / 作曲:岡田徹・白井良明 / Dire Morons TRIBUNE(2001)
 
06. 無防備都市
作詞:鈴木博文 / 作曲:鈴木博文 / カメラ=万年筆(1980)
 
07. ぼくは幸せだった
作詞・作曲:鈴木博文 / 月面讃歌(1998)
 
08. 霧の10㎡
作詞・作曲:鈴木博文 / 青空百景(1982)
 
09. 月夜のドライヴ
作詞:山本浩美・補作詞:鈴木慶一, 作曲:山本浩美・補作曲:鈴木博文 / センチメンタル通り(はちみつぱい/1973)
 
10. My Name Is Jack
作詞・訳詞:鈴木慶一 / 作曲:John Simon / ヌーベル・バーグ(1978)
 
11. Beep Beep Be オーライ
作詞・作曲:橿渕哲郎 / イスタンブール・マンボ(1977)
 
12. Frou Frou
作詞・作曲:かしぶち哲郎 / ANIMAL INDEX(1985)
 
13. 駅は今、朝の中
作詞・作曲:鈴木博文 / ANIMAL INDEX(1985)
 
14. 駄々こね桜、覚醒
作詞・作曲:白井良明 / It's the moooonriders(2022)
 
15. ダイナマイトとクールガイ
作詞:鈴木慶一 / 作曲:岡田徹 / A.O.R.(1992)
 
16. 幸せの場所 with 岡田紫苑(littlle moa)
作詞:原田知世 / 作曲:岡田徹 / 月面讃歌(1998)
 
─アンコール─
17. Days of OPUS
作詞:白井良明、武川雅寛 / 作曲:岡田徹、白井良明 / 架空映画音楽集II―erehwonの麓で(2012)
 
18. さよならは夜明けの夢に
作詞:鈴木博文 / 作曲:岡田徹 / イスタンブール・マンボ(1977)
 
メンバー:
moonriders(鈴木慶一 / 武川雅寛 / 鈴木博文 / 白井良明 / 夏秋文尚)
澤部渡(Skirt)/ 佐藤優介

商品情報

moonriders 45th anniversary THE SUPER MOON

2023年7月26日(水)発売
Blu-ray:COXA-1320 / 価格:¥7,700(税込)
DVD:COBA-7346~7 / 価格:¥6,600(税込)

【収録楽曲】
1. 無職の男のホットドッグ
2. 蒸気でできたプレイグランド劇場で
3. 9月の海はクラゲの海
4. B TO F
5. D/P
6. Masque-Rider
7. 弱気な不良 Part-2
8. 夢が見れる機械が欲しい
9. 夏の日のオーガズム
10. 春のナヌーク
11. スパークリングジェントルメン
12. 酔いどれダンスミュージック
13. Sweet Bitter Candy
14. 涙は悲しさだけで出来てるんじゃない
15. 現代の晩年
16. HAPPY/BLUE '95
17. トラベシア
18. 岸辺のダンス
19. さよならは夜明けの夢に
20. 冷えたビールがないなんて

出演者:
moonriders
岡田 徹(Keyboards, Vocal)
白井良明(Guitars, Vocal)
鈴木慶一(Vocal, Guitars)
鈴木博文(Bass, Vocal)
武川雅寛(Violin, Mandolin, Trumpet, Vocal)
夏秋文尚(Drums, Percussion, Vocal)

ゲスト:
オータコージ(Drums)
岩崎なおみ(Bass, Vocal)
佐藤優介(Keyboards, Vocal)
澤部 渡(Guitars, Vocal)
東 涼太(Saxophones)
湯浅佳代子(Trombone, Vocal

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